2021年、あの人の偏愛ベスト・ミュージック vol.3 valknee
2021年いちばん聞いたのはどの音楽? 音楽をこよなく愛するヌメロ注目のアーティストに、その人だけの“超偏愛”ベスト・ミュージックを大調査! 新たな音楽の入り口にして。
第3回はZoomgalsの一員としても活躍するラッパーのvalknee(バルニー)。
1『4D』STARKIDS
STARKIDSは東京を拠点に活動する、levi(リヴァイ)、Space Boy(スペースボーイ)、BENXNI(ベノニ)、TAHITI(タヒチ)、espeon(エスピオン)、Lil Roar(リル ロア)の6人によるヒップホップクルー。メンバーはそれぞれ音楽配信プラットフォームのSoundCloud(サウンドクラウド)に自身の音楽を注目を集めている。
「聴くようになったきっかけはYouTubeに『KUJYO CYPHE』という曲の、大人数でマイクリレーしているMVが上がったことです。以前から聴いていたYokai Jaki、EDWARD(我)というアーティストが参加していたのでチェックしました。その後このアルバム『4D』が出てすごくハマりました」とvalknee。
『4D』の中でvalkneeが特に好きな楽曲は「Mayday」「Dispatch」「Flash」。
「極端に刺激があるビートと、キャラ立ちしているメンバーが次々と登場するところが好きです。ラップも歌もキャッチーな部分があって覚えられそう、でも速くて覚えられないので何回も再生したくなります。一時期聴きすぎて、夜寝ようとしても頭の中で流れてきてうるさすぎて2日間くらい不眠になりました。最近はジムに行って走るときに毎回再生するのですが、23分間全く辛くないです。覚醒できます」
2『AiR』HEAVEN
「Lil Soft Tennis(リル・ソフトテニス)というアーティストが好きで、自分もリミックスを依頼したことがあるのですが(valknee – PURE MIND PURE HEART Lil Soft Tennis REMIX)、そのLil Soft Tennisが参加している関西のコレクティブがHEAVENです。全員が音楽が大好きなことが伝わってくるし、歌詞から瑞々しい感性が伝わってきて素敵です」
HEAVENはLil Soft Tennisをはじめ、RY0N4(リョウナ)aryy(アリー)の3人を中心に結成。『AiR』は彼らの1stミックステープで、インディーロックやグランジ、ハイパーポップからトラップまでさまざまなジャンルを取り入れている注目作だ。
「全編通して閉塞感や何かしたいという衝動を感じます。モヤがかかった景色の中で、イライラしながら、打破したい、というような。歌詞の中で固有名詞が出てくる部分は茶目っ気があって楽しいです。騒がしすぎないので、朝会社に行くときによく聴きます。散歩にもおすすめです」
3『NOEASY』Stray Kids
Stray Kids(ストレイキッズ)は韓国発の9人組ボーイズグループ。2017年に韓国で放送されたサバイバル・リアリティ番組「Stray Kids」を通じて選抜され、18年3月にデビュー。19年には、早くもアジア、オセアニア、アメリカ、ヨーロッパをまわるワールドツアーを行うなど世界中で注目を集めている。
「超コアなファンというわけではないのですが、韓国アイドルの曲をまんべんなくチェックするのが好きで、楽曲が一番おもしろいと感じるのがStray Kidsです。自分はアイドルの曲に『おもしろ』を求めているので、曲のクセが強くて三枚目な要素があるStray Kidsはかなりエキサイトできます。メンバーが曲を作っていて、スキルが高くてカリスマ性があります」
『NOEASY』は彼らのセカンドアルバム。なかでもvalkneeがお気に入りの曲は「Thunderous」と「DOMINO」。
「とてもうるさく中毒性のあるデジタルHipHopのサウンドで、表題曲の「Thunderous」には伝統国楽の要素も取り入れて唯一性のあるPOPSに仕上がっていました。大袈裟でおもしろいです」