六本木の夜をアートで彩る祭典、「六本木アートナイト2024」が今年も開幕 | Numero TOKYO
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六本木の夜をアートで彩る祭典、「六本木アートナイト2024」が今年も開幕

多様な文化と創造性が交錯するアートの祭典「六本木アートナイト2024」が、六本木ヒルズ、国立新美術館、東京ミッドタウンなど、東京・六本木の各所で開催される。会期は、2024年9月27日(金)〜29日(日)までの3日間。

ツァイ & ヨシカワ 『豊穣の宝石 -Daydream』
ツァイ & ヨシカワ 『豊穣の宝石 -Daydream』

2009年にスタートした「六本木アートナイト」。これまでのメインアーティストを中心に構成する形から、今年は新たな試みとして「RAN Picks」と「RAN Focus」を新設。「RAN Picks」では、六本木アートナイトが注目する国内外のアーティスト6組によるプログラムを展開し、「RAN Focus」では、特定の国や地域にフォーカスを当て、そこで活躍するアーティストによるプログラムを披露。今回は、台湾のアートにフォーカスする。

さらに、過去の六本木アートナイト参加アーティストが再出展するプログラムなども登場。六本木の街全域をフィールドに、インスタレーションやパフォーマンス、音楽、映像、トーク、デジタル作品など、約30組のアーティストによる約40のプログラムを繰り広げる。

アトリエ シス 『エフェメラル コレクション』
アトリエ シス 『エフェメラル コレクション』

「RAN Picks」に選出されたのは以下の6組。まずは、ペルー出身の彫刻家レンゾ・B・ラリヴィエールとオーストラリア出身のアーティスト、ザラ・パスフィールド率いるアートスタジオ・アトリエ シス。光と音の没入型作品『エフェメラル コレクション』は色を反射する素材で構築され、昼と夜で異なる方法でこのアート作品を体験することができる。

北京とニューヨーク在住のジェニファー・ウェン・マは、黒を基調に彩られた、高さ2メートルを超える巨大な紙の彫刻を展示。波打つ形状と作品の色彩が国立新美術館のガラス越しに見える木々と呼応し、床にも大きな作品が写り込むことで、展示会場に溶け込みつつも強い存在感を放つ。

京都出身の髙橋匡太は、多数の人々が光る花型の浮き輪を身に着け、国立新美術館から東京ミッドタウンを通過し、六本木を練り歩く『ポンギリング ―ひかりの花のパレード―』を実施。パフォーマーによる語りや音楽に導かれた参加者たちが歩を進めるごとに、 浮き輪はLEDライトにより鮮やかに色を変えていき、六本木ヒルズアリーナでフィナーレを迎える(パレードへの参加は事前申込制)。

チェン・プー 『モスモ』イメージ図 (2024年)
チェン・プー 『モスモ』イメージ図 (2024年)

台湾出身のチェン・プーは、生物の形態を独自に観察し、想像した姿かたちを手で描き、それらをヴァーチャルな3Dデータに変換。アニメーションやARとMR(拡張現実と複合現実)、ときにリアルな彫刻など、さまざまな形へと展開させる。

そして、同じく台湾出身のツァイ・シャオチーと、日本出身の吉川公野によるロンドン在住のアーティストデュオ、ツァイ&ヨシカワ。地球上のすべての生命にとって不可欠な水、光、空気などのエネルギーを表現する彫刻を制作。蛍光塗料で塗装された奇妙な大輪のアルミニウムの花は、昼間は太陽光で色鮮やかに輝き、夜になるとブラックライトでまばゆく発光する。

最後に、台湾出身のメイメージダンスは、台湾における西洋文化と東洋文化の遭遇を表現した『沈黙の島―新たなる楽園―』(2017年初演)を、六本木アートナイト用に再構成し上演。明るさと暗さや猥雑さ、台湾のコスプレ文化などが一体となって独特の世界を生み出していく。

芸術が息づく六本木を舞台に開催される「六本木アートナイト 2024」。この他にも、趣向を凝らした作品や企画が盛りだくさん。各展示やイベントの詳細は、公式サイトをぜひチェックしよう。

※掲載情報は9月26日時点のものです。
開館日時など最新情報は公式サイトをご確認ください。

「六本木アートナイト2024」
会期/2024年9月27日(金)〜29日(日)
会場/六本木ヒルズ、森美術館、東京ミッドタウン、サントリー美術館、21_21 DESIGN SIGHT、国立新美術館、 六本木商店街、その他六本木地区の協力施設や公共スペース
開館時間/コアタイム 9月27日17:30〜23:00、28日16:00〜23:00、29日16:00〜20:00
※コアタイムはメインとなるインスタレーションやイベントが集積する時間帯
※プログラムによって展示時間は異なる
※一部作品は10月14日(月・祝)まで長期展示あり
料金/無料
※ただし、一部のプログラムおよび美術館企画展は有料
URL/https://www.roppongiartnight.com/2024/

Text : Akiko Kinoshita

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