ファッションストーリー「秋のフォークテールの世界へ」
クラシカル回帰のチェック柄がトレンドインした2020年秋冬コレクション。舞台はスコットランドのグラスゴー。モデルのペネロペ・ターナスが、ブランド独自のチェック柄や温もりを感じさせるマテリアルのルックに身を包み、牧歌的なおとぎ話を語りかける。(『ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)』2020年10月号掲載)
Fashion story: play with plaid
チェック・ライディング・フード・レディ
襟元のゴールドチェーンをさり気なく効かせた、チェックを可愛らしくもレディに纏える、セリーヌのケープ。フリルのボウタイブラウスに、プリーツスカートを合わせて、とことんクラシカルに。
“優しく”纏えるオールインチェック
ステラ マッカートニーのパジャマライクなセットアップ。大きめサイズのチェックパターンで、エフォートレスな着心地と同時に程よいきちんと感も演出できる。
アクティブさを添えたネオエレガンス
まるで絹織物の着物生地を彷彿とさせるような、上品な花柄のドレスを発表したロエベ。中世のドレスのようなシルエットも特徴的。クラシカルをモダンに昇華させたモードを楽しみたい。ロゴアナグラムをアレンジした「L」がポイントのハイライズローファーを合わせて、マニッシュに。
時代とともに歩むエレガンス
シャネルのツイードセットアップ。アイコニックなロゴをあしらったゴールドボタンが、ジャケットとボトムのスリット部分に施され、スタイルのポイントに。騎手のユニフォームを着想源にしたアームのホワイトラインが特徴的なジャケットと、ホワイトのレーストップが新鮮な組み合わせ。メゾンの伝統と新たな一面の融合を体感して。
着心地もムードもバウンスするドレス
歩くたびにたおやかに揺れる、ムーブメントもユニークなJW アンダーソンのシルバー&ゴールドのバルーンドレス。ボディと服の間に奇妙な空間が生まれるこのドレスは、デザイナーが熱中するクラフトにも通ずるジョイが感じられる。純粋にファッションに夢中になることを思い返して。
変化する時代のトラディショナルチェック
ウェールズ地方にインスパイアされた、アシンメトリーニットドレス。アーガイル柄で英国らしさをコンサバティブに表現しつつ、パターンを巨大にすることでアレキサンダー・マックイーン特有のパンキッシュさを前面に出した。
いま“ラグジュアリー“を愉しむということ
エルメスのトレンチ風レザーコート。ラウンドを帯びたショルダーカフ、ビッグカバーのポケットなどミニマムで洗練されたデザインは上品の極み。トレンドに左右されることなく、エターナルに愛されるコートは、選ばれた者だけが着ることを許され、人としても豊かさを象徴できる。
Photos :Ina Lekiewicz Stylist:Sam Ranger Hair & Makeup:Emil Zed Model:Penelope Ternes Edit & Text:Midori Oiwa