メゾンの核であるシンプルなシルエットを忠実に体現したサンローランの2025年冬コレクション。力強い輪郭で形作られながらも、繊細な優しさを内包していた。そんなクリエイティビティから愛を受け取った水原希子がしなやかに、堂々と纏う。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2025年12月号掲載)

可憐なレースの再解釈
ギピュールレースの上品な表情に宿るのは、マスキュリンなエッセンス。鮮やかな青のカラーリングと角張ったオーバーサイズのショルダーが、女性らしいドレスに力強さを与えた。パワフルでありながらエレガントな、サンローランの美学を貫いて。

永遠の色彩にときめいて
カラーリングで魅せる、大胆なコントラストの妙。グリーン、ブルー、イエローはどれも1960年代のカラーブロックを彷彿とさせ、ストーンウォッシュ加工が施されたボクシードレスの質感がレトロなムードを引き立てる。シューズにあしらわれたスクエアローズで、さりげないアクセントを。

サンローラン・ウーマンの
知的な遊び
オーバーショルダーのブラウスをペンシルスカートにインすることで、構築的なシルエットが際立った。首元で大きく結んだリボンや、カーブしたヒール、長めのポインテッドトゥなど、遊び心あるディテールで視線を惹きつけて。

静謐なエレガンス
今季のサンローランを象徴するような、存在感のあるビッグショルダーコート。同色のベルトやスタンドカラー、比翼仕立てのミニマルなデザインで、装飾に頼らない真のクリエイティビティを証明する。フォルムのみで語りかける、削ぎ落とされた美しさを。

ノスタルジーな味付け
ボディスーツとスカートには、どこかノスタルジックなカラーリングを。繊細なレース生地のスカートからはボディースーツのレッグラインが覗き、ショルダーから始まる逆三角形のフォルムを完璧に描き出した。

モダンなバランスの追求
ラムスキンのジャケットに、コントラストカラーのベルトをローウエストで結んで絶妙なバランスを楽しみたい。バッグには、アイコニックなバッグ「イカール」のベイビーサイズを。丸みを帯びた愛らしいフォルムが、ボクシーなスタイルに柔らかな抜け感を添える。

シルクシガリンが導く
時を結ぶドレス
繊細なシルクドレスはシリコンによって包み込まれ、透明なヴェールのように艶を纏う。懐かしさを湛えたフローラル柄に未来的なテクスチャーが重なることで、両者の魅力が融合した唯一無二のドレスに仕上がった。過去の記憶を抱きしめ、次なる物語へ。
Photos:Piczo Model:Kiko Mizuhara Hair:Tomihiro Kono Makeup:Kanako Yoshida Styling:Reina Ogawa Clarke Fashion Director:Ako Tanaka Edit:Michie Mito Edit&Text:Makoto Matsuoka Cooperation:Compartment.






