ガラスと石に目を奪われる、ラティティア・ジャケトンのフラワーベース | Numero TOKYO
Art / Editor’s Post

ガラスと石に目を奪われる、ラティティア・ジャケトンのフラワーベース|私たちのモノ語り #055

まだまだ雨が降る日も多く、じめっとした気候が続く日々。在宅ワークをすることも多いのですが、どうしたって室内もどんよりしていて、なかなか気分も晴れません。

すこしでも気分を上げる策として、お部屋によく生花を飾るのですが、切っても切れない関係なのがフラワーベースです。フラワーベースが変わるだけで、パッと見の印象もガラリと変わります。

なかでもお気に入りなのが、マルジェラをはじめファッション業界でキャリアを重ね、パリのギャラリーでアートディレクターを務めたフランス人の女性アーティスト、ラティティア・ジャケトン(Laetitia Jacquetton)の作品です。

世界各国で作家自らが採取した石×吹きガラスの組み合わせが作品の特徴なのですが、吹きガラスとの出会いは旅で訪れた日本の沖縄なんだとか。数年前に、とある雑誌で初めてジャケトンの作品を目にしたのですが、その頃はまだ直接手にとれる機会がなく、2021年に代々木上原のFOOD FOR THOUGHTが日本初個展を開催してくださり、開店前からお店に向かったのを覚えています(笑)。

FOOD FOR THOUGHTで最後まで悩んで見送った方の作品はこんな感じでした。
FOOD FOR THOUGHTで最後まで悩んで見送った方の作品はこんな感じでした。

石の色や形、ガラスの形、大きさ、どれも同じものはなく「石はこっちの方が好みだけれど、ガラスの具合はこっち…」と頭を悩ませながら、自分だけの1点を手に取るので、愛着もひとしおです。

ちなみに石とガラスは完全に分離できるので、アートやオブジェとしても楽しめます。石の凹凸に合わせて作り上げられたガラスは、光を綺麗に反射してくれるので、日差しなどが差し込むと一気に表情が変わるのもお気に入りポイント。

この石はフランスのセヴェンヌ山脈で採取された石とのこと。
この石はフランスのセヴェンヌ山脈で採取された石とのこと。

最近では、透明ガラス以外の作品も増えてきており、私はいつか黒の作品を手に入れたいと思っています。

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Profile

棈松杏奈Anna Abematsu エンターテイメント業界にて、コンテンツ制作やプロジェクト推進、デジタルビジネス事業に従事。10年目に独立。『Numero TOKYO』へは、2022年11月号よりウェブエディター/ウェブプランナーとして参加。Instagram @annaabmt

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