清水尋也×⾼杉真宙インタビュー「かけがえのない盟友」 | Numero TOKYO
Culture / Feature

清水尋也×⾼杉真宙インタビュー「かけがえのない盟友」

ヌメロ・トウキョウ 12月号ではギフトを大特集。ギフトとは贈る相手について想像をめぐらせること、贈り主のことを思い出すこと。3組の俳優に“ギフト”をテーマに話を聞くと、二人の関係性が見えてきた。第二弾は、2024年11月15日(金)公開の映画『オアシス』で、お互いに対立する暴力団と犯罪組織に属している親友役を演じている清水尋也高杉真宙にインタビュー。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2024年12月号掲載

【清水尋也】ジャケット¥89,100 パンツ¥53,900/ともにYuki Hashimoto(ワイ) ネックレス/スタイリスト私物 【高杉真宙】ジャケット¥69,300 パンツ¥47,000/ともにTangenet(タンジェネット) シャツ¥59,000/Irenisa(イレニサ) ベルト¥41,800/Heugn(イデアス) Tシャツ/スタイリスト私物
【清水尋也】ジャケット¥89,100 パンツ¥53,900/ともにYuki Hashimoto(ワイ) ネックレス/スタイリスト私物 【高杉真宙】ジャケット¥69,300 パンツ¥47,000/ともにTangenet(タンジェネット) シャツ¥59,000/Irenisa(イレニサ) ベルト¥41,800/Heugn(イデアス) Tシャツ/スタイリスト私物

──11月に公開される映画『オアシス』では、対立する暴力団と犯罪組織に属しながらも、お互いに深い絆を持つ幼なじみの二人を清水さんと高杉さんが演じています。

清水「岩屋拓郎監督とは、彼が助監督だった時代からの仲なのですが、4年前に『初監督作品を撮れるときが来たら、主演として出てほしい』とオファーをいただいたんです。監督デビュー作は生涯に一つしかない貴重なもの。そのかけがえのない瞬間を僕に委ねてくださるなら、監督の期待に応えたいなと思いました」

──本作の相手役に高杉さんを推薦したのは清水さんだったとか。

清水「監督に『相手役は誰がいいか』と聞かれ、幼なじみという気心が知れた役とリンクする関係性の役者は誰かを考えたとき、この世界に入って最初にできた友達である真宙が頭に浮かびました。そこで『高杉真宙がいい』と即答しました」

──高杉さんは清水さんからオファーを受けた際、どう思われましたか。

高杉「感慨深かったですね。12年前にドラマ『高校入試』で尋也と出会って以来、お互いが役者として頑張り続けてきたからこそ、こうやって誘ってもらえるようになったんだなぁ……と。だから、話を聞いた際は『ぜひやりたい』と思いました」

──10代の頃からお知り合いだというお二人ですが、第一印象は?

高杉「よく覚えています。当時、彼は中学1年生で、僕は高校1年生。年下なのに『言葉ではこの子に勝てない!』と思うほど頭が良かったです。頼もしいし、現場にいると安心する存在でした。しかも、あれが尋也にとって初現場だったんだよね?」

清水「デビュー作だったからね。現場にはマネージャーさんもいなくて、右も左もわからない状態で放り出された先で、初めて出会った役者が真宙だった。そのとき、『自分のほうが年齢は上だけど、気にしないで接してね』と言ってくれたことは今でも覚えています。僕にとって完全に心の拠り所でした」

高杉「それ以降も、撮影現場やオーディションなどで会っては、帰りにファミレスに行ったりしてたよね」

清水「プライベートで遊びに行ったりはしないけど、しばらく会わなくても勝手につながっているような感覚ですね。役者としての軸を形成しているときに一緒にいた存在だから、会えばいつでも昨日も会っていたかのようなテンションで話せるんです」

──まさに役者人生における“幼なじみ”のような関係なんですね。

清水「はい。これから先、心から仲良くできる友達ができたとしても、僕にとって真宙は揺らぐことのない唯一無二の存在だと思います」

高杉「僕にとっても、本当に尊敬している同業者であり、友人ですね。だから共演する以上は下手なところを見せたくないって思います」

清水「それは僕も一緒だな」

高杉「何より、僕は清水尋也という俳優の一人のファンなので、動向はいつも気にしてるかな」

清水「僕も真宙の公式インスタをひそかにチェックして『いいね』を押してるよ!」

人生で忘れられないギフト

──特別な絆を持つお二人ですが、もしもギフトを贈り合うとしたら?

清水「真宙はゲームやアニメが大好きなので、僕がおすすめするアニメのDVDとか送りたいですね」

高杉「何がおすすめなの?」

清水「『ぼっち・ざ・ろっく!』だね。アニメだけじゃなく、劇場版も本当に面白いから、ぜひ見て!」

高杉「今度見てみるわ。逆に僕が尋也に何かギフトを贈るなら……ニット帽かな。ヒップホップが好きだし、ファッションの雰囲気に合いそうだから」

──これまでの人生で一番忘れられないギフトを教えてください。

高杉「祖父からもらったブルーの羊革のジャケットです」

清水「いいね。ヴィンテージ?」

高杉「使い込まれた雰囲気があるから、そうなのかなと思ったら、数年前に買ったらしい。でもカッコいいので、しょっちゅう着ていますね」

清水「僕は映画『ちはやふる』の台本カバーですね。撮影中にあった僕の誕生日に、小泉徳宏監督や広瀬すずさん、野村周平くんなどキャストのみんなが台本カバーにメッセージを書いてプレゼントしてくれて」

高杉「うわ、それはうれしい!」

清水「普段は真面目な話をあまりしないメンバーが、そのときはしっかりメッセージを書いてくれたので、すごく印象に残っていて。単純にモノをもらうのもうれしいけど、そこに人の気持ちが乗っかっていると、より一層特別なものになりますね」

──長年お互いをよく知るお二人だからこそ、それぞれにとって人生のギフト(才能)だと感じるものは?

高杉「いつも驚嘆するのは、尋也のコミュニケーション能力ですね。どんな現場にいても、はっきりと色濃い存在感があって、それが多くの人を惹きつけるんだと思います」

清水「真宙の場合は、逆にブレないところがすごい。いま彼が褒めてくれた僕のコミュニケーション力は「他人からどう見えるか」を気にする部分があるから生まれるものだと思うんです。真宙は反対で、自分の芯や好きなものがずっとブレない」

高杉「出会った頃から趣味は変わらずアニメやゲームだしね(笑)」

清水「そうそう。でも、そういうこだわりの積み重ねが高杉真宙という役者を形作っている。本当に彼ならではのギフトだなって思います」

『オアシス』
青春時代を共に過ごした富井(清水尋也)と金森(高杉真宙)は、ある事件をきっかけにバラバラの人生を歩むことに。対立するヤクザと犯罪組織のメンバーとなった彼らが、お互いの居場所と存在を求め、交差するバイオレンス青春映画。

監督・脚本/岩屋拓郎
出演/清水尋也、高杉真宙、伊藤万理華、松浦慎一郎、杏花、林裕太ほか
公式サイト/https://oasis–movie.com/

11/15(金)より全国公開

Photos:Takahiro Idenoshita Styling:Shohei Kashima at W(Hiroya Shimizu) Yonosuke Kikuchi(Mahiro Takasugi) Hair & Makeup:Kazuya Matsumoto at W (Hiroya Shimizu) Sayaka Tsutsumi(Mahiro Takasugi) Interview&Text:Haruna Fujimura Edit:Mariko Kimbara, Miyu Kadota

Profile

清水 尋也Hiroya Shimizu 1999年、東京都生まれ。2012年、ドラマ『高校入試』で俳優デビュー。主な出演作に映画『渇き。』『ソロモンの偽証 前篇・事件/後篇・裁判』『ちはやふる 上の句・下の句/-結び-』『東京リベンジャーズ』シリーズ、NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』、ドラマ『Eye Love You』(TBS)など。TBS系で毎週日曜21時より放送のドラマ『海に眠るダイヤモンド』に出演中。
高杉 真宙Mahiro Takasugi 1996年、福岡県生まれ。2009年より俳優活動をスタート。12年、映画『カルテット!』にて初主演を務める。14年、映画『ぼんとリンちゃん』で第36回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞。以降もその演技力は国内外の映画祭で高く評価される。現在放送中のNHK大河ドラマ『光る君へ』出演。俳優15周年を記念したフォトブック『I/my』(ワニブックス)が発売中。

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