
オーストリアのアーティスト、エルヴィン・ヴルムが青森県・十和田市現代美術館にて日本初の美術館での個展を開催中。最新の大型インスタレーションや、代表的な近年の作品が一堂に会する。
石膏や金属といった素材だけでなく、写真や衣服、絵画といった多様なメディウムを用いて彫刻表現の特性を探究し、固定化された概念を拡張し続けるエルヴィン・ヴルム。
本展では、彫刻の最も原初的なモチーフである人の身体を起点に、時間、量塊と表面、具象と抽象をめぐるヴルムの作品を紹介。ヴルムは衣服や家具といった身の回りの物質や、言葉の記号的な意味、あるいは社会のイデオロギーといったさまざまな要素に影響を受ける「人のかたち」の輪郭を描きながら、時に滑稽に、時に逆説的に、社会に存在する規範・制度・権力の構造を炙り出す。

オーストリアで2024年に公開された最新作の大型インスタレーション『学校』が公開。歪められた形の学校の教室の内部には、明治維新以降学校で使用されていた教材や、子どもたちが目にしていたと考えられる印刷物が掲示されるという。学校という制度や社会自体が持つ圧力、また「正しさ」や社会の規範が時代の変化によって移ろいゆくものであることを示唆する。
またさまざまなメディウムを用いた作品も注目だ。人間の第二の皮膚として衣服を応用した『吊されたセーター』や、平面性をラディカルに追求した絵画「平らな彫刻」シリーズなど、多様な作品群が公開される。

会場は、日本で唯一ヴルムの代表作『ファット・カー』『ファット・ハウス』を常設展示する十和田市現代美術館。国内の美術館では初となるエルヴィン・ヴルムの個展にぜひ注目を。

※掲載情報は6月1日時点のものです。
開館日や時間など最新情報は公式サイトをチェックしてください。
「エルヴィン・ヴルム 人のかたち」
会期/2025年4月12日(土)〜11月16日(日)
会場/十和田市現代美術館
住所/青森県十和田市西二番町10-9
時間/9:00〜17:00
休館/月曜(祝日の場合はその翌日) ※8月4日、8月12日は開館
料金/一般1800円(常設展含む)、高校生以下無料
URL/towadaartcenter.com/
Text:Akane Naniwa
