【連載】おしゃれ業界人の手元スナップ vol.3 田邉友里恵
ついつい気になってしまうおしゃれなあの人の手元。些細なパーツだけれど、その人のスタイルやこだわりを映す小宇宙とも言える。そこでセンス溢れる達人たちの手元を調査! オンとオフのコーディネートから、それぞれのルールが見えてきた。
数々のファッションブランドを扱うPR会社「steady study」で、ジュエリーブランドを中心に担当している田邉さん。「リングをつけないと外に出かけられない!」と言うほど、ジュエリーと一心同体な彼女の手元を拝見!
ON
大きめストーンを主役にいつものスタメンとコーディネート
右手中指 Swarovski 右手人差し指上 Sophie Bille Brahe 左手中指 YUTAI ほかすべてSHIHARA
「基本、手元は担当ブランドのものを着けて愛と忠誠心と仕事を頑張る気持ちを奮い立たせつつ(笑)、デスクワークがしやすいように指馴染みのいいものを着けるようにしています」と田邉さん。大振りのクリスタルリングは、Swarovski(スワロフスキー)のもの。「ファッションエディターのジョバンナ・バッタリア・エンゲルバートがクリエイティブディレクターに就任してから、よりモードに刷新されました。色使いもカラフルなので気分を上げたいときによく身に着けます」。必ず一個はボリュームがあるものを着け、そこに華奢なリングを重ね着けするのがマイスタイル。
その隣の指には、指に巻きついたような螺旋状のSophie Bille Brahe(ソフィー ビル ブラーエ)のリングを。大ファンで集めているブランドなのだそう。そこに、ダイヤモンドを一部分にあしらったSHIHARA(シハラ)のリングを重ね着け。全部の指に着けたいというほどの最愛ブランド、SHIHARAはなくてはならない存在。「常に着けているので、この部分だけ日焼けしていないんです(笑)」と言うプレートリングをはじめ、一連のシンプルなリングはすべてSHIHARAを着用。同じゴールドでも、マット加工やシルク加工などをミックスして違った表情を楽しんでいるというのだから、さすが上級者!
そして、左手中指にはめているリングは、そのSHIHARAのデザイナー・石原勇太氏が手がけるファインジュエリーブランド、YUTAI(ユタイ)からチョイス。SHIHARAが“デザイン=機能”とし、ゴールドをメインに引き算の美学を追求しているのに対し、YUTAIはパールやジェムストーンを使い足し算をするという、全く相反するコンセプトなのが面白い。YUTAIに出合ってから、色石にも興味を持ち始めた様子。
OFF
シルバーにマザーオブパール。トーンを揃えて統一感を演出
リング、ブレスレット すべてTom Wood
一方、オフの手元はというと「色を控えめにして、マザーオブパールを中心にやさしいトーンにしてみました。ウェスタンな感じにならないよう、キラキラしたホワイトトパーズやロッククリスタルのリングも投入しました」。ブランドはすべてTom Wood(トム ウッド)。シグネットリングでおなじみだが、バリエーションもこんなに豊富。存在感のあるボリュームのリングも、色味を合わせることで喧嘩しない。パール感のあるネイルとも好相性!
「手が小さくてコンプレックスなんですけど、それを武器にできるような指輪をいつも探しています」という田邉さん。ジュエリーを購入するときのポイントは、「できたら代々受け継いでいけるような、長年身に着けられるものをと思っていますが、結局は自分が欲しいものを買っています(笑)。自分の体に馴染むもので、でもちょっと気持ちが上がるものを選ぶことが多いです」
ジュエリーを手放したり、クローゼットにずっと眠らせてしまうような事態にならないために、自分の持ち物との相性を見るのも大事。今探しているのは、お守りになるようなジュエリー。「可愛いチャームやハートモチーフのものをずっと探しているのですが、なかなか出合えず。大人なハートを探しています!」
Photos: Shuichi Yamakawa Edit & Text: Yukiko Shinto