Art / Feature
時を超えて語られ続ける星野道夫(1952-96年)の写真と言葉。彼と極北の大自然との出合いは19歳の頃、古書店で目にしたアラスカの小さな村の写真に遡る。村長へ手紙を送り、エスキモーの大家族と日々を過ごしたこの体験が、彼を写真の道へと導いた。動物写真家の助手を経て、アラスカ大学へ。以後、1年の大半を旅の中で過ごしながら作品を発表。その活動は木村伊兵衛写真賞を受賞するなど高い評価を集め、カムチャツカ半島でヒグマに襲われて亡くなるまで続けられた。
そして、生誕70周年にあたる2022年。星野道夫の名は、若い世代の間にも静かな広がりを見せている。なぜだろうか。その答えは、彼が残した軌跡のなかにある。例えば、次の言葉のように。「短い一生で心魅かれることに多くは出合わない。もし見つけたら大切に…大切に…」(『森の子クラブ』への色紙より)。
星野道夫 写真展「悠久の時を旅する」@東京都写真美術館
『春のアラスカ北極圏、群れにはぐれてさまようカリブー』撮影:星野道夫 ©Naoko Hoshino
極北の大自然に心魅せられ、アラスカの大地に生きた星野道夫。彼の写真と言葉はなぜ、時を超えて私たちの心を打つのだろう。その足跡をたどり、終わることのない旅路に思いを馳せる。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2023年1・2月合併号掲載)
『ホッキョクジリス』撮影:星野道夫 ©Naoko Hoshino
時を超えて語られ続ける星野道夫(1952-96年)の写真と言葉。彼と極北の大自然との出合いは19歳の頃、古書店で目にしたアラスカの小さな村の写真に遡る。村長へ手紙を送り、エスキモーの大家族と日々を過ごしたこの体験が、彼を写真の道へと導いた。動物写真家の助手を経て、アラスカ大学へ。以後、1年の大半を旅の中で過ごしながら作品を発表。その活動は木村伊兵衛写真賞を受賞するなど高い評価を集め、カムチャツカ半島でヒグマに襲われて亡くなるまで続けられた。
『ホッキョクグマ カナダ、ハドソン湾』撮影:星野道夫 ©Naoko Hoshino
『ワイルドストロベリーの葉に初霜がおりる』撮影:星野道夫 ©Naoko Hoshino
そして、生誕70周年にあたる2022年。星野道夫の名は、若い世代の間にも静かな広がりを見せている。なぜだろうか。その答えは、彼が残した軌跡のなかにある。例えば、次の言葉のように。「短い一生で心魅かれることに多くは出合わない。もし見つけたら大切に…大切に…」(『森の子クラブ』への色紙より)。
本展は、初めて足を踏み入れたアラスカの記録から、亡くなる直前にシベリアで撮影された写真までを一望し、多くの資料を交えて構成される。自然と人の関わりを追い続けた、終わることのない旅の軌跡。きらりと光る宝物のような瞬間が、あなたを待っているに違いない。
『ロシア、チュコト半島 1996年』撮影:星野道夫 ©Naoko Hoshino
星野道夫「悠久の時を旅する」
会期/11月19日(土)〜2023年1月22日(日)
会場/東京都写真美術館 地下1階展示室
住所/東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
TEL/03-3280-0099
音楽家haruka nakamuraとのコラボレーション音楽会(12月27日)など関連イベントも開催。その他、最新情報は下記サイトを参照のこと。
https://crevis.co.jp/exhibitions/03/
https://www.michio-hoshino.com/
Edit & Text : Keita Fukasawa