開けチャクラ! バービーのモヤモヤ相談室 vol.33「妊娠中も産後も、母体は社会から軽視されていると感じます」
体や性をめぐるあれこれ、人間関係や恋愛、社会についてなど、読者の抱える「モヤモヤ」をバービーが一緒に考えます。正解は見つからないかもしれないけど、チャクラは開放できちゃうかも?!(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2024年10月号掲載)
【今月のモヤモヤ】
「母体は社会から軽視されていると感じます」
医学は進歩しているのに、なぜいまだに痛みに耐える出産スタイルが主なのでしょうか。(みい・47歳・会社員)
妊娠中から産後にかけての体のトラブルが多すぎる。母体は社会から軽視されていると感じます。もっと母体の情報が広がれば、もう少し過ごしやすくなるのでは。(すえぞー・35歳・パート)
【バービーからのメッセージ】
私も母体は二の次なんだと感じたことが多々あります
私自身すごく共感することがあって、今回は2つのモヤモヤを選ばせてもらいました。まず、私は妊娠検診を受けるようになってから、妊娠・出産は赤ちゃんが主体で、母体は二の次なんだと感じたことが多々あります。
私は妊娠初期から手や足先の痛みがあり、関節が曲がらなくなったので、先生に相談したところ「妊娠中はよくあること。みんな我慢していますよ」と言われて啞然。これまで多くの人が訴えてきたのに、耐えるしかないんだと、母体を軽視されている気がしました。みいさんが言うように欧米並みに無痛分娩が広まらないのも「痛みを我慢してこそ母親になれる」という伝統的な考え方が根強いからかもしれません。また、産科麻酔科医が足りていないといった体制の問題もあるようです。
そして、すえぞーさんがおっしゃるように、妊娠中の体のトラブルがとにかく多すぎる!妊娠してからワキが黒ずんだり、頻尿になったり、イボ痔になりやすくなるなんて知らなかったし、不調や不快感を感じても我慢するしかない。そうした不安をフランスで植物薬理学を学んだ知人に話すと、「母体の不調を放っておくなんてあり得ない」と言っていました。フランスでは母体のケアは日本よりも手厚いようです。また、台湾や韓国では産後1カ月間、母親が静養する宿泊施設があるなど国によって大きな違いがあることに驚きました。
産後ドゥーラさんなど母親を助ける存在も
ただ、日本にも産後ドゥーラという専門家がいることを先日知ったんです。ドゥーラは産後の生活のプランニングから授乳サポート、家事の代行など母親を助けるエキスパートで、こういう情報こそもっと広まってほしいですよね。子どもはもちろんだけど、お母さんの心身のケアもなんとかしないと、子どもを産みたいと思う人は増えないと思います。
妊娠中はとにかく体がしんどい。なのに、しなくてはいけない手続きが多すぎる。イライラした気持ちをYouTubeでぶつけたところ、いろんな人がコメントをくれました。「行政に支援を申請しても断られた」とか「宿泊型の産後ケア施設に入れなかった」という人も。
また、子育て中の友人は「ベビーシッターを頼むのは贅沢では」と感じていて、当事者意識と行政の課題、両方が重なって、妊活中や妊娠中、産後の女性がつらい状況にいるんだと思いました。私も妊娠するまではわからなかったから、痛みや不調は訴えていかないと他の人に伝わらないんだなと感じています。そして、周りの人も心を配ってくれたら、世の中の母親たちがもう少し健やかに過ごせるようになるのかなと思います。
バービーさんに相談したい、聞いてほしいあなたのモヤモヤ大募集中! テーマは体や性をめぐるあれこれ、人間関係や恋愛、社会についてなど何でもOKです。下記アンケートフォームまたはメールでご相談をお寄せください。メールの場合は、掲載可能なニックネーム、年齢、性別(任意)をお書き添えください。
アンケートフォームからの相談はこちら
メールでの相談はこちら
※ご相談の文字数は問いませんが、掲載時に編集部で要約させて頂きます。
※ご相談への回答は1号あたり1名様です。全ての方のお悩みにお答えすることはできません。
※雑誌掲載以外にもヌメロ・トウキョウやバービーさんの制作するコンテンツに掲載する場合がございます。あらかじめご了承ください。
「開けチャクラ! バービーのモヤモヤ相談室」をもっと見る
Photo:Michi Nakano Styling:Ayaka Oshida Hair & Makeup:Izumi Hashi Interview & Text:Mariko Uramoto Edit:Mariko Kimbara