
新宿の歌舞伎町にある新宿歌舞伎能舞台にて、江戸時代に制作された春画約150点が展示される「新宿歌舞伎町春画展 ー 文化でつむぐ『わ』のひととき。」が開催されている。9月30日(火)まで。
本展では、北斎漫画の世界一のコレクターであり、春画のコレクターである浦上蒼穹堂代表・浦上満のコレクションより、菱川師宣、喜多川歌麿、葛飾北斎、歌川国芳などの作品が揃う。

浦上氏は、2013年にはロンドン・大英博物館での「春画 日本美術の性とたのしみ」に出品者、スポンサーとして携わり、2015年には東京の永青文庫で開催された日本初の「春画展」開催にも尽力、3ヶ月間で21万人が訪れた。春画の魅力を日本、世界にむけて発信し続けている。
そして本展の主催はSmappa!Group、歌舞伎町のアートとカルチャーを生きたまま世界に届けるプラットフォームとなるべく、アートバー「デカメロン」の運営や、オールナイトで開催されたアートイベント「BENTEN 2024」にも携わっている。
会場となった新宿歌舞伎能舞台は戦前から歌舞伎町にあった能舞台(旧:中島新宿能舞台)。2022年からSmappa!Groupが運営を手がけ、日舞や能の公演から現代アート展まで幅広い企画を実施している。アートディレクターはChim↑Pom from Smappa!Groupの林靖高、舞台や橋がかり、客席までを使い「新宿歌舞伎町能舞台」の空間を生かした展示に。

春画は「笑い絵」「わ印」とも呼ばれ、仲間と囲んで読み解いたり、笑いあう娯楽でもあった。性別や身分をこえ、江戸の人々に広く親しまれていたという。
9月6日(土)には上野千鶴子と鈴木涼美によるトークイベント 「春画とフェミニズム」も開催。

さらに、前述のアートバー「デカメロン」では、8月31日まで、日本とハワイ、それぞれの歴史のなかで育まれてきた性のあり方と表現文化に焦点を当てた「波間の体 ― 島々の性と文化」も開催中。渓斎英泉の春画と、ネイティブ・ハワイアンのルーツを持つアーティスト Koaへのインタビュー映像が上映されている。
性へのおおらかで自由な表現でもある春画だが、どちらの企画も歴史的な背景や男性優位的な権力構造への眼差しも忘れてはいない。

また、新宿歌舞伎町能舞台から徒歩数分の第二会場では公式グッズも販売。春画をモチーフにデザインされたTシャツやキャップ、てぬぐい、特別ラベルのクラフトジンなども。
そのほか、東京スリバチ学会会長・皆川典久と、歌舞伎町の凸凹地形や”泉”を巡り、本展を鑑賞するイベントや、笑福亭羽光・茶光による「男女の勘違い」「恋わずらい」をテーマにした落語会も開催。
本物の春画との出合い、そして、さまざまな人間が入り混じる新宿歌舞伎町から生まれる文化を、街ごと巡って感じてほしい。

新宿歌舞伎町春画展―文化でつむぐ『わ』のひととき。
会期/2025年7月26日(土)~9月30日(火)
休館/月曜日
※月曜日が祝日の場合は開館し、翌火曜日休み
時間/11:00~21:00/土日祝:10:00~21:00
※入場は閉館時間の30分前まで
会場/新宿歌舞伎町能舞台(東京都新宿区歌舞伎町2-9-18 ライオンズプラザ新宿 2階)
チケット/一般 2200円
※18歳未満入場不可
※事前予約制(日時指定券)
※詳細は公式ウェブサイトをご確認ください。
URL/www.smappa.net
Text:Hiromi Mikuni
