NARSの2025年ホリデーコレクションは、クチュールデザイナー、イリス・ヴァン・ヘルペンとの革新的なコラボレーションから誕生。フューチャリスティックな淡い色彩と構築的な美が織りなす世界を女優ペ・ドゥナが静かに、そして力強く映し出す。NARSグローバルアーティストリーディレクター・Sada Itoのメイクコメントにも注目。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2025年11月号掲載)
フューチャリスティックな人魚のように
ロージィな血色感が宿る頬と唇を、濡れた艶感のヴェールで包み込んだ、センシュアルなメイク。ウェットな質感と透明感を宿らせるのは、ピンクオパールに輝く繊細なパールのパウダー。大きなブラシで頬だけでなく、デコルテ、肩までふわりとのせて。海から上がって初めて世界を知る、物語の主人公のようなピュアな表情に。

「“エシリアル オーラ ブラッシュパレット ニューレルム”の左下と左中央の濃淡のピンクを混ぜて、頬の中央に逆三角形に入れてフェミニンな表情を引き出し、上から、ピンクオパールの“オーラ ルミネイティング フェイス & ボディ パウダー”を広く重ねます。チークをハイライトでぼかす感覚で、濡れた光と透明感をのせて。口元はリップグロスをたっぷり塗ってから、輪郭から輝きがこぼれるのを押さえる感じでリップラインを描いて、グロッシーだけど端正な印象に仕上げます。ヘアのウェット感とリンクする、濡れ艶が美しい幻想的なメイクです」(Sada Ito)
透明な質感だけをのせるクリスタルなメイク
静謐だけれど凛とした意思を持つ、カラーレスなワントーンメイク。淡い血色チークとシェーディングで骨格を立てながら、まぶたやCゾーンにポイント的にクリスタルのような輝きを添えて、ヘッドピースやドレスの襟元のクリスタルのディテールとリンクさせて。

「アイメイクは“クワッドアイシャドー” 05079番の左下のスパークリングトープだけを使い、上下まぶたにのせて囲み目に。一色だけで自然に陰影がつくので、目の際をブラックの跳ね上げアイラインで引き締めて、シンプルに。“エシリアル オーラ ブラッシュパレット ライトスピード”の下段右の色で頬骨の下に斜めにシェーディングを入れ、下段中央と左の2色を混ぜて頬の中央に淡いピンクのチークをオン。さらに同パレットの右上のパールベージュで頬上のCラインや鼻筋、鼻の頭などにハイライトを。肌になじみのいい色で顔色を整えながら立体感と血色をプラスします。リップは“エクスプリシット リップスティック”のベージュピンクを全体に塗った後、中央のみにグロスを重ねて。クリスタルのムードを生かして、甘くなりすぎないよう色は控えて、透明な質感だけのせたような仕上がりに」(Sada Ito)
マットなブルーグレーを大胆にあしらった有機的な目元
近未来的な煌めきのスパンコールと、マット質感のブルーグレーの目元のコントラストを楽しむメイク。クールなブルーは、ややラフな感じでまぶたに大胆にのせるのが好バランス。リップやチークはナチュラルに紅潮感のあるオーガズムで生命感を出して。

「フューチャリスティックがテーマの今回の中でも一番クールにしたかったメイク。目元の印象的なブルーグレーは、ほんのり輝きを含んだマット質感だから、色自体は冷たくても質感で有機的な人間味を感じさせてくれます。メイクはとてもシンプル。“クワッドアイシャドー 05079”の右上のグレイッシュブルーをアイホール全体に入れた目元を主役に、チークはオーガズムのリキッドタイプを高めの頬の外側中心にポンポンと置き、口元もオーガズムのリップバームで。リップは直塗りで少しオーバーリップぎみに何度も重ね塗りをすると、輪郭部分が光を捉えて自然な艶のラインができます。リップライナーいらずで、ナチュラルに唇を魅力的に魅せるテクニック、ぜひ取り入れてみて」(Sada Ito)
ギャラクシーな虹色に輝く唇を主役に
虹色に輝くパープルの幻想的なきらめきを封じ込めたリップグロス。誰もが見惚れるその輝きを携えたグロスをたっぷりのせた唇を主役に、目頭や頬の高いところにもハイライトを入れて、光と艶をポイントに。儚げだけれど強いシースルーメイク。

「冬シーズンに向けてアップカミングな、イリデッセントなパープルのグロス“グリーム アフターグロー リップシャイン 271A”を唇にたっぷりと。それ以外はツヤだけをポイント的にのせていきます。目元は、“クワッドアイシャドー 05079”の左上のスパークリングローズピンクをアイホールに。“エシリアル オーラ ブラッシュパレット ライトスピード”の右上のパーリーベージュを目頭のくの字と、ハイライトチーク的に幅広く入れて、光感を印象づけます。最後に、“ライトリフレクティング プリズマティックパウダー 05082”を全体にふわっとかけて、ツヤとそれ以外の部分をつなげて整えます」(Sada Ito)
ライトリフレクティング プリズマティックパウダー

イリス・ヴァン・へルペンがコラボレーションアイテムとしてピックアップしたのは、彼女の常識にとらわれない自由な発想のデザインとシンクロする、儚げなプリズムのシェードがグラデーションになったフェースパウダー。美容のプロやインフルエンサーたちからも絶大な支持を得る“リフ粉”の透明感高い美肌調整力はもとより、パステルピンク、ブルー、イエローのマーブルの織りなすカラーニュアンスが、多幸感溢れる肌に見せてくれる。フューチャリスティックなホログラムデザインのパッケージも注目だ。ラブコールに応えて、2022年の初代限定色が特別復刻。
エクスプリシット リップスティック

最上質なサテンのツヤ感とクリーミーなつけ心地、鮮やかな発色で人気のリップスティックが、イリス・ヴァン・へルペンのフューチャリスティックなクチュールから着想を得た、特別なホログラフィックケースに包まれて登場。829A BLAMEのニュートラルピンクは、つける人やシチュエーションを選ばない万能カラーでありながら、纏う度に自分らしさを際立ててくれる特別な色。モードなケースは纏う仕草さえラグジュアリーに見せてくれます。
エシリアル オーラ ブラッシュパレット ライトスピード

シアーな色ツヤのヴェールをかけたような秀逸な発色と、名品“リフ粉”に匹敵する美肌力を兼ね備えたNARSの“ブラッシュ N”が、ひとつに6色も詰め込まれた宝物のようなパレット。777 ORGASM、237 DEEP THROAT、960 PREASE MEのアイコニックなシェードにホリデー限定のシェード3色がセットされた“ライトスピード”はリュクスでモードな立体フェースに。シマー質感のチーク3色とマット質感のチーク3色がセットされた“ニューレルム”は、透明感ある血色感を演出する。未来が放つ閃光を3Dで表現したようなホログラフィックケースは、手に取るたびにテンションアップ。
オーラ ルミネイティング フェイス & ボディ パウダー

ふわりとひとはけするだけで、瞬く間にイリス ヴァン へルペンの世界線に連れて行ってくれる、幻想的な光を纏えるパウダー。色とりどりの偏光パールがシマーに輝き、ピンクオパールの透明感を放ちます。ホリデーのドレスアップには、顔だけでなく、デコルテや手脚まで全身に纏って、気分まるごと未来的なクリエイションに没入してみては。ホログラフィックケースの3Dデザインとパウダーのエンボスがリンクするプロダクトデザインの完成度も見事。
グリーム アフターグロー リップシャイン

デジタルとエモーショナルを融合して作られるフューチャリスティックなコレクションを象徴する、虹色に輝くイリデッセントパープルのクリアグロス。みずみずしく伸びて、唇に潤いを与えながら、ミラーのようなソリッドなツヤ感を演出します。唇に新次元の存在感を与えてくれる、抗えない魅力を持ったリップアイテムは、まるで近未来を垣間見るようなシーズンのマストアイテム。
NARS
ナーズジャパン
TEL/0120-356-686
URL/www.narscosmetics.jp
Photos:Yeong Jun Kim Makeup Director:Sada Ito for NARS COSMETICS Hair:Hyejin Shon Text:Nozomi Nakao Fashion Director:Yoshiko Kishimoto
