女性がつくる、女性に優しい靴|vol.3 立野千重
おしゃれのために足の痛みを我慢することなく、スタイリッシュな足元を実現したい。 女性の悩みを理解し、解決してくれるのは、同じ思いを共有する女性デザイナー。 それぞれの考え方で生み出される女性に優しい靴とは? vol.3はTACHINOCHIEのデザイナー立野千重さんにフォーカス。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2021年9月号掲載)
TACHINOCHIE(タチノチエ)
立野千重さん
深く、丁寧に、本当に好きな一足を
金沢にアトリエを構え、各地での受注会形式で展開する立野さん。幼少期はシャツに蝶ネクタイで過ごし、現在は着物をたしなむという生来の粋なおしゃれ人。浅草とイギリスでの靴づくり修業、神戸でのアパレルデザイナー経験を経て渡仏。モンマルトルの古い靴屋で出合ったヴィンテージのボタンブーツに魅せられ、住み心地が良い故郷で「脚の美しさを最大限に引き出したい」と2014年にブランドを立ち上げた。コレクションは15型ほどだが、今年から足型に合わせて採寸調整し一貫生産の職人と制作する手製のセミオーダーと、少し手頃な機械製の新プロジェクトをスタート。「長く靴と添い遂げてもらいたいので、一人一人の心の内を聞いてつくったらいいものができるなと」。ライニングにベジタブルタンニンの鹿革を使うなどこだわりの詰まった彼 女の靴は、新しい挑戦など精神を高めたいときに手に取る人が多いという。「ずっと続いていて、今に受け継がれているものが最上級の美しさではないでしょうか」
TACHINOCHIEのシューズをご紹介
削ぎ落とすことで美しさを引き出した靴。立野さんが纏うのは今年スタートしたシルクのラウンジウェア。
01. NAKED
02. AMESBURY
03. BOTTILLON
04. PEBLI
Photos : Kouki Hayashi(Shoes) Edit &Text : Hiroko Koizumi