田中杏子のリアル・モード「just being me!」
アイデンティティに寄り添うブランドが 多くみられた2021年春夏コレクション。人種、年齢、そして性別をも飛び越えたウェアには、 デザイナーからの自愛のメッセージが込められていた。 あなたのなりたい姿とは......自分自身に問いかけてみて。 田中杏子がセレクトしたルックを纏い、ファッションで自己解放しよう。(『ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)』2021年5月号掲載)
genuine mode
just being me!
ニューノーマルなスーチング
ノンバイナリーで自由なムードが漂う、今季のルイ・ヴィトン。マスキュリンとエレガントが融合した、煌びやかなスパンコールのセットアップで、新たなフェーズを感じて。真っ白なTシャツを合わせて、よりクリーンな印象に。
重なり合うファンタジー
トモ コイズミをゲストデザイナーに迎えた、エミリオ・プッチのドラマティックなカプセルコレクション。幾重にも重なるチュールが作りだす、愛らしいシルエットのボディを纏って注目を集めて。
煌めきが誘う、新たな価値観
既存のルールや常識に縛られず、今季はショートムービーという形でコレクションを発表したグッチ。作中で主人公が着用していた、ギラギラと輝く総スパンコールのルックは、自由の精神を象徴しているかのよう。唯一無二のウェアが、新たな世界へと導いてくれる。
真紅に宿る女性の強さ
意志のある真っ赤なニットトップが存在感を放つシャネルのルックは、どこか懐かしい雰囲気。ブランドの長い歴史を支えてきた女優たちにオマージュを捧げた今季は、カジュアルなアイテムも華やかな装飾をあしらい、ゴージャスなピースへとブラッシュアップさせた。
止まらぬロマンティシズム
淡いカラーブロックがセンシュアルなドレスは、煌びやかな小物使いで、遊び心溢れるロマンティックな印象に。計算された完璧なカラーバランスが、ミュウミュウらしい、とことんキュートな装いを叶えてくれる。
パワー・オブ・ブラック
リアルなワードローブも、マシュー・M・ウィリアムズの手にかかれば、ブレない芯を持った装いに。重厚感のあるオールブラックのルックには、随所にビジューがちりばめられ、アイデンティティを照らし出してくれる。
レースが魅せるエレガンス
卓越したクラフトマンシップが光る、繊細に紡いだレースドレスで、エレガンスと気品を体現したフェンディ。淡いカラーでどこかアンニュイな雰囲気ながらも、バックが大胆に開いたドレスは、新たな一面を浮かび上がらせてくれる一着となっている。
ニュージェネレーション
セリーヌのクラシカルでブルジョワジーな雰囲気とスポーティなエッセンスが融合し、若い世代に向けて新たなアプローチをしたエディ・スリマン。レザーのジャンプスーツも、アクティブなアイテムと合わせてフレッシュな風を感じたい。
ソウルフル・フラワー
ハンカチーフヘムのダイナミックな動きを活かすように、フラワーモチーフが大胆にプリントされたドレスはヴァレンティノより。鮮やかなカラーパレットが個性を主張し、新しい時代へのムードを高めてくれる。
Photos:Bungo Tsuchiya Fashion Director:Ako Tanaka Hair:Yusuke Morioka Makeup:Yuka Hirac Model:Aria Polkey at Tomorrow Tokyo Edit & Text:Shiori Kajiyama