開けチャクラ! バービーのモヤモヤ相談室 vol.32「いつまで推し活って続けていいと思いますか」
Culture / Feature

開けチャクラ! バービーのモヤモヤ相談室 vol.32「いつまで推し活って続けていいと思いますか」

体や性をめぐるあれこれ、人間関係や恋愛、社会についてなど、読者の抱える「モヤモヤ」をバービーが一緒に考えます。正解は見つからないかもしれないけど、チャクラは開放できちゃうかも?!(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2024年7・8月合併号掲載)

【今月のモヤモヤ】
「いつまで推し活って続けていいと思いますか」

K-POPが大好きで、いろいろなグループを追いかけています。ただ、年下のアイドルを推すことになんだか罪悪感も感じてしまっていて…。バービーさんはいつまで推し活って続けていいと思いますか。(みみ・37歳・会社員)

【バービーからのメッセージ】

今月のファッションテーマ:ウェスタンムービーで活躍するカウガール。猟犬「神」を相棒に。
今月のファッションテーマ:ウェスタンムービーで活躍するカウガール。猟犬「神」を相棒に。

無償の愛で誰かを応援できるのは素晴らしいこと

私はこれまで特定のアイドルにのめり込んだ経験がないのですが、無償の愛で誰かを応援できるってすごいことだと思います。その一方で、過度な推し活がアイドルを消費することにつながるのではと懐疑的になることもあります。アイドルの過酷な労働環境を生み出しているのは、歪んだショービジネスの構造も深く関わっているとも思う。今回みみさんの相談を受けて、罪悪感を感じているファンの方が存在すると知って少し安心しました。なぜなら、最近デビューしたばかりの16歳の女性アイドルを推している私の夫、つーたん(34歳)を見て「ねぇそれって大丈夫!?」と聞きたくなることがあるからです。みみさんのように推し活をしながらメタ的な視点で自分の感情と言動に疑いを持つことはすごく大事なことだと思います。

推し活と聞いて武田砂鉄さんとの対談を思い出します。砂鉄さんは好きなミュージシャンのライブに行っても冷静に見ているそうで、SNSも好きな人だけではなく、あえて興味のない人や苦手な人もフォローしているそう。それはなぜかというと、一つのことだけを100%信じないようにしているからだそうです。自分の中の絶対的な存在が崩れたとき、裏切られた気持ちになったり、アンチに走ってしまう人がいますよね。そうならないように好きなものに対して冷静な視点を忘れないようにしておく。そのほうが自分を保てるということをおっしゃっていて、なるほどなと思いました。

リアルな関係も大切に
自分の身になる趣味を始めてみては?

みみさんに「興味のないものも追いかけて」とまでは言わないけど、アイドル以外のリアルな人との関わりにも目を向けるといいのかなと思います。たぶん推しってきれいなものだけを見せてくれるじゃないですか。わざわざ傷つけるようなことはしないし、言わない。一方、生身の人間とのコミュニケーションは腹が立ったり、悲しくなったり、つらいこともある。だけどそういう経験も同じくらい味わっていたほうが、推しも自分と同じ心を持った人間だと実感できるし、“商品”として消費する感覚は薄れていくのではないかと思うのです。

清廉潔白なイメージを押し付けたり、理想の彼氏(息子)像を重ねたりもしない。ただ、心のオアシスとして、リスペクトを持ってアイドルを推すことは何も悪いことではないと思います。それを前提として、推し活は今すぐにやめなくてもいいんじゃないかな。

ただ、時間とお金を注いで虚しさを感じるのであれば、身に付くものを同時にやってみるのはどうでしょう。K-POPアイドルを追いかけながら韓国語を習得するとか、歴史や文化を学んで教養を身に付けるとか。自分のやってきたことは無駄ではないと思えると、推しに対するまなざしも変わり、漠然とした虚無感や罪悪感を感じにくくなるのかなと思います。

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Photo:Michi Nakano Styling:Ayaka Oshida Hair & Makeup:Izumi Hashi Interview & Text:Mariko Uramoto Edit:Mariko Kimbara

Profile

バービーBarbie お笑い芸⼈。北海道出⾝。2007年、相⽅のハジメとお笑いコンビ「フォーリンラブ」を結成。TBS『ひるおび!』のコメンテーターや、TBS ラジオ『バービーとおしんり研究所』のパーソナリティを務めるほか、⽣まれ故郷の町おこしにも尽⼒。YouTube『バービーちゃんねる』では、最新美容や性についてのトピックが話題となり、現在の登録者数は25万⼈を超える。またFRaU WEBにて連載中のエッセイをまとめた著書『本⾳の置き場所』(講談社)を出版。⾃らプロデュースしたピーチ・ジョンとのコラボ下着の発売や、双⽅向コミュニケーション型ECサイト『◯バ(仮)』にてシルエットをキレイに⾒せる太ベルトの発売を開始。22年4月には初のシングル楽曲「Ya jatuh cinta(ヤ ジャットウ チンタ)」を配信限定でリリースするなど、多岐にわたり活動の幅を広げている。

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