BiSH『LETTERS』メンバーによるセルフライナーノーツ
BiSHが、全7曲入りのメジャー3.5枚目のアルバム『LETTERS』を7月22日にリリースする。予定していたライブツアーやフェスが次々と中止になる中、メンバー自身が「自分たちができることは音楽を届けること」だと考えてアルバムを制作。これまでになく、ストレートな気持ちを詰め込んだという、特別なアルバムをメンバー自身が1曲ずつ解説!
1. 「LETTERS」
作詞/松隈ケンタ x JxSxK
リンリン:「アルバムの表題曲です。これまでは、ちょっとひねくれてたり、心の黒い部分を表現した曲も多いんですけど、今の世界の現状に対して、感じることを音楽にしました。だから、歌詞もストレートです。これまで以上に、素直なBiSHの気持ちを歌った曲になっています」
2. 「TOMORROW」
作詞/松隈ケンタ x JxSxK
アイナ・ジ・エンド:「NHKのTVアニメ『キングダム』の4月オープニングテーマに起用していただいた曲です。メンバー6人で、マンガもアニメも見て、すごくハマりました。振り付けには剣を抜く振りを入れたり、ぜひライブで観てほしい曲のひとつです。ミュージックビデオでは、楽器を持たないパンクバンドなのに、楽器を持っているという身も蓋もないものに仕上がっています。チッチは実際に演奏しています。それ以外はグレーゾーンです(笑)」
3. 「スーパーヒーローミュージック」
作詞/アユニ・D
アユニ・D:「この曲と、チッチが作詞した『I’m waiting for my dawn』は、こういう状況になってから、歌詞を入れて完成した曲です。今、言いたいことを全部詰め込みました。新型コロナウィルスによって、音楽やエンターテインメント、カルチャーが、真っ先に停止せざるを得ない状況になってしまいました。それが私は悔しくて。無くても死ぬわけじゃないけど、辛い時に音楽に救われてきたので、強く生きていくために必要なものだと思っています。もっと音楽に寄り添いたい。そんな気持ちも全て書き留めました」
4. 「ロケンロー」
作詞/松隈ケンタ x JxSxK ホーンアレンジ&演奏/東京スカパラダイスオーケストラ ホーンセクション
ハシヤスメ・アツコ:「初めてゲストアーティストを迎えた1曲です。東京スカパラダイスオーケストラのホーン隊の皆さんがが参加してくださっているのですが、BiSHを新しい場所に連れて行ってくれる曲です。いつもより、歌い方も弾けたり砕けたりして、このメンバーはこんな歌い方をするんだと新しい発見もありました。7曲の中でも、ひとつだけ違う色を感じる曲です。BiSHの新しい可能性を感じてください」
5. 「ぶち抜け」
作詞/モモコグミカンパニー
モモコグミカンパニー:「ドラマ『浦安鉄筋家族』のエンディングテーマとして書きました。登場人物のわちゃわちゃ感は、BiSHにも共通すると感じて、BiSHの“わちゃわちゃ”を表現しました。ドラマの登場人物もBiSHも、壁が出現しても、ぶち抜いてしまいそうなので、この言葉を選んだのですが、メンバーの歌い方もストレートなので、勇気と安心感を感じられる曲になりました」
6. 「co」
作詞/JxSxK
モモコグミカンパニー:「リアル脱出ゲーム『夜のゾンビ遊園地からの脱出』との、コラボレーションで生まれた曲です。サビを全員で歌い繋いでいるのですが、こんな歌い方はBiSHにこれまでありませんでした。“僕らが掴み取っていく”という歌詞が登場するんですが、日頃忘れがちな、みんなで一緒に頑張るという連帯感を思い出させてくれます。キラキラした曲です」
7. 「I’m waiting for my dawn」
作詞/セントチヒロ・チッチ
セントチヒロ・チッチ:「アユニが作詞した『スーパーヒーローミュージック』と同じ時期に作詞しました。素直な気持ちをカッコつけずに、ストレートに歌詞にできたら気持ちが伝わるかなと思いながら書きました。メンバーと歩んできた思い出や、いろんな人の顔が思い浮かんできたし、BiSHと清掃員(※)のことを歌った曲でもあります。歌詞の一部に、「サラバかな」という曲から、言葉を抜きとっていて、ここは結成メンバー3人で歌ってほしいとお願いしたり、誰がどこを歌わせて欲しいというところにまでこだわりました。前向きに光のほうに向かっていきたいという願いを込めた曲です」
(※)BiSHのファンのこと。
すべて作曲/松隈ケンタ アレンジ/SCRAMBLES 振付/アイナ・ジ・エンド
BiSH『LETTERS』
7月22日(水)リリース
初回生産限定盤(GOLDEN METAL BOX仕様、写真集付)¥10,000
DVD盤(CD+DVD) ¥5,800
CD盤 ¥2,000
www.bish.tokyo/discography
Photos :MELON(TRON) Interview & Text:Miho Matsuda Edit:Mariko Kimbara