5つ星ラグジュアリーホテルを巡るなら「マカオ」が大正解! 最新ホテルと名所を楽しむ非日常旅
海外旅行がしやすくなったものの、円安のいま予算をそこまでかけずに非日常旅を楽しみたいところ。そんな願いを叶える先はマカオ! カジノが盛んなディスティネーションだからか、5つ星ラグジュアリーホテルも日本に比べかなり良心的なプライスだ。しかもグローバルブランドのホテルが、この2年ほどで続々オープン&リニューアルしている。また「Go Airborne」でインドアスカイダイビングを楽しめたり、世界のベストバーに輝くお店がしのぎを削っていたりと、話題に事欠かない。そこで今回は「マカオ=カジノ」という概念を覆す、最新ラグジュアリーホテルとスポットを巡ったマカオ旅を紹介したい。
マカオ航空の直行便に乗り、約5時間でマカオ
日本からマカオへは、成田空港や関西国際空港から毎日運航しているマカオ航空の直行便を利用するのが便利だ。マカオ航空はANAと共同運航、提携しているため、ANAマイルを貯めたり、使ったりもできるほか、一定以上のステータスを保有している場合は空港ラウンジも利用できる。
成田空港からマカオ空港までの飛行時間は約5時間。このほか、日本から香港まで飛び、香港から船やバスを使ってマカオへ行く方法もある。日本との時差はマイナス1時間のため、ジェットラグの心配もいらない。ちなみに現在、マカオへの渡航にビザの取得は不要。日本のパスポートさえあればスムーズに入国できる。
2023年9月開業の最新ラグジュアリーホテル「アンダーズ・マカオ」に宿泊
今回旅の拠点にしたのはマカオ空港から車で約10分、コタイ地区に位置する「アンダーズ・マカオ」。いわずと知れたハイアットグループのラグジュアリーライフスタイルブランドで、ここは2023年9月に統合型リゾート「ギャラクシー・マカオ」に開業したばかりの最新ホテルだ。
客室はスタンダードタイプでも35平米以上と広々。冷蔵庫内のドリンクやスナックアメニティも初日分は宿泊費に含まれているほか、プール利用時に嬉しいオリジナルサンダルもお土産として持ち帰ることができる。
館内にはバーやオールデイダイニング、屋内プールやフィットネスセンターを完備。朝食では点心師による作り立ての焼き小籠包や、蒸したての点心、手延べした中華麺など本場の中国料理から、焼きたてのペストリーまで、レベルの高い料理が幅広く味わえる。しかも宿泊費は二名一泊で2万円弱、一名あたり1万円弱(2024年11月で検索)。ハイアットが誇るラグジュアリーホテルの実力を、お値打ち価格で堪能できる。
アンダーズ・マカオ
住所/Galaxy Macau, G/F, マカオ
TEL/+85388861234
URL/www.galaxymacau.com/hotels/andaz-macau/
世界最長の流れるプールやホテル、ショップ、レストランなどが揃う「ギャラクシー・マカオ」を満喫
マカオには複数のホテルやショッピングモールが一体になった「統合型リゾート」が存在する。「アンダーズ・マカオ」のある「ギャラクシー・マカオ」は、その代表格だ。
光と水、音のきらびやかなショーで訪れる人を出迎える「ダイヤモンド・ロビー」や「クリスタル・ロビー」などは、観光スポットにもなっている。
「ギャラクシー・マカオ」に来たなら訪れたいのが、575メートルに及ぶ世界最長のスカイトップ・アクアティック・アドベンチャー・リバー・ライドを擁する「グランド・リゾート・デッキ」。ビジター利用の場合は888MOPの入場料が必要だが、「アンダーズ・マカオ」など「ギャラクシー・マカオ」内のホテルゲストであれば、滞在中無料で利用できる。
このほか「グランド・リゾート・デッキ」には、世界最大の広さ8,000平方メートルにも及ぶスカイトップ・ウェーブ・プールや、ウォータースライダー、ビーチやキッズ・アクアティック・ゾーンなどさまざまなウォーターアトラクションが揃う。
「ギャラクシー・マカオ」内にはもちろんショップやレストランも数多くある。飲食店は和洋中なんでも揃うが、実はスイーツのレベルも高い。「フォーシーズンズホテル ロンドン」のエグゼクティブペストリーシェフなどを務めたLok Hin Yamシェフが「ギャラクシー・マカオ」にあるホテルやカフェのスイーツをすべて監修しているのだ。
Lok Hin Yamシェフのスイーツを味わえるお店の一つが、カフェ「CHA BEI」。「アフタヌーンティー」(628MOP)では、大理石調のメイクボックスに秘められたきらびやかなスイーツとセイボリーとともに、オリジナルモクテルなどのドリンクを味わえる。アジアン食材やハーブ、スパイスなどを駆使して、酸味や苦みも伴う繊細なスイーツは一食の価値ありだ。
ギャラクシー・マカオ
住所/Galaxy Macau, G/F, マカオ
TEL/+85328880888
URL/www.galaxymacau.com/
2023年12月プレオープンの「ラッフルズ・アット・ギャラクシー・マカオ」
統合型リゾートの「ギャラクシー・マカオ」には、8つの5つ星高級ホテルがあり、合計客室数は5,000室以上にものぼる。しかも「バンヤンツリー・マカオ」「ギャラクシー・ホテル」「ホテルオークラ・マカオ」「JWマリオット・ホテル・マカオ」「ザ・リッツ・カールトン、マカオ」「ブロードウェイ・ホテル」と、そうそうたるラインアップだ。
中でも一番新しいホテルとして2023年12月にプレオープンしたのが「ラッフルズ・アット・ギャラクシー・マカオ」。今回特別に中を見させてもらったが、ロビーラウンジに飾られた荘厳なシャンデリアなど、細部まで贅を尽くした設えに息を飲んだ。
客室は、438室全部がスイートというラグジュアリーぶり。現在はVIPのみの宿泊受け入れにもかかわらず、ほぼ満室なんだとか。一般ゲストの宿泊はこれから予定されているそうだ。
ラッフルズ・アット・ギャラクシー・マカオ
住所/Galaxy Macau, G/F, マカオ
TEL/+85388863388
URL/all.accor.com/hotel/B824/index.ja.shtml
最新ホテル「Wマカオ」でモダン広東料理を堪能
今回の旅で「また食べに来たい!」と心から思えたのが、香港・マカオの高級レストランガイド「100TOP TABLES 2024」に選出されたモダン広東料理レストランの「ディーバ(DIVA)」。「ギャラクシー・マカオ」のはす向かいにある統合型リゾート「スタジオ・シティ」内にある「W(ダブリュー) マカオ スタジオ・シティ」のスペシャリティレストランで、昨年秋にオープンしたばかりだ。
美しいアールデコ調の店内からは「パリジャン・マカオ」のエッフェル塔も見渡せるなど、眺望の良さも魅力となっている。
エディン・ヤップシェフが振舞う料理は、ピンクのハンドバッグを模したエビのパフを含むアペタイザーなど、遊び心あふれる見た目と、実直な広東料理の融合が特徴的だ。
特に印象に残っているのが、シグネチャーメニューの一つでもある点心。ナマコの形をしたシーフードの点心や、トマトを模した黒ニンニクとキノコのベジタリアン点心は、アイコニックな見た目に、巧みな技術が裏打ちされていた。デザートの陳皮入りのエッグタルトは、この旅で食べたエッグタルトの中で最も心に残っている。
ちなみにWマカオの宿泊費も、一泊二名で1万円台と破格(2024年11月で検索)。マリオットグループの最上位クラスのホテルにこのお値打ち価格で泊まれるとは驚きだ。
Wマカオ スタジオ・シティ
住所/Av. de Cotai, マカオ
TEL/+85388651188
URL/www.marriott.com/en-us/hotels/mfmwh-w-macau-studio-city/overview/
最新LRTに乗って、コタイからマカオ半島へ行き世界遺産や名所を観光
歴史あるマカオの街並みを楽しむなら、中国と陸続きになっているマカオ半島へ足を運んでみてほしい。これまで統合型リゾートがひしめくタイパからマカオ半島へは、船か車を使っていくのが一般的だった。それが2023年12月、新交通システム「マカオLRT」がマカオ半島の媽閣駅まで延伸されたことで、マカオ半島へのアクセスが良くなったのだ。しかも車両を手掛けているのは日本企業の三菱重工である。
媽閣駅があるのは、マカオの名前の由来と言われる「媽閣廟」のほど近く。ここからさらに北にある「セナド広場」や「聖ポール天主堂跡」など20以上の歴史的建造物と広場を含めた「マカオ歴史市街地区」が世界文化遺産に登録されている。
「マカオ歴史市街地区」にあるラグジュアリーホテルの一つが、1928年創業の「新中央ホテル」。2024年4月にリニューアルし、客室は階に応じて1920~1940年代の暮らしを再現した内装に仕上げられたノスタルジー感漂うホテルだ。
ここを拠点に、マカオ半島の世界遺産や、コロニアル調の街並み、ローカルなマカオの人々の暮らしを満喫するのもいいだろう。こちらも宿泊費は一泊二名1万円台(2024年11月で検索)とリーズナブルで驚く。
新中央ホテル
住所/マカオAv. de Almeida Ribeiro, 270號
TEL/+85328286668
URL/www.hotelcentral.com.mo/
オープントップバスで、マカオ半島からコタイまでナイトクルージング
短時間で効率よくマカオ旅を楽しみたいなら、ぜひオープントップバスに乗ってみてほしい。マカオ半島とコタイの見どころを、1時間ほどで巡ってくれる。おすすめは夜のとばりが下り、各ホテルのネオンが輝き始める夕方の時間帯だ。
マカオ半島の東側にあるフェリーターミナルを出発し、歴史あるカジノホテルがひしめきあうエリアへ。ここには沢木耕太郎の『深夜特急』にも出てきた「ホテルリスボア」や、その系列ホテルで蓮の形をした「グランドリスボア」などが軒を連ねる。
高さ338メートルのマカオタワーを横目に、マカオ半島から橋を渡ってコタイへ。橋からは海を往来するたくさんの船やフェリーが目に付き、旅情を掻き立てる。
コタイで注目したいのが「ウィン・パレス」で夜7時から10時まで20分おきに開催される噴水ショー「パフォーマンス・レイク」だ。今回乗車したオープントップバスは、噴水の目の前でバスが停車し、ショーを着席しながら間近で眺められた。音楽と噴水、光を駆使したマカオならではの噴水ショーは、一見の価値ありだ。
このほかにもエッフェル塔が輝く「ザ パリジャン マカオ」や、ビッグ・ベンがそびえる「ザ・ロンドナー マカオ」など、コタイの名所を巡ってくれる。
オープントップバス
URL/goldsparktours.com/
オープントップバスの出発地点である、フェリーターミナル近くには2021年にオープンした「マカオグランプリミュージアム」もあるので、もし時間があったら見学してみるのもいいだろう。1954年から毎年11月に行われている、世界的に有名なマカオグランプリについて体験を交えて知ることができる。
マカオグランプリミュージアム
住所/431 R. de Luís Gonzaga Gomes, マカオ
TEL/+85385930515
URL/mgpm.macaotourism.gov.mo/
「アジアのベストバー2024」で22位に輝いた「The St. Regis Bar」でナイトキャップ
マカオはナイトタイムエコノミーも活況だ。特にバー事情は香港と同じくレベルが高く、各ホテルバーがしのぎを削っている。特に注目なのが「アジアのベストバー2024」で22位に輝いた「ザ セントレジス バー」。セントレジスブランドの特徴である、古き良きニューヨークのラグジュアリーさを引き継いだ店内で、毎晩催されるピアノの生演奏に耳を傾けながら、お酒や料理を嗜める。
ヘッドミクソロジストを務めるのは、広州の「Hope & Sesame」、北京の「Catail」、台北の「Bar Mood」で経験を積んだケビン・ライさん。
彼が生み出すカクテルは、ポートワインを加えて1940年代のマカオを表現した「ガーネット サワー」や、ニューヨークの各エリアをテーマにしたカクテルコレクションなど、ストーリー性あふれる美味なカクテルばかり。LGBTコミュニティに敬意を示し、スピリッツの自家製ミックスにキュウリのジュースやスパイシーなファンタシロップを合わせ、虹色の綿あめをトッピングした「ストーンウォール イン」は、固定観念を鮮やかに覆す新時代の味わいだった。
料理もバーフードに連想されるような軽食だけでなく、鍋やご飯ものまで揃い、かなりの充実ぶりだ。
ザ セントレジス バー
住所/s/n Estr. do Istmo, マカオ
TEL/+85381131300
URL/www.thestregisbarmacao.com/
西洋文化と東洋文化が混ざり合う、中国の港湾都市・マカオ。1999年にポルトガルから中国に返還されて以降、海外企業の進出も進み目覚ましい発展を続けていたが、コロナ禍を経てさらなる進化を遂げていた。お値打ちプライスでの渡航や宿泊が楽しめるマカオで、非日常な旅を楽しんでみてはいかがだろうか。
取材協力:マカオ政府観光局
www.macaotourism.gov.mo/ja/
※MOP=マカオパタカ、1MOP=18.99円(2024年10月25日時点)
Photos & Text:Riho Nakamori