横尾忠則が描き出す日本の文化史 | Numero TOKYO
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横尾忠則が描き出す日本の文化史

©Tadanori Yokoo  Photo: Tomoki Imai
©Tadanori Yokoo Photo: Tomoki Imai

横尾忠則による、戦中戦後の文化体験が息づく作品群が、東京・谷中のSCAI THE BATHHOUSEにて展示される。5月31日(金)から7月6日(土)まで。

今年83歳を迎える、日本を代表する画家・横尾忠則。彼の作品は、日本人の集合的、文化的意識に強烈に働きかけ、見る者にある種の憧憬やノスタルジーを抱かせる。

1936年に生まれ、幼少期に戦争を経験した横尾の作品には進駐軍や空襲の飛行機の断片が垣間見える。戦中戦後が今もって彼の作品の一部として、そこでひっそりと息をひそめている。

今回の展覧会は彼の作品の中でも戦中戦後の要素にフォーカスするもの。マッカーサーや、ウォーホールといった人物画、彼の最も郷愁的な作品群「Y字路」のイメージが組み合わせられ、戦後の文化体験へと私たちを手招きする。

新たな元号の始まりとともに、戦争や昭和の記憶はますます遠く離れたものとなっていく。しかし横尾の作品の中では、その歴史は彼自身の制作歴とリンクしつつ、無意識のうちに自然に絵の中へ入り込み、繰り返し描き出されることによって生々しい息吹を放っている。

横尾忠則が描く戦中戦後の文化体験ーー現在に息づくその新たな地平に、あなたは何を感じるだろうか。

「B29と原郷-幼年期からウォーホールまで」

会期/2019年5月31日(金)~7月6日(土)
会場/SCAI THE BATHHOUSE
住所/東京都台東区谷中 6-1-23 柏湯跡
入場料/無料
休館日/日・月・祝
時間/12:00〜18:00
TEL/03-3821-1144
URL/www.scaithebathhouse.com/ja/exhibitions/2019/05/b29_and_homelandfrom_my_childhood_to_andy_warhol/

Text : Ryoji Sugawara

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