6人の写真家が撮り下ろす究極のバッグ&シューズ
“究極”を追い求めて生まれたものは過去、現在、未来とときを超えて愛される。今季もブランドの歴史を辿って新作のバッグとシューズが誕生した。レンズから見た景色を極め続ける写真家たちがその“究極”の逸品と出合ったら……。6人の写真家が撮影した一枚をきっかけに、あなたが人生に寄り添う逸品に出合うことを願って。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2023年12月号掲載)
Chanel|シャネル
上質なツイード素材で作り上げたチェーンバッグはシャネルの代表的なアイテムの一つ。そこへ今季のテーマである“永遠の愛”を意味する花のアイコン「カメリア」を中央に配し、究極のエレガンスを貫いた逸品に。
吉田塩
(よしだ・しお)愛知県出身。武蔵野美術大学卒業後、グラフィックデザイナー/カメラマンアシスタント等を経て2018年独立。「変化」「揺らぎ」「多面的」などをテーマにしており、不完全でアンバランスな状態の絵が持つ、時間的/空間的な奥行きを意識して撮影している。ファッションのみならずコスメやインテリアなどのライフスタイル撮影もこなす。
Dries Van Noten|ドリス ヴァン ノッテン
ドリス ヴァン ノッテンのどこまでも深く花を愛する職人芸と独自の世界観に圧倒される。新しいアンティークをテーマとして誕生した新作ブーツは繊細なゴールドジャガードで施され、哀愁漂う一足。シルバーヒールからも美しき輝きを放つ。
中島啓一郎
(なかじま・けいいちろう)長野県生まれ、静岡県育ち。横浜市立大学卒業後、渡米。New York Universityの大学院在学中に写真家としてのキャリアをスタート。幅広いジャンルの仕事に対応する柔軟性や、動画と写真を編集まで自身で手掛けられる器用さが評価され、現在は日本を拠点に各国でファッション撮影を中心に活躍中。
Valentino Garavani|ヴァレンティノ ガラヴァーニ
近年フェザーのテクスチャーを大胆に取り入れ、唯一無二の世界観を極めたヴァレンティノ。ハードなブーツに大輪の花を咲かせたデザインはシックとアーティスティックなムードが共存する。漆黒に染まり独立した佇まい。
刈馬健太
(かりま・けんた)長野県生まれ。映像専門学校卒業後、単身渡米。 2016年に帰国し17年よりフォトグラファーとして活動を開始する。国内外のエディトリアルや広告を中心にブランドビジュアル、アーティストのジャケット写真等で活躍。22年に自身初となる個展『Atmosphère』を開催。
Bottega Veneta|ボッテガ・ヴェネタ
職人たちが丁寧に編み上げたイントレチャート技法は1975年以来ボッテガ・ヴェネタを象徴する存在。大人なエメラルドグリーンカラーにリボンのようなノットモチーフのゴールド金具が配された「アンディアーモ」の新色は、銀座フラッグシップストア5周年を記念し11月に先行発売。
大西日和
(おおにし・ひより)1994年生まれ、京都府出身。京都市立芸術大学ビジュアルデザイン専攻卒業後、アマナにて3年半のアシスタントを経て、2020年にフォトグラファーとして独立。色彩にこだわり、鮮やかで優しさを感じる色彩が特徴的。現在は広告を中心に活動中。
Fendi|フェンディ
フェンディの現代アイコンバッグである「ピーカブー」はカラーや素材を変えて進化し続けている。今季の新作は柔らかなシープスキンを使用しつい触りたくなる質感が魅力的。フューシャピンクがスタイリングにアクセントをもたらす。
石田晃大
(いしだ・こうた)1997年生まれ。小説家を志していた際、写真から文章を紡ぎ出す試みを行ったことから写真の道へと傾倒。以後独学で写真を撮り始める。アメリカにて映画『NINE DAYS』(2021)などの撮影に参加。23年より本格的にファッションフォトグラファーとして活動を開始。
Prada|プラダ
ここ数年技術や手法、テクニックによりフォーカスしたコレクションを発表しているプラダ。アッパーに添えられたフラワーの繊細さからもその精神がうかがえる。暗闇に光を灯したような柔らかなイエローと自然のモチーフが融合し静かなエネルギーを感じる一品。
森山将人
(もりやま・まさと)1980年生まれ。ファッション誌のみならずあらゆる雑誌や広告、カタログなどで幅広く活動。役者やミュージシャンなどのポートレート撮影の経験の多さから表情の引き出し方に定評がある。現在はMVや短編ドラマの撮影など、動画撮影でも活動の場を広げている。
Text & Edit:Saki Shibata