地球にも私にも優しい。サステナブルなコスメの最新ニュース15
真の美しさは、地球環境が自然体のまま美しく保たれなければ体現できないこと。「自分だけキレイならいい」という意識ではなく、 これからの未来のために、自然にも社会にも優しい理想的な持続可能なサイクルのなかでこそ、女性は本当の美しさを手に入れられる時代に。 コスメにまつわるサステナブルな最新ニュースを一挙ご紹介。(『ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)』2020年3月号掲載)
“地球にも自分にも誠実に”を掲げた新ブランド!
アスレティアはアクティブなライフスタイルとスキンケアを提案するニューカマー。スキンケア共通成分のアシタバ、シソは農薬や化学肥料を使わず育て、エキス抽出後の残渣は堆肥にする独自の循環型農園を構築。ガラスボトルは90%以上がリサイクル、プラスチック容器にはサトウキビ由来の原料も使用し、CO₂の削減にも取り組んでいる。
YSLがモロッコ発エコ美容液をリリース
マラケシュ郊外の休閑地を豊かな庭園に変貌させ、ローカルの女性たちの自立のために必要なトレーニングをサポートする支援プログラムをスタートさせたYSLが美容液を発表。モロッコで育つ抵抗力の高い植物の力で“過労肌”を立て直すと共に、レフィルも用意してパッケージもエココンシャスな仕様に。
アワード受賞のアムリターラ、次の一手は…
売り上げの一部を沖縄のサンゴ保護のために寄付し、宮古島の村おこしにも貢献してきたハイビスカス チークで第1回サスティナブルコスメアワード(※)を受賞したアムリターラ。新セラムは、札幌の自然循環型農業に取り組むファームで育てられたハマナス(日本原種のバラ)が主役。ハマナスの生体水を蒸留し使用することで、肌への浸透を高めることに成功。環境にも肌にも“持続的”なエフェクトが。
※2019年に始動。SDGs(持続可能な開発目標)の理念を製造のキーにしたコスメに贈られる。
社会問題にも向き合うヴィーガンコスメのタルトがNYから上陸
創業者のモーリン・ケリーは、1999年のスタート時から環境に配慮した製品作りや社会への還元を持続してきた先駆者。動物の保護や女性の権利向上、いじめ撲滅のための支援も行う。初上陸した約200品の中でも注目したいのはヴィーガン仕様のコンシーラーと、少女たちの自尊心を育むサミットをPRイベントとして実施し、USで話題をさらったマスカラ!
全国の天然原料を有効活用した美セラム誕生
国産の柑橘の花をジャパニーズネロリと定義し、全製品に芳香成分として利用。その生産には過疎化で放棄された畑を活用し、製造の一部を障害者雇用施設に依頼するなど、地域の再生も支えているネロリラ ボタニカ。新製品には淡路島産のカレンデュラや沖縄県池間島産のタマヌのオイルも。
スーパーミニマム! 多機能ゲルクリームの新潮流とは?
オーダーメイド制によって過剰生産をセーブしているのがこの多機能ゲルクリーム。製品はサイト上の肌分析に基づいて作られるうえ、美容成分や香りは好みで選択できるから、理想の品にロスなく出合えるチャンスに。しかもレフィル容器代の一部は公益財団法人日本自然保護協会に寄付される仕組み!
資生堂はサンケアを通して海と肌を守る試みを拡大
資生堂は気候変動などの影響で紫外線曝露が増えることが予想される未来に向け、肌を守るための活動を実施。紫外線に当たることができない難病、色素性乾皮症の子どもたちにアネッサなどの日焼け止めを寄付している。さらにブランドShiseidoでは昨年から、サンケアを通じて海を守る活動もグローバルで展開。
血行促進のベストセラーが希少植物も救う!?
人と自然の調和がテーマのヴェレダ。乱獲が進み希少植物となっているアルニカを主役にしたオイルの場合、WWFとの協業により、野生に近い状態で植物を育てるプロジェクトからスタート。ルーマニアで栽培に成功した後も、収穫時期や量に厳格なルールを設け、地域の環境を最重視しながら製品作りに取り組んでいる。
全方位から“サステナブル”なオイルを発見!
エコサートのフェアトレード基準をクリアした有機アルガン油を使用することで、モロッコの女性の雇用を創出。アルガンの森で養蜂にも着手するなど、地域の自然と経済の支援を両立しているのがこちら。さらに容器はリサイクルによるプラスチック、パッケージには環境に配慮したプリントを施し“優しさ”を極めたオイルに。
サステナビリティのパイオニアからスーパーフード入りヘアケア登場
アヴェダは化粧品会社として初めて、風力発電だけによる製品製造や100%リサイクル材によるボトルを実現してきたサステナビリティの開拓者。有機ザクロやココナッツなどのオイルをふんだんに使い、ヘアにうるおいを届ける新ラインもシャンプーボトルはフルリサイクル品。
おしゃれとエコの両立を楽しむ新アイデア
ボタニカル成分を使ったマニキュアでおなじみのキュアバザーから、ネイルカラーとのリンクも楽しめる全29色の口紅がお目見え。レフィル式なうえ、リップボトルを長く使えるようにとデニム地のカバーもついたエコかつファッションコンシャスな仕上がり。フォーミュラは最大100%が植物由来。
自然界のエネルギーをイメージしたヘアパフューム
ツイギーは、ヘアサロン内で使う電力を自然エネルギー(風力・水力・太陽光)に全面シフト。それとリンクさせるように、太陽・風・水をテーマにした、自然のパワーを感じさせる3部作のヘアパフュームをリリース。写真は、ジャスミン、ローズ、サンダルウッドなどの精油の力で心もカームダウンさせる、水をイメージしたシリーズ最新作!
パワフルな植物の生命力で加齢肌を元気に
バイオダイナミック無農薬有機農法や雨水の再利用による節水、野生動物との共存……1985年の創業時から持続可能なものづくりに取り組んできたジュリーク。新作は自然由来成分からなるマイクロリポソーム内に植物エキスを内包させることで浸透を高め、エイジング肌を救ってくれる。
クラランスが100%ナチュラルコスメを発表
老舗ブランドが満を持してリリースするのは、自然由来成分のみを使った二層式エマルジョン。マカデミアナッツなどのオイルからなる層とエマルジョン層が肌の上で溶け合ってごくなめらかな肌心地! 自然保護や妊産婦・子どもの保護など、社会貢献活動にも注力してきたグローバル企業のひとつの集大成のようなクリーンコスメ。
持続可能性はクールに体現する時代へ
昨年リニューアルした本体には、リサイクルプラスチックとメタルを世界唯一の技術でブレンドした新素材を採用。さらにエッジを感じさせる外装には、卵パックなどにも使われる再生紙を活用したペーパーモウルドが。クリエイティブの力をプラスし、ユーザーにもうれしい本質的なサステナビリティの新しい形がここに。
Photos : Maya Kajita Illustration:Nozomi Yuasa Text : Chihiro Horie Edit : Hisako Yamazaki