眠れない夜のビューティ処方箋
生活スタイルの変化で、眠れない人が増加中。心の健康と美容、それに人生までも左右するから。コツを知って、量よりパフォーマンスを上げる睡眠を。(『ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)』2021年3月号掲載)
「日本人の睡眠時間は、世界でワースト1位。適切な睡眠時間は7~8時間ともいわれますが、問題なのは“質”です」と話すのは、『スタンフォード式最高の睡眠』著者の西野精治医師。「昼間眠気が強い、ミスが多いなど、日中覚醒度の低さが質の良しあしを見極めるポイント。うまく眠れない原因はいろいろですが、寝室環境や入浴のタイミングなど、中には改善できることもあります」
睡眠障害につながるのが“いびき”。歯科医師・宮地舞先生は、若い女性の睡眠時無呼吸に警鐘を鳴らす。「いびきが原因のひとつである睡眠時無呼吸は、睡眠の質を落とすだけでなく、体内が酸素不足となり美と健康の大敵。実は若い女性にも多いので要注意です。良質な睡眠は、成長ホルモンが分泌される、自律神経が整う、免疫や代謝が上がる……など美とウェルネスに直結します」(宮地先生)。
ニューノーマル生活で気になるのが、日中活動や睡眠時間の変化による影響。「睡眠不足の人は風邪や感染症の罹患率が高く、予防接種の効きがよくないというデータもあり、免疫増強のためにも睡眠は大事。朝に日光を浴びる、体を動かす、夜は食後リラックスしてなるべく頭を使わない、という生活リズムを整えましょう。習慣的な30分未満の昼寝は認知症の予防効果があるが、1時間以上の人は逆にリスクが増えるというデータもあるので、昼寝は30分未満に。ブルーライトもメラトニンの分泌を抑制するのでよくはないですが、ブルーライトそのものよりゲームやネット、仕事のメールなどで脳がリラックスできず、過緊張過覚醒で睡眠モードに切り替えづらくなるのが問題。マルチタスクの女性に多い傾向です」(西野先生)。
健康はもちろん、美容にも深く関わる睡眠。「人生の3分の1は睡眠。質のいい睡眠で、女性としての美しさもウェルネスも高まるのなら、見直さないともったいないですよね」(宮地先生)。美容の時間がない人も、美容をやりつくした感がある人も。美容人生に「睡眠」という新たな切り札を加えてみては?
悩み別で選ぶ。脳にダイレクトに効く“睡眠アロマ”で快眠!
睡眠専門医や精油専門家が開発。寝室に置くだけで“ 効く”睡眠用ブレンド。悩み別で5種類展開。スーパーディープナイト ホリスティック 精油ディフューザー 180ml¥15,000(カラーズ 050-2018-2557)
Deep Sleep:睡眠時間が短いからこそ、深く良質な睡眠をとりたい、という人に。自律神経バランスを調整して深い眠りへ。
Quality Sleep:眠りが浅く、夜中に何度も目が覚めてしまう人に。長く穏やかな眠りへ誘うクラリセージやネロリの香り。
Fall Asleep:ベッドに入ってもなかなか眠れない、寝つきが悪い人に。温かみあるウッディの香りで心身をリラックス。
Restful Sleep:多忙で心身のスイッチのオンオフがしづらく、寝ても疲労感がとれない人に。疲れを癒して快眠へと導く。
Clear Awake:朝すっきり起きられない人に。オレンジ精油などが交感神経のスイッチをオンにして目覚めを快適に!
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Anchor:夜中に何度も目覚める、早朝覚醒してしまう、寝た気がしないという人に。アンカーバーム S 10g ¥8,500
Settle:TO DOリストが頭を巡って寝つけない多忙人に。更年期障害の不眠にも。セトルオイル S 10ml ¥8,000
Soothe:不安やストレス、マイナス感情に押し潰されそうな夜に。心を鎮めて安眠へ。スーズオイル S 10ml ¥8,000
Shine:朝、気分的にもやもやして停滞気味の時に。心をすっきり軽やかに。シャインオイル S 10ml ¥7,600
Rise:朝、体がだるく重い時に。活力を感じる香りでスタートモードに入れる。ライズオイル S 10ml ¥7,600
眠れない夜のビューティ処方箋
Photos: John Chan Illustration: Asami Hattori Edit & Text: Naho Sasaki