癒しと刺激のワンダーランド、新時代のベトナムへ!【DAY2:フーコック】 | Numero TOKYO
Life / Travel

癒しと刺激のワンダーランド、新時代のベトナムへ!【DAY2:フーコック】

かつては観光業界も“ノーマーク”だったというベトナム南端の島フーコックだが、なんと今年、大手旅行雑誌「Travel + Leisure」が発表するワールドベストアワードで世界2位に急浮上。さらに、世界有数のウェルネスリゾートとしても賞賛されるほどに。そんなフーコックの奥深い魅力を探るべく、滞在2日目へとご案内。

進化と共に自然を保持するフーコックのポテンシャル

ツーリズム産業において、環境保全と経済活動はバランスがなかなか難しいもの。だからこそ時代は「環境共生型のリゾート」にシフトしているわけだが、それを人知れず、かつダイナミックに実現しているのがここ、フーコック。

斬新な開拓と共に自然を保持しようとする島の高い意識は、上空からし島の大パノラマを望めば一目瞭然。全長約8㎞、世界一長い海上ケーブルカーでのんびりクルーズしながら見下ろすと、広大なエメラルドグリーンの海や深緑の熱帯雨林など、ワイルドな自然を余すことなく実感!

Hon Thom cable car | ホムトム ケーブルカー
乗り場/22G5+29C Bãi Đất Đỏ, An Thới, Phú Quốc, Kiên Giang, Vietnam

約20分乗ると「ホムトム島」に到着。島全体がネイチャーパークになっていて、熱帯雨林や白砂ビーチを活かしたランドスケープに出会える。フーコックの海中を散歩できるマリンアクティビティ「シーウォーク」はぜひ挑戦を。色とりどりのサンゴ礁や熱帯魚たちに囲まれ、ヒーリング効果も絶大。

カラダと魂が活性する、驚きのコンセプトリゾート

さて次の目的地は、本日のステイ先、島の東側にある「JW Marriott Phu Quoc Emerald Bay Resort & Spa」。2016年にオープンした、マリオット系列最高峰の巨大ラグジュアリーリゾートだ。

コンセプトからデザインまで手掛けた建築家ビル・ベンスリーは、話題のリゾートホテルを次々と世に送り出すトロピカル建築の鬼才。その彼がここのオーナーから「金に糸目は付けない」との言葉を受け、これでもか!と世界観を具現化したのがこのリゾート。

コンセプトがユニークで、「とある貿易商が息子に最高の教育を受けさせるため、1917年に設立したラマルク大学」という架空の世界が表現されているとか。つまり宿泊者は全員、ラマルク大学の入学者。チェックイン時には学生用のガイドブックが渡され、中には大学のカリキュラムのように組まれたアクティビティの案内も。

敷地内には、書物が積み上げられたライブラリー(フロント)、シリンダーが並ぶ科学室(バー)、生物学部・農学部・海洋学部(客室棟)など、目を見張るほど美しいフレンチコロニアル建築が点在。海に面した4つのプールや、応援席が配されたサッカーグラウンドまである。

気になる客室は、これまた贅を尽くした壮麗な設え。天井が高い開放的な間取りには重厚なアンティークスタイルの家具が鎮座し、タイムトラベルしたような錯覚に。1階の客室には専用ポーチがあり、プールエリアやビーチまでダイレクトにアクセス可能。こんなラグジュアリーな環境で、勉学に励める学生っているんだろうか!?

心と体に栄養が満ちるウェルネスパラダイス

豪華絢爛、でありながら、実はこのリゾートがコンセプトにしているのは「自然との繋がり」。そもそも「ラマルク」という名も、実在したフランスの博物学者ジャン=バティスト・ラマルクにちなんで付けられているそう。自然界を探究することへの情熱が、奇想天外なアーティファクトで体現されているのだ。

敷地内には植物が溢れ、3つあるプールのうち1つは、目の前のケムビーチの美しさを讃えた貝殻のデザイン。水上ヨガやカヤック、絶景サイクリングにハイキングアドベンチャーなど、多様なアクティビティで手付かずの自然を体感するのも楽しい。予約さえすれば、どれだけ参加しても無料という太っ腹さ!

自然との距離感は食体験にも。趣の異なる4つの瀟洒なレストラン&バーがあり、その一つ、建築学科をコンセプトにする「Tempus Fugit(テムパスヒュージト)」では、伝統的なベトナム料理に時代のトレンドをうまく取り入れた、自然の旨みが引き立つ美食に出会える。

特筆すべきは、敷地内のガーデンで育てられたハーブや有機野菜を使ったメニュー。サステナブルな農法で育てられているので栄養価がとても高く、旨みが抜群。

素材の味がしっかり生きた野菜やハーブは、出汁がしっかりきいた牛肉のフォーにのせたり、ベトナムのオムレツ「バインセオ」にたっぷりと巻いたりと、お腹いっぱいに食べても罪悪感は一切なし。

そして、この旅における癒やしの仕上げは、自分を取り戻すマインドフルネスな時間。ホリスティックウェルビーイングが息づいた当リゾートが誇る、菌類研究室をコンセプトとしたスパ「Chanterelle Spa(シャンテレル)」での、ウェルネスセラピーは体験必須。

身体のコリや疲労を感じているなら、さまざまなキノコと地産の東洋ハーブを使った「マッシュルーム ハーバルミコロジー」がおすすめ。熟練のマッサージによって筋肉がほぐされ、温かい蒸しハーブボールを押し当てることで、心身のバランスが回復。内なる活力を感じて。

心と体に栄養を行き渡らせる、巨大リゾートでの休暇。ここはまさに、極上の体験で大自然を堪能できる、都会人のための特別なオアシスだ。

JW Marriott Phu Quoc Emerald Bay Resort & Spa | JWマリオット・フーコック・エメラルド・ベイ・リゾート&スパ
住所/Khem Beach, An Thới, Phú Quốc, Kiên Giang 922280 Vietnam
TEL/+84 297 3779 999
URL/www.marriott.com/en-us/hotels/pqcjw-jw-marriott-phu-quoc-emerald-bay-resort-and-spa/overview/

自然を感じるフーコックの立ち寄りスポット2選

旅程に余裕があれば、ぜひフーコックの自然をさらに満喫できるスポットに立ち寄ろう。こちらは、揺れるヤシの木と海の大パノラマを備えたビーチクラブ「Sailing Club Phu Quoc」。ドリンク片手にチルアウトするもよし、DJのプレイリストに体を揺らしながら陽気に過ごすもよし。

Sailing Club Phu Quoc | セイリング クラブ フーコック
住所/Lô B7 Khu phức hợp, Bãi Trường, Phú Quốc, Kiên Giang 920000 Vietnam
TEL/+84 931 031 035
URL/sailingclubphuquoc.com/

よりディープに自然体験をするなら、島の東海岸に位置するハムニン漁村へ。ここはフーコック全体に海産物を届ける、主要な供給源。高床式の養魚場、水上ドック、色とりどりの漁船など、地域古来の姿を眺めれば、おのずとノスタルジックな風情に。

Ham Ninh fishing town | ハムニン漁村
住所/TL47, Hàm Ninh, Phú Quốc, Kiên Giang, Vetnam

日常で溜まったストレスを夕陽と共に水平線に溶かし込み、映画セットのような街や芸術的な建築、モダンなビーチプレイスにワクワクする。フーコックは、世界中のどことも似つかない。自然へのリスペクトと近代的な発展が両立するこの場所は、癒しと刺激を求める旅人たちの理想郷になるに違いない。

癒しと刺激のワンダーランド、新時代のベトナムへ!【DAY3 & 4:ホーチミン】へ続く

取材協力/ベトナム航空 http://www.vietnamairlines.com/jp/ja/


Text:Yuki Miyahara

Magazine

DECEMBER 2024 N°182

2024.10.28 発売

Gift of Giving

ギフトの悦び

オンライン書店で購入する