鉄とガラスによる光の対話 青木野枝&三嶋りつ惠 二人展 @東京都庭園美術館 | Numero TOKYO
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鉄とガラスによる光の対話 青木野枝&三嶋りつ惠 二人展 @東京都庭園美術館

青木野枝 制作風景(鉄の溶断) 撮影:砺波周平 画像提供:東京都庭園美術館
青木野枝 制作風景(鉄の溶断) 撮影:砺波周平 画像提供:東京都庭園美術館

現代アーティストの青木野枝と三嶋りつ惠による、現代アートと歴史的建築が共鳴する展覧会が開催中。東京・白金台の東京都庭園美術館にて、2025年2月16日(日)まで。

 

彫刻家・青木野枝(あおき・のえ)は、工業用の鉄板を溶断して線や円を切り出し、空間と一体化させる彫刻を制作してきた。その作品は、重量感のある素材を用いながらも軽やかな浮遊感を持ち、空間に描かれるドローイングのように見る者を魅了する。
一方、現代アーティスト・三嶋りつ惠は、ヴェネチア・ムラーノ島のガラス職人と協働して作品を制作。無色透明なガラスにこだわり、光の輪郭を描き出す有機的なフォルムの作品を生み出してきた。

青木野枝『微塵』(2020年)gallery21yo-j(東京)展示風景 ©︎Noe Aoki, courtesy of ANOMALY 撮影:山本糾 画像提供:東京都庭園美術館
青木野枝『微塵』(2020年)gallery21yo-j(東京)展示風景 ©︎Noe Aoki, courtesy of ANOMALY 撮影:山本糾 画像提供:東京都庭園美術館

三嶋りつ惠『INFINITO』(2022年) ©Ritsue Mishima, courtesy of ShugoArts 撮影:Francesco Barasciutti 画像提供:東京都庭園美術館
三嶋りつ惠『INFINITO』(2022年) ©Ritsue Mishima, courtesy of ShugoArts 撮影:Francesco Barasciutti 画像提供:東京都庭園美術館

そんな二人による展覧会が、歴史的建造物の東京都庭園美術館(旧朝香宮邸)にて開催中。本展では、鉄とガラスという異なる素材に向き合う二人が、“光”に思いを馳せて作品を制作した。昼は自然光が作品の形状を柔らかく包み、夕暮れには温かな室内照明が織りなす陰影が、鉄とガラスの異なる素材を際立たせている。

なお、会場の旧朝香宮邸は、アール・デコ様式を象徴する装飾性豊かな建築物であり、鉄とガラスが随所に用いられている。シャンデリアやレリーフ、扉上のタンパン(装飾パネル)に至るまで、1930年代の美意識が詰まった空間に青木と三嶋は何度も足を運び、本展の展示プランを完成させたという。

ぜひ、お見逃しなく。

 

※掲載情報は12月12日時点のものです。
開館日や時間など最新情報は公式サイトをチェックしてください。

そこに光が降りてくる 青木野枝/三嶋りつ惠
会期/2024年11月30日(土)〜2025年2月16日(日)
会場/東京都庭園美術館(本館、新館)
住所/東京都港区白金台5-21-9
料金/一般 1400円、大学生 1120円、中高生 700円、65歳以上 700円、小学生以下 無料
時間/10:00〜18:00(入館は閉館の30分前まで)
休館/月曜日、年末年始(2024年12月28日〜2025年1月4日)
※但し、2025年1月13日(月)は開館、1月14日(火)は休館。1月22日(水)、29日(水)は要事前予約
TEL/050-5541-8600(ハローダイヤル)
URL/teien-art-museum.ne.jp

Text : Manami Abe

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