清原あいかのヲタク目線レポート「ティファニー ブルーブック 2018 NY」①ブルーブックお披露目会編 | Numero TOKYO
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Fashion Editor's Post

清原あいかのヲタク目線レポート「ティファニー ブルーブック 2018 NY」①ブルーブックお披露目会編

ティファニーが年に一度、世界中のセレブリティに向けて発表している最高峰のハイジュエリーコレクション「ティファニー ブルーブック」。今年もファッション・エディター清原あいかがNYで行われたお披露目会へ行って参りました。3年連続、もはやティファニーのことなら準社員並み!?笑 ヲタク目線でレポートさせていただきます!

Edit&Text:Aika Kiyohara

リード・クラッコフが初めて手がけた「ブルーブック」はいかに?

「ティファニー ブルーブック」コレクションとは??
はじまりは1845年。ファンシーグッズのカタログとして初刊が発行されて以来、常に人々の想像をはるかに超えるコレクションを世に送り出してきた「ティファニー ブルーブック」。ティファニーの職人たちによる卓越したクラフトマンシップによって生み出される、創造的でありかつ実験的、革新的なブルーブックは、ブランド創業以来180年以上にわたり、ティファニーが継承している芸術性を象徴するコレクションだ。

光栄なことに3年連続、NYで行われるお披露目会に参加させていただきましたが、今回の注目ポイントは何といっても、チーフ・アーティスティック・オフィサーに就任したリード・クラッコフ氏が初めてブルーブックを手がけるということ! 計算し尽くされたシンプルなデザインを貫くリード氏は、ひとつ数千万、数億円のハイジュエリーをどのようにディレクションするのか!? 個人的にとっても楽しみにしていました。

2018年テーマは「The Four Seasons」
注目の2018年のテーマは「The Four Seasons of Tiffany」。日本人には馴染みのある四季! 春・夏・秋・冬、そしてカラーセオリーによる5つのテーマによって構成され、”動植物や自然界の構造的な複雑さから”着想を得て作られたというコレクション。

はじまりは冬。(JAPANESE的に春からはじめたいところですが、冬がスタートとのことでした)

こちらがおそらく今回のコレクションで、最も顧客さまの熱い視線を集めるであろうネックレス(少なくとも私にはそう見えました!)。極寒の輝きを表現したネックレスは、総計91カラット!を超える237石ものダイヤモンドをひとつひとつ不規則にカッティング。それらは、繊細なプラチナの海を漂流する氷山のように表現されています。すべてを凍りつかせるようなクリーンな輝きが、会場で圧倒的な存在感を放っていました! そして、お値段もはい!1億円超えでございます。。。!!

霜柱のような幻想的な美しさのネックレスとブレスレットも、とっても素晴らしかったです! ネックレスには、総計63カラットを超えるバゲットカットとラウンドブリリアントカットのホワイトダイヤモンド、ブルーグレーとグレーダイヤモンドを使用。大自然が生みだした複雑な氷の結晶が見事に表現されています!

春は、自然界における偶然性や非対称性の美が表現されています。そして、プレゼンテーションもとっても素敵! 小誌でもお馴染み、フラワーアーティスト東信氏による、生花を閉じ込めた氷の彫刻が。生きているようなエキゾチックな生花と相反するダークで静寂な氷。氷が少しずつ溶けていくその様子は、リード氏が表現する世界そのもので、言わずもがなコレクションの世界観を感じられるものでした。

春の目玉は、このブルーの紫陽花ネックレス。プラチナをベースに、総計75カラットを超えるミックスカットサファイアとカスタムカットダイヤモンドを用いて、繊細な花びらが表現されています。

My favorite oneは、このダイヤモンドとグリーントルマリンの紫陽花のブレスレット! 葉っぱの部分には、オーバルカットとラウンドカットのライトグリーントルマリンを計96カラット以上使用。お花部分には、ラウンドブリリアントカットのダイヤモンドを2100石以上(計26カラット以上)セッティング!(・・・と、数字がすごすぎる)そんなゴージャスなブレスレットは、どこから見ても完全無敵な眩い輝きを放ち、お値段も4000万円ほど!というくらくらする逸品でした。

夏のテーマで印象的だったのは、ひらひらと舞う蝶やモス。このブローチの中央に燦然と輝くのは、合計27カラットを超えるエメラルドカットのタンザナイト! 蝶は合計8カラットを超えるラウンドサファイヤ、合計1カラットを超えるマーキスタンザナイトで彩られています。


素敵ーー!と思ったのが、こちら。1940年代のタンクチェーンにインスパイアされた18Kゴールドのブレスレットとピアス。ダイヤモンドでデザインされたモスの柔らかくぷくっとした愛らしさが、クラシックなチェーンをモダンにアップデート! 意外性のある組み合わせが、とてもリード氏っぽく、とってもおしゃれでした。 <上>合計8カラットを超えるマーキスカットダイヤモンドやラウンドブリリアントカットダイヤモンドが煌めくブレスレット <下>同じく8カラットを超えるミックスカットダイヤモンドを使用したピアス
※リードさま、ティファニーさま! こちらのデザインが素敵すぎるので、ダイヤモンドをグッと減らして、新しいコレクションを作っていただけないでしょうか・・・。

秋のテーマでは、蔦モチーフのジュエリーがとってもエレガントでした。総計32カラットを超えるミックスカットダイヤモンドが輝くネックレスは、ダイヤモンドの葉をちりばめた蔦が、上下に重なり合いながら優雅に絡み合い、自然に流れていく様子が再現されています。

また、写真上のコームが付いたヘアアクセサリーもとっても素敵でした。珍しいヘアアクセサリーは、なんだかすぐに売れてしまいそうな予感!(お値段1千万円超えですが)  写真下は、合計30カラットを超えるミックスカットダイヤモンド、計5カラットを超えるラウンドサファイヤ、マーキスカットのタンザナイトを使用した、自由に伸びていく蔦の弦を表現したブレスレット。

リード・クラッコフ節100%のコレクション!!

…というわけで、圧倒的なクラフツマンシップで、類まれなるジュエリーを創造してきたティファニーの職人たちと、リード氏の感性が結集した今年のブルーブック。動植物など自然界のモチーフを長年に渡って表現してきたティファニーですが、リード氏の手にかかると、やっぱりリード・クラッコフ100%!! 最高峰の輝きに終始くらくらしつつも、都会的でモダンでなんだかちょっぴりデイリー。日常使いももしかしてできちゃう?と、少しだけ身近な存在に感じられます。(お値段的には身近ではございませんがね…)これまで芸術的で生き物のようで、あまりにも遠い遠い存在であったブルーブックでしたが、リード氏のそれは毎日着けてみたい!という欲望が。そう、これまでと全く違う新しいコレクションに感じました! さて、これらのブルーブックたちは、プレスお披露目会の翌日から顧客さまたちへ販売が開始されています。顧客のみなさまにはどう響いたのでしょうか。どの顧客さまにどの子が嫁がれたのか!? 私は興味津々です。

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