might×詩羽(水曜日のカンパネラ)「girl meets … 」連載第4回「猫のような」 | Numero TOKYO
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might×詩羽(水曜日のカンパネラ)「girl meets … 」連載第4回「猫のような」

アーティストとイラストレーターが融合したアートレーターを名乗るmight(マイト)のコラボ連載「girl meets ...」。第4回からは第二章となり、水曜日のカンパネラの詩羽(うたは)が崎山蒼志に続いて登場。 mightが描き、詩羽が言葉を紡ぐ……新しい才能の化学反応を楽しんで。

©️ might
©️ might

猫のような

「ね、いったでしょ」と言える自信も、人前で涙を流すこともなくなった。それでも、曖昧の愛おしさは微かに覚えている。
魔法が切れた静寂は息が苦しくなる。雨の音も烏の声も煩わしくて堪らなくなる。それでも、夕陽の鐘と同じくらいに音色のように聞こえた幼心は覚えている。

寂しさは“たぶん”強さで、優しさは“きっと”強さだ。
では孤独は強さなのか。
スルリと足元を通り抜ける猫の暖かさは強さなのか。いや、きっと優しさだろう。
前を向いて歩くことは今では難しい。静寂とはいつしか安らかなものではなく、静かで鬱陶しいものになった。

大人にはなりたくないが、子供でいるのも恐ろしい。
静寂は私に「何者か」と問うのだ。

Illustration:might
Text:Utaha

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Edit:Sayaka Ito

Profile

mightマイト アートレーター。自身の肩書きをアーティストとイラストレーターが融合したアートレーター(Artrator)と呼ぶ。シンガー・ソングライター、和ぬかによる楽曲「寄り酔い」のMVにてイラストを手がける。Twitter:@_______might
詩羽Utaha ユニット「水曜日のカンパネラ」の主演/歌唱担当。水曜日のカンパネラは2013年からコムアイを主演/歌唱とするユニットとして始動。メンバーはコムアイ(主演)、ケンモチヒデフミ(音楽)、Dir.F(その他)の3人だが、表に出るのは主演のコムアイのみとなっていた。2021年9月6日、コムアイが脱退し、詩羽が新しく主演/歌唱担当として加入。新体制での活動をスタートさせる。同年10月27日、新体制後初の新曲「アリス/バッキンガム」をリリース。12月8日にWALL&WALLで開催した新体制初の主催リリースパーティー<LET’S PARTY>は一般発売後数分でSOLDOUTとなった。wed-camp.com

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