堤真一・瀬戸康史、大東駿介・浅野和之らの豪華キャストで2作品連続上演
演劇は、演じる側が大きなエネルギーを使うことは間違いないが、観る方も体力を必要とするものだ。
歌舞伎などは、複数の作品を通して観ようと思えばできないことはないが、よほど気力も体力も充実した状態でなければ、ヘトヘトになってしまう。だが、グロッキー状態の体に残ったセリフや俳優たちの眼差しは、驚くほど大きな充足感を与えてくれる。
9月、世田谷パブリックシアターでは、現代イギリス演劇を代表する劇作家の一人、キャリル・チャーチルの2作品を連続で上演する。上演される『A Number―数』『What If If Only―もしも もしせめて』は、ヘトヘト覚悟でもぜひ足を運びたい作品と言えそうだ。
この企画は、Bunkamuraが⽇本と海外のクリエイターの共同作業のもと、優れた海外戯曲を今日的な視点で上演する企画に取り組んできたプロジェクト、DISCOVER WORLD THEATRE(以下DWT)シリーズの第14弾。これまでDWTで3作品を手掛けてきたジョナサン・マンビィがどちらの作品も演出する。
『A Number―数』は、堤真一と瀬戸康史という演劇ファンならずとも必見の顔合わせ。人間のクローンを作れるようになった近未来を舞台に、秘密を抱え葛藤する父とクローンを含む3人の息子たちが織り成す、複雑な親子の物語だ。
これまでもDWTシリーズでマンビィ演出の全作品に出演し、絶大な信頼を寄せられる堤と、昨年『笑の大学』で二人芝居の魅力に開眼したと語る瀬戸の会話劇に期待が高まる。
『What If If Only―もしも もしせめて』では、舞台初共演となる大東駿介と浅野和之が出演。愛する人を失い苦しむ“某氏”を大東、“未来”と“現在”を浅野が演じる。こちらは、大東、浅野の二人とも初のマンビィ演出。戯曲自体も日本初演となり、さまざまな化学反応が期待できそうだ。
マンビィは「どちらの戯曲も、一番愛する人のために私たちは何をする覚悟があるか、を問いかけます」とコメントしている。作品は異なるものの、人間のアイデンティティや悲しみ、愛の探求といったテーマで繋がるという。
二つの作品に流れる濃密な問いに自分なりの答えを探す。そんな深い演劇体験にダイブしてみてはいかがだろうか。
舞台 Bunkamura Production 2024
DISCOVER WORLD THEATRE vol.14
『A Number—数』『What If If Only—もしも もしせめて』
作/キャリル・チャーチル
翻訳/広田敦郎
演出/ジョナサン・マンビィ
美術・衣裳/ポール・ウィルス
出演/『A Number—数』堤真一、瀬戸康史
『What If If Only—もしも もしせめて』
大東駿介、浅野和之、ポピエルマレック健太朗・涌澤昊生(Wキャスト)
企画・製作/Bunkamura
公式サイト/https://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/24_churchill/
<東京公演>
公演日程/2024年9月10日(火)~29日(日)
会場/世田谷パブリックシアター
チケット料金/S席 11,000円 A席 9,000円(税込・全席指定・未就学児入場不可)
チケット販売中
お問合せ/Bunkamura 03-3477-3244(10:00~18:00)https://www.bunkamura.co.jp/
東京公演主催/Bunkamura
【地方公演】
<大阪公演>
公演日程/2024年10月4日(金)~7日(月)
会場/森ノ宮ピロティホール
<福岡公演>
公演日程/2024年10月12日(土)~14日(月・祝)
会場/キャナルシティ劇場
大阪・福岡公演お問合せ/
キョードーインフォメーション
0570-200-888(11:00~18:00※日祝は休業)
大阪公演主催/ABCテレビ、サンライズプロモーション大阪
福岡公演主催/キョードー西日本、サンライズプロモーション東京、サンライズプロモーション大阪
Text:Reiko Nakamura