【Tシャツと私 vol.1】美容の達人・MEGUMIが伝授! 大人のTシャツスタイルは肌づくりが決め手
Tシャツがスタイリングの主役になる季節がやって来た。さまざまな役柄でTシャツを着用してきた俳優たちが、この夏リアルに着たいTシャツスタイルを披露。第1回目は、俳優、タレントとしてはもちろん、2023年4月に発売した美容本『キレイはこれでつくれます』が大ヒット中のMEGUMIにインタビュー。大人がTシャツを着こなすことやそのための美容法を聞いた。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2023年7・8月合併号掲載)
今のムードを見抜く力と、体づくりで
大人の上品なTシャツスタイルを手に入れて
──MEGUMIさんの定番のTシャツは?
「ドリス・ヴァン・ノッテンの無地のTシャツは、さりげないデザインのシルエットや素材感がとても美しくて、毎年買い足しています。それから昔のフェスTや、小さな町のイベントで販売されていたような、当時の空気感が伝わるTシャツも古着屋さんで探したりしますね。写真家のブルース・ウェーバーのTシャツや、ケイト・モスとコラボしたものも見つけるたびに買ってしまいます」
──今日のTシャツを選んだ理由を教えてください。
「私にとってTシャツとはメッセージ性のあるアイテム。周囲にバンドマンが多いので、自分が支持するミュージシャンや対バンするバンドへのリスペクトをグラフィカルに伝えるものだと思っています。今日選んだのは黒柳徹子さんのニューヨークTシャツ。デザインがとても素敵なこと、そして徹子さんへのリスペクトを込めて。徹子さんはご自身でECサイト『TOTTO-chan Shop』を立ち上げていらっしゃるんですが、芸能界の大御所が新しい動きをされていることにとても刺激を受けます」
──コーディネイトのポイントは?
「レザー素材をレースのようにカットしたハーフ丈のボトムを合わせました。年齢を重ねてもポップな雰囲気を演出したいときにTシャツは最適なアイテムですが、ボトムは素材とシルエットできれいに仕上げたいから。足元はハイヒールでも素敵だけど、今のムードは、全体をキレイにまとめつつボーイズライクなアイテムで崩していくスタイルだから、フラットシューズを選びました」
──着こなしのマイルールはありますか。
「サイズ感を大切にしています。大人になると自分のスタイルが確立されてしまうけれど、トレンドのシルエットを取り入れると一気に今の着こなしに。Tシャツがいつまでも似合う自分でいられるように体を鍛えておくことも大事なことです。それから、バストが大きいとバランスを取るのが難しいので、Tシャツを着るときは2サイズくらい抑えてくれる下着を身に着けるようにしています」
──MEGUMIさん流のTシャツが似合うメイクとは?
「大切なのは『肌感』。きちんとベースを塗り、ファンデーションを重ねて、気品のある陶器肌を目指すこと。ドレッシーな気分のときは赤やボルドーのリップ、フェスやカジュアルな場面では色みを抑えて、シルバーアクセでポイントをつくっても素敵です」
──20代から30代にかけて、大人のTシャツスタイルにシフトするために大切なことは?
「大人に変わりつつある自分をぜひ楽しんでください。色々と勉強をする年代だと思うんですね。これまでトライしてないことにもどんどんチャレンジして、例えば、ジャケットとTシャツを合わせてみたり、メイクを変えてみたりして、自分のスタイルを構築していく時です。40代になると、自分の好きなものがわかるから、買い物にも失敗しなくなるんですが、それまでの間にたくさん失敗を経験して、ファッションを通して自分の色を濃くしていくといいんじゃないかと思います」
周りはわかってくれなくても、自分だけは確実に変化を実感できる
──MEGUMIさんのこれまでの美容術を1冊にまとめた書籍、『キレイはこれでつくれます』が大ヒットしています。今回、本を出すことになったきっかけは?
「出版社の方に声をかけていただいたことが直接のきっかけです。実は、これまで美容の情報を発信することに躊躇していました。本職は役者なので、どうなんだろうと。私がここまで美容を好きになったのは、20代後半の頃からです。ほうれい線が目立つようになり、そこから気分が落ち込んでしまって。見た目が変わると、気分が落ち込んで、性格まで変わってしまうんだと気がついて、このままでは私の人生も望まぬ方向に変わってしまうかもしれない。これはなんとかしなくてはと、ありとあらゆる美容法を試した結果、かなりほうれい線が薄くなったんです。それから自分に自信がついて、毎日の過ごし方や、仕事に向かう姿勢まで変わりました。そんな経験があって、美容の力はすごいと感じたんです。以前、番組に出演したとき、日本人女性の自己肯定感は世界のなかでも低いと伺いました。驚きとともに、そうかもしれないと納得する部分もあったんです。それで、私の経験から、自信を失っている女性の背中を押すことができたらと、今回、本を出すことになりました」
──美容によって、ご自身が変わったという実体験があったんですね。
「大人になると、誰かが私の面倒をみてくれるわけじゃないから、自分で自分の機嫌をとって毎日のパフォーマンスを上げていくしかないけれど、そのとき、美容も大きな助けになるんじゃないかと思ったんです。だから今回は、私の人生をまとめたというよりも、ひとつの提案書、情報として使える実用書という形にしました」
──かなり膨大な情報量ですが、1冊にまとめてみていかがでしたか。
「自分でもよくやってるなと思いましたね(笑)。しかも、美容は日々、新しい情報が更新されているから、この本に掲載した情報も、すでにブラッシュアップされているものもあり、やはり美容は一生続くものだし、決して飽きないものなんだと改めて感じました」
──これからの季節の美容というと、日焼け対策が気になります。ひとつおすすめの方法を教えてください。
「日焼け対策は、美容の中でもかなり重要です。曇りでも雨でも、紫外線は年中降り注いでいますから、夏はもちろん、日焼け止めは、年中塗ることをおすすめします。本にも書きましたが、美容は継続です。夏だけやればいいということではないんですね。でも、特に夏は海やフェスに行く機会もあるので、その前後はビタミンCのサプリをしっかり摂っておくこと。日焼け止めは、ファンデーションと同じようにパフで塗ってください。指で塗るとムラができてしまいます。今、クッションファンデにもSPFが入っているので、汗をかいたら、こまめにお化粧直しを。ボディの日焼け止めもそうですが、何度も塗り直すことが大切です。それでも日焼けをしてしまったら、泥パックやシートパックで保湿・鎮静してその日のうちに応急処置をすること。基本的なことですが、これをルーティンにして継続することが大切です」
──日焼け対策ほかに、Numero読者におすすめしたい美容法を教えてください。
「美容の全ては保湿です。10代や20代の早い段階から、シートマスクを生活のルーティーンにして、今の状態をキープすることをおすすめします。肌の衰えを感じた段階で美容をスタートすると、マイナスからのスタートになりますが、いい状態のうちに始めればリカバーする必要ありませんから。化粧水などのお手入れのほかに、肌の中まで潤うシートマスクは必須です。肌の保湿がきちんとできていれば、20代の肌をずっと50代やその先までキープできるんじゃないかと思っています」
──そんなに難しいことではないんですね。読者からの反響は?
「すごく感動的な反響をたくさんいただきました。もう自分は美容とは縁がないと思っていたという方も、簡単なことから始めてみたら、3日で肌が変わり、気分が変わったそうです。でも、それは、自分が一歩を踏み出した成果ですよね。自分がひとつアクションを起こすことで、人生が変わったと実感したら、次の何かを始める勇気が生まれるかもしれませんよね。仕事を頑張ろう、恋愛を頑張ろうとか。そのきっかけになれたことが、とても嬉しいです」
──MEGUMIさんは、20年以上、芸能界の第一線で活躍されていますが、美容に対する姿勢も含めて、揺るぎない強さを感じます。
「そんなことはないんですよ。やっぱり理不尽なことも多い世界ですから、悲しいこともありますし、落ち込むこともあります。仕事だっていつも順調だったわけじゃなくて、どうしても浮き沈みがあります。仕事が減って心が病みかけたこともあったけれど、とにかくいろんな人の本を読み漁って、自分の考えを少しずつまとめたり。美容もそのひとつでした。肌の変化って、周りに気づかれなくても、自分だけは確実に変化がわかりますよね。そんな小さな喜びを積み重ねることが、自分を支えてくれたんじゃないかと思います。もともとブレないタイプじゃなくて、対処法を身につけて、少しずつ揺るがない自分になって行ったという感じです」
──自分を支えるもののひとつが美容だったんですね。本書には膨大な美容情報が詰め込まれていりますが、まずやれるところから始めてみようと思います。
「どれも私が実践していることで、値段的にも手頃です。私はせっかちなので短い時間でできることが多いので、忙しい方にこそおすすめです。ただ、あくまで提案書ですので、実際にやるかやらないかは自分次第。ただ、確実に言えるのは、今、始めたら、明日の自分が変わります。この本がみなさんが一歩踏み出すきっかけになったら嬉しいです」
Photos:Takao Iwasawa Styling:Miku Hair & Makeup:Masanori Enomoto Interview & Text:Miho Matsuda Edit:Mariko Kimbara