今市隆二インタビュー「生身の姿で歌い続ける。挑戦こそが自分らしさ」
旬な俳優、アーティストやクリエイターが登場し、「ONとOFF」をテーマに自身のクリエイションについて語る連載「Talks」。vol.115は今市隆二にインタビュー。
今市隆二がソロ・プロジェクトとして5枚目となるニューアルバム『R』を6月26日にリリースする。発表から1カ月でYouTube再生回数400万回を越える先行配信曲『REALLY LOVE』、6月末に控えるアリーナツアータイトルでもある『RED』など注目度の高い楽曲が収録され、今市隆二のボーカリストとしての多彩な表現が広がる。インタビューでは、イニシャルを冠したアルバム制作にはじまり、キャリアを重ねたいま今、歌に向かう心を、彼らしいてらいのない言葉で紡ぐ。
2年前のファンとの約束を果たすために
──象徴的なアルバムタイトルですが、ご自身のイニシャルでもある『R』を掲げた理由から教えて下さい。
「コンセプトの話をすると、今年の自分のソロ活動は『R』がキーとなっています。一連の活動を“R”OADと名付け、ロードマップを作った上でこれからやることを想像してもらい、共有しながら“今の今市隆二“を余すことなく届ける。今年(2024年)の4月から5月にかけて開催したコンセプトライブのタイトルも『RILY’S NIGHT/LOST”R”』として“R“を探す旅というテーマになっていて、今回のアルバムへとつながる流れに。今の自分ができうる表現を余すことなく詰め込んだ作品という点でも、『R』以外にはありえなかった」
──ソロデビューから6年。今このタイミングでの発信になったきっかけは?
「活動の軸はどのメンバーも三代目J SOUL BROTHERSにある。23年はグループ活動をがっつり取り組んだこともあって、24年の上半期は自然と個人活動にフォーカスしていく時間になりました。各々がそれぞれのペースで活動する中で、自分としてはファンの皆さんとの約束を果たすための時間にしたかった」
──どんな約束があったのでしょうか?
「2年前に『RILY’S NIGHT』というホールツアーを開催して、そこが愛にあふれる場所で。ファンの方たちも愛してくれたし、自分にとっても大切な場所になったんですね。ツアーファイナルで、また別のかたちで必ず『RILY’S NIGHT』をやります、とみなさんと約束したんです。2年越しになりましたが、『RILY’S NIGHT/LOST”R”』で約束を果たすことも含めて、今一度、真正面から自分を表現しなきゃいけないと立ち返ることになりました」
──アルバム『R』は制作にもその想いが込められている?
「自分の名前をタイトルにするのは、アーティストとしてはけっこうあることなんですが、本人からするとベスト・アルバム的というか、自分が今まで積み上げてきたものを改めて見せる覚悟が求められる。自分としても、今市隆二らしさを表現していくつもりでしたが、結果的にはすごく挑戦しているアルバムになりました。クリエイターを一新したり、サウンド面でもガラッと雰囲気を変えてみたり」
──“一新する”のは、なかなか大きな決断ですよね?
「大きな決断ですけれど、自分が求めていたことでもあるんです。やっぱり長く続けているといい意味でも悪い意味でもチーム感が出来上がる。そのチームでの成功体験があると、次の挑戦が怖くなってしまったりするので、今回に関しては一度チームを解体して、再構築してスタートするイメージですかね」
自分らしさを求めた先に行き着いたのは「挑戦」
──今市さんが全曲セルフプロデュースを手掛けるのは変わらず?
「そうですね。ソロプロジェクトはすべて自分の手で。もう、めっちゃ疲れますよ(笑)。普段はまったく食べないのに、脳みそを使うので甘いものが欲しくなる。その時期はチョコレートを食べてました」
──特に先行配信曲の『REALLY LOVE』は、挑戦という言葉がしっくりきます。
「まさに色んな経験があってこそ表現できた楽曲だと思います。今までの自分を表現するつもりが、思いがけず挑戦に満ちたアルバムになったことも、今ではすごく腑に落ちているんです。なぜかというと、ファンの方は知っていると思うけれど、今市隆二といったら挑戦し続ける姿にあると思うから。アルバムを作るにあたって『オレってなんなんだろうな?』と考えたとき、やっぱり今も昔も変わらず挑戦するのが自分らしさだなと改めて気付かされました」
──YouTubeでのMV再生回数はたった1カ月間で400万回を超えました。今市さんの新しい顔が見えると話題です。
「初めてトラックを聴いたときに、これはもう間違いなくいい曲だなと直感があって。でも、いざ制作がはじまると歌ラップが半分以上を占めていたり、今までになく変則的な楽曲でもあって、完成形がつかめない不安もあったんです。レコーディングを重ねていくうちにやっとカタチが見えてきて、手探りの末に出来上がりました。ライブで歌うとすごく楽しいんですよ、自分自身もアガる。
前の自分だったら、歌は楽しさよりも美しくありたい想いが強かったけれど、この楽曲は今までにない方向へトライした感覚です。ゴールが見えないまま進む怖さもあったけれど、それ以上に、何もわからないところからスタートする面白さが味わえて、『REALLY LOVE』が今年一発目の活動でよかったなと思いました」
ラフにステージに立てるようになった
──完成された姿ではなく、今市さんの人間味が解放されているような気もします。
「いつでも生身の姿を見せ続けるのがオレかなと思ってます。もちろん世界観を作り上げて、完成されたものを届けるときもあるけれど、ずっとステージに立ち続けるとか、ずっと歌を歌い続けるところに自分らしさがある。ボーカリストなので、根底には人を感動させたい想いがあるし、バラードで歌を聴かせたいとも思うけれど、ここ数年でその感覚にも変化があって、もっと距離を縮めてナチュラルにラフにステージに立てるようになりました。
『RILY’S NIGHT』は、お客さんにマイクを持っていただいて、質疑応答の時間も設けてるんです。小学生の女の子に『隆二くんは小学校のとき、何が楽しかったですか?』なんて質問をもらって、『体育や音楽、図工だよ』と答えたり。触れ合いの場になったらいいなと思うし、『RILY’S NIGHT』はライフワークとして長く続けていきたい」
──忙しい中でリフレッシュというとどういった時間をすごしていますか?
「古着ですね。今、古着熱が再熱しているところで、時間ができたら全国各地の古着屋さんのオンラインショップをチェックしています。以前は足を運ばなければいけなかったけど、今はネットでチェックできちゃうので、次の日ライブなのに夜遅くまでひたすらネットを見続けてしまうことも。
デニムからスタートした趣味だけど、今はTシャツやカバーオール、スウェット系まで幅広く興味があって大変です(笑)」
──ちなみに今市さんが最近手に入れたアイテムは?
「今日も着てきたんですが、ラングラーのGジャンを手に入れました。ジョン・レノンが愛用したことで有名になった型があるんですね。そのデザインを作るにあたって初期に作られたプロトタイプを買いました。そういった古着と今のファッションをミックスして着るのが好きです」
──三代目J SOUL BROTHERSで登場していただいたときは、Netflixでドラマも観ているとのことでしたが、最近はどんな作品を?
「今ハマっているのは『涙の女王』です。王道ドラマの要素がすべて盛り込まれたような内容なんですが、結局そういうのが観たいんですよね。青春があったり、キレイな感情が描かれるような作品は観ていても気分がいいですし、疲れない。残り3エピソードくらいなので、大事に観たいなと思っています」
ジャケット¥401,500 シャツ¥191,400 パンツ¥180,400 ローファー¥149,600/すべてFendi(フェンディ ジャパン 0120 001 829)
5th Album『R』
価格/
[A] CD+DVD(スマプラ対応) ¥4,400(税込)
※初回仕様:スリーブ
[B] CD+Blu-ray Disc(スマプラ対応) ¥4,400(税込)
※初回仕様:スリーブ
発売日/2024年6月26日(水)
URL/https://avex.jp/ryuji_imaichi/news/article/
今市隆二の直筆サイン入りチェキをプレゼント!
Photo: Kenta Karima Hair: Go Utsugi (PARKS) Makeup: Akemi Mizuno (HMC) Interview & Text: Hazuki Nagamine Edit:Miyu Kadota, Mariko Kimbara