田中杏子のリアル・モード「advanced kawaii」
今を生き抜く私たちには、抽象的なカワイイだけでは物足りない。色味やシルエットなどが計算し尽くされた2021年プレフォールコレクションとともに、田中杏子が新しい価値観を再提案。デザイナーやコレクション、メゾンの背景にあるコードを読み解いて新時代のカワイイを見つけよう。(『ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)』2021年7・8月号掲載)
genuine mode
advanced kawaii
メゾンが紡ぐ歴史に思いを馳せて
ラッフルが施されたブラウスに、生地をたっぷりと用いたスカート。品格漂うシンプルさと威厳を兼ね備えたシャネルのモノトーンスタイル。今季の舞台となったシュノンソー城をビーズ刺繍で描いたベルトを合わせて、自由で遊び心に溢れたスタイリングの完成。
軽快なフェザーで颯爽と
鮮やかなブルーにフェザーがトッピングされたトップスはボッテガ・ヴェネタのもの。ダニエル・リーらしい精巧に構築された大胆なデザインが、自信に満ち溢れたコンフォートなスタイルを形作り、新しい価値観への背中を押してくれる。
交差するふたつの顔
ロマンティックなレーストップには、スポーティなパンツを合わせて新鮮な佇まいに。クラシカルなイメージと現代的なポップさが交差するルイ・ヴィトンらしいルックは、ありのままの自分を愛する自信を与えてくれる。
プレイフルなカラーマジック
エネルギッシュなムードが漂う、彩り豊かなステラマッカートニーのルック。フェミニンなフラワーパターンをモダンなデザインに落とし込んだトップが、陽気でポジティブなマインドを体現してくれる。
芯のあるフラワーを纏って
情熱的なレッドにフラワーという一見エレガントな要素を、現代的なワードローブへと昇華したヴァレンティノ。ブランドのオートクチュール文化への敬意を感じる立体的なフラワーが、女性らしい表情豊かな佇まいを生み出してくれる。
奥に潜むあどけなさ
童心にかえったような遊び心のあるディオールのルック。タイダイピンクのレーストップに、オリエンタルな雰囲気漂うのミニドレスを合わせた一見トゥーマッチなスタイリングは恐れを知らない子どものよう。イノセントな魅力を引き出すウェアをまとい、ピュアな一面を開花させて。
ニュー・ブリティッシュマインド
万華鏡のような景色が広がる、フラワーパターンが印象的なバーバリーのドレス。ブラックのサイハイブーツを合わせて英国らしい自由なパンク精神をプラスして。大胆な肌見せがモダンでエッジの効いたバランスを生み出してくれる。
内に秘めた冒険心
サイケデリックなフィルターを通して生まれ変わった、新たなロゴ「FFヴァーティゴ」がちりばめられたフェンディ。実用性をプラスしたアウトドアウェアに、卓越したクラフツマンシップと、革新的で先進的なアプローチで個性が輝き出す。
Photos:Toki Fashion Director:Ako Tanaka Hair:Shingo Shibata Makeup:Yuka Hirac Model:Kovichi at Tokyo Rebels Edit & Text:Shiori Kajiyama