
これまでタブーとされてきた性や体のことについて自由に話し合える世の中を目指して「nakedfact(ネイキッドファクト)」の創業者である高橋クロエが始動したプロジェクト「nakedfact club」の第三弾。
今回は、クロエが考案するディベートカードの中から「心・気持ち」のテーマを選び、座談会を開催した。
Numero.jpでは、前回に引き続き、その模様を独占レポート。
「nakedfact club Vol.3」座談会テーマ
1.SNSが心の影響に与える、ポジティブ・ネガティブな影響は
2.働くことってあなたにとってどんな意味がありますか?

1.SNSが心の影響に与える、ポジティブ・ネガティブな影響は
高橋クロエ(以下T)「このテーマについて、最初に話したい人いるかな?」
※参加メンバーは匿名イニシャルにて表記しています。
A「はい! 自分が仕事でもSNSを頻繁に使うので、リアルに感じていることを話したいと思います。自分の知らない世界を知ることができるという点は、ポジティブとネガティブがどっちもあると思っていて…自分の知っていることの幅から、職業を選択をするから、医師、看護師、教員、警察官、消防士のような身近な職業とか、親の職業しか知らなかったりする人が今までは多かったと思うんだけど、SNSが身近になったことで、こんなことも職業にできるんだと知ったり、別のお金の稼ぎ方を知れることがメリットかなと思う。でも、ネガティブな側面もあると思ってて、最近はブランドものを持ってて当たり前というような見え方になっているなと感じていて、夜の職業や、パパ活など、そういう方法で、お金を手に入れられるということを知ってしまう場所でもあるなと思う。もし、SNSを見てなかったら、ブランドもの自体も欲しくならないし、SNSやってなかったらブランドものを持ってる意味もないと思う。持ってることでステータスになってしまうのが悲しいなと思う」
M「まさに私は、SNSに振り回されていたなという経験があります。前に付き合ってた彼に、一緒にいる時に、SNSで発信しなくてはと思って、彼とのデート中も撮影をしなきゃと思ったり、常に写真を撮っていて…彼に彼との時間を大切にして欲しいとさんざん言われたのに、SNSに気持ちが向いちゃってて、やめられなくて、破局の原因になった。だから今はすごい気をつけるようにしてる」
T「まさに、彼の心にも影響していたし、Mさんの心にも影響を及ぼしてたんだね」
S「私は、全部ミュートにしている。見るのは数人に絞る」
T「最近友達をあえてミュートするっていうのもよく聞くかも。友達が飲んでる場面に、悪意はないのはわかってるけど、誘われないということをすごく変に気にしてしまうっていう子がいて。ばったり会ってご飯行ってるのかもしれないしとかも考えるけど、悪い方向にどんどん考えちゃうからって言ってて。なるほどと思って、健康な心を保つためと、リアルな友達との友好な関係でいるための選択肢だなと思ったの」
S「SNSをやらない!ってなかなかできないし、前までは、純粋に写真を載せてただ楽しむだけのインスタグラムが好きだった。人の目線もあるけど、そこをミュートするっていうのは大切かも。私は、自分1番で考えるようにしてる」
T「娘がいて、娘には『携帯いつ買ってくれるの?』って聞かれるけど、本当にとんでもないって思う!」「どうやって管理するのがいいかなとかも考えるし。聞いた話だけど、親が携帯を管理してても、隣の小学校の子と友達になって、お母さんにはDMが見えないようにして、裸の写真を送ってとか話してたりしたみたいで…しかも蓋を開けてみたら、そのDMの相手はおじさんだったということがあったみたいで…そういうのが多発してるみたい。どうやって、今後の子ども達にSNSの使い方を教えるのがいいんだろうって悩む時がある。さっき言ってたパパ活だったり、若い女性が搾取されてしまうことには気をつけないと」

M「私はお仕事で使用することが多くて、ブランドのインスタを運用して管理することでのポジティブな部分は、売上が上がるという点だったりするけど、いつ炎上するかわからないというネガティブな場面もあるので、リスクヘッジを常に考えなくてはいけないかな」
N「本当に、ポジティブとネガティブって表裏一体ですね」
T「今ってなんか不健康な部分も目立ってきてるよね。ネイキッドファクトでプロダクトをつくってるから、性のことも勉強したりしてて、海外も同様だと思うんだけど、日本でのセックスレスの1つの原因がSNSらしい。SNSってやっぱり依存性が高くて、すごいドーパミンが出るらしくて、スクロールすることで興奮物質が出てるみたい。夫婦やカップルでいても、お互いが自分の世界に入り込める時間が増えてて、昔は何もすることがないから、1日のやることが終わったらベッドに入っていたけど、今は、ベッドに入ってもそれぞれがSNSを見てしまうのが、夫婦仲やカップルの仲を悪くするとも言われてるみたい」
S「Mさんは、SNSの依存が別れにつながってしまったと言ってましたもんね」
M「本当に!」「みなさんはしないように!」
T「本当に社会問題だよね」
U「SNSがAV化してるなと思うときがあって、男のインスタのSNSのフィードが露出の多い人だったり、結構際どいのがあったり、ヨットの上にいる女性が出てきたり…パートナーのSNSに出てきたときに一回喧嘩になったりもしました。別にAVを禁止とかはしてないけど、刺激が強いから、みんながみんなダイナマイトボディじゃないし、現実との差を感じて、自分に対して残念とか、魅力じゃなく思って欲しくないし、怖いなと考えちゃう」
T「まさにSNSが心に与えるネガティブな影響だね。パートナーとの喧嘩の火種になってる人多いかもね」
N「彼のフォローしてる人とか、見ちゃってたな…この人いいねしてるとか、見えちゃうのが嫌だよね」
T「今のところほぼネガティブ(笑)。でも、よく聞くのがスポーツやってる子や、ダンスやってる子の上達が断然早くなってるみたいで、昔は試合のビデオとかをすり減るまで見たりするだけだったけど、今はいろんな技とか、いろんなパターンを見られるから、習得のスピードが早いらしい。それはすごいポジティブだよね!」「ネガティブ続きだったので、最後はポジティブに!」
2.働くことってあなたにとってどんな意味がありますか?
M「私は、仕事を失ったらもう自分じゃなくなると思っちゃう。私、パートナーには仕事をやめて欲しいと思ってる」
全員「え〜!」「すごい」
M「というより、やめてもいいよ!って思う。強制はしないけど、そんなに忙しくなるんだったら、お家にいてほしいと思うんです」
F「逆に私は、自分が忙しい時期にはーっ!て少しイライラピリピリしたりとかの感情になってると、パートナーに『忙しいんだったらやめてもいいんだよ』っていわれるけどそういう問題じゃないって思う」
T「今だに、女性が仕事をやめて家にいることがいいと思ってる人もいるよね」
M「価値観の違いだと思うんですけど、パートナーに言われることで、悪気なく自分のために言ってくれてるのも分かるけど、『君のお仕事が1つなくなったくらい、自分がカバーできるよ』といわれるように感じてしまう」
S「仕事を愛しているという姿を、ちゃんと彼は理解していないのかな…もし仕事を好きということをわかってたら言わないですよね」
M「自分が生きるために、自分のためにやってるし、仕事もパートナーだと思ってるから…」
T「もしかしたら、彼がお金のために仕事をしているのかもね。その考えの場合、こっちは仕事をすることで、気持ちが満たされているって思うけど、その経験がなくって、お金が必要だから働いてるって思ってると、彼女にそんな辛い思いをさせたくないみたいな感じで思うのかな」
U「辛いんだったら手放せばいいじゃんっていうけど、そういうことじゃないんだよって感じ」
M「そんなにどうしても必要なの?お金あればいいんじゃない?っていう、生活できればいいと思っている彼だったら、こっちはやりがいを持っていても、お互いの間に差異が生まれてしまうのかな」
T「たしかに。仕事のしんどいと楽しいはイコールになり得ると思うし、共存するものだよね」
M「しんどいを乗り越えられた先にある、達成感があっての仕事じゃないですか」
U「男女っていうのもありそうですけど…男性的な考え方なんですかね。女性は、子どもを産む時とかは休まなきゃいけない時期もあるけど、男性からすると稼がないと、常に働いていないと、と思って楽しむというのが難しいのかも」

T「それってやっぱり教育とか、昔ながらの固定概念があるのかな…どう伝えたらいいのかな。多分優しさを持っての言葉なのも本当に理解できるんだけどね」
M「私、働く女性が主人公のドラマをみさせてる(笑)」
全員「なるほど〜!」
N「型にハマったおじいちゃんと、バリキャリの女性みたいな?」「マイインターンとか?」
M「教育というより、私はこれになりたいんだ!って見せてる」
K「男性はお金を稼ぐことがステータスだったりするから、仕事の目的と価値観を擦り合わせることが大切だね」
M「結婚することとかを考えると、理解し合えるのかなとか思ってしまう。家でご飯作って待っててほしいでしょ?って思っちゃったりする」
S「今日帰ったら、nakedfact clubでこんな話したんだけど…って彼と話したらいいよ!」
T「いいかも! ヌメロの記事もみてもらおうよ! 少なくても今日ここにいる女性は、みんなお仕事をしているっていうのもあるけど、全員がこの気持ちに共感してるもんね。男の人にはちゃんと説明すれば理解し合えるはず。話さないと本当にわからない!」「察することは本当に難しいからね…」
S「私、Tさんにジョン・グレイのお話ししましたっけ?」
T「あ、した!」
S「女性は金星人で、男性が火星人で、それが恋をして地球に住み着いたんだという話を前提に、女性と男性について研究をしているジョン・グレイという心理学者の本がめっちゃ面白くて!」「すごくいい本です!」「男性は殻にこもりたい、こもってる間は話しかけないで時間をおいてくれたら、殻をでたときにより女性の愛を感じて好きになるっていうよくわからない話と、女性は今話したい!」「何も言わなくていいから聞いてほしいっていう話で、お互いの考えをちゃんと理解してれば、愛を持って話し合えるよねって書いてる」
T「お互いが違う生物ということを前提に理解し合うことが大切だね。若い頃は本当にできなかったなと思う」
U「私、MBTI診断は色々救うと思ってて、今の彼に初めて会った時にMBTIの診断を受けてもらったんですよ。彼はINTPで私の周りにあんまりいないタイプで、それで彼を攻略しようと思って、勉強したんです。彼なりの言語が理解できるようになって、やりとりがすごくスムーズになった。今までは、何も勉強してなかったからこそ、前の彼とかに、それ好きな人にする?みたいな不思議だなとか、理解できないなと思うこともあったけど、彼なりの愛の表現を知るっていいなと思った」
N「すごい。勉強するって大事」
U「『The 5 love Languages(愛を伝える5つの方法)』も受けさせた!」「過ごす時間、ボディタッチ(ふれあい)、言葉、サービス、贈り物って項目があって、自分が表現するのと、彼の表現は全然違うから、彼にとっては何が大切なのかがわかる」
T「いいね。みんな帰ったらそれぞれやってみよう! どっちも歩み寄って、仕事の話も生活の話も全て理解し合えたらいいよね」


