銀座メゾンエルメスでマチュウ・コプランによる展覧会開催
銀座メゾンエルメス フォーラムにて開催した、マチュウ・コプランによる展覧会「エキシビジョン・カッティングス」が、緊急事態宣言の発令に伴い臨時休館していたが5月16日(日)より再開した。
【展示再開】新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、銀座メゾンエルメスは5月23日(日)より全館休館していましたが、6月2日(水)より再開となりました。(6月1日追記)
本展は、ロンドンを拠点に活動するキュレーターのマチュウ・コプランによる日本で初めての展覧会として、2021年4月23日に開幕した。彼は、03年から伝統的な展覧会の認識を刷新するような実践を続け、注目を集めている。
例えば、09年のポンピドゥー・センター(フランス)、クンストハレ・ベルン(スイス)での「Voids. A Retrospective(空虚。回顧展)」では、ギャラリーを完全なる空にすることを試み、大きな話題を呼んだ。
本展のタイトルにある「カッティングス」は、植物の「挿し木・接ぎ木」と、新聞などの「切り抜き」や映画などの「編集作業」という二つの意味を持つ。前者をテーマとした一つの空間は音に満たされ、自然光あふれるギャラリーの中心に設置されたクリエイターの西原尚らによる木製の什器の上で、植物が育成されている。
楽曲は、持続音を多用するドローン・ミュージックで知られるミニマル・ミュージックの巨匠、フィル・ニブロックが本展のために書き下ろしたもの。全6曲のうち、『探索、ライン川編〜ダニエルを探して』は、日本のヴォーカル・グループVox humana(ヴォクスマーナ)によって東京で演奏・録音された。
また、フィリップ・デクローザの絵画で始まるもう一つの空間では、ドキュメンタリー映像作品『The Anti- Museum: An Anti- Documentary』を通じて、16年のFri Artクンストハレ・フリブール(スイス)でキュレーションした「A Retrospective of Closed Exhibitions(閉鎖された展覧会の回顧展)」を紹介。
1年以上続く新型コロナウイルスの影響を受けて、多くの文化施設などが閉鎖を余儀なくされるなか、アーティストが芸術行為、あるいは自らの決断において展示を閉鎖した歴史とその意味を問い、アートや展示空間における制度の限界や議論を再構築しようと試みている。
挿し木や編集といったキーワードを用い、ミニマルな美学で展覧会という場の持つ可能性を問いかけるコプラン。異種混合の新しい生命体が、豊かな生態系を育んでいく本展に、どうぞご注目を!
【展示再開】新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、銀座メゾンエルメスは5月23日(日)より全館休館していましたが、6月2日(水)より再開となりました。(6月1日追記)
※開館日時など最新情報は公式サイトをご確認ください。
「エキシビジョン・カッティングス」 マチュウ・コプランによる展覧会
会期/2021年4月23日(金)〜7月18日(日)
※6月2日(水)より再開
会場/銀座メゾンエルメスフォーラム 8F
住所/東京都中央区銀座5-4-1
開館時間/11:00〜19:00
休館日/不定休
※エルメス銀座店の営業に準ずる
料金/入場無料
URL/https://www.hermes.com/jp/ja/story/maison-ginza/forum/210423/
Text : Akiko Kinoshita