The XXインタビュー「ハッピーな愛を歌う新章の幕開け」
今週末2月9日に大阪、11日に東京にて来日公演を控える、3ピースバンド「ザ・エックス・エックス(The XX)」。2016年の来日時に、紅一点のロミー・マドリー・クロフト(Vo./G)がアルバム『I See You』への思いや3人の絆について語ってくれた。(「ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)」2017年3月号掲載)
──アルバム『I See You』にはコンセプトのようなものはありますか?
「アルバム自体にコンセプトはないの。でもタイトルとジャケットは別ね。はじめにアートワークから決めたんだけど、レコードやCDのスリーブは鏡をイメージしている。一見冷たいものに感じるけど、光を反射させると虹色に見えたりするじゃない?ハッピーな愛についても歌っているから、温かさを表現したかった。それにバンドの今を反映した作品だということも示したかったわ」
──このタイトルに込めたメッセージは?
「タイトルには大きな意味があるの。 “I See You”という言葉が人の気持ちをシンプルに表していると気づいて。誰しも見られたいと思っているし、見られることによって理解してもらえるという感覚があると思う。そして、もう一つ、ライブでミュージシャンは自分のことなんて見えてないんじゃないかって思ってたけど、そんなことなくて。実際に自分がステージに上がったら、ちゃんと見えてる。それをみんなに伝えたかったの。また、鏡は自分を映し出すものだから、私たちの姿が映し出されている作品ということでもある。後から気づいたのが、私たちは親友同士の集まりで。友達って自分を映す鏡だと思うのよね。自分をほかの人たちが映し出してくれてるっていう意味もあるわ」
──パフォーマンスをする上で、ステージ衣装は?
「オールブラックは衣装だけと思われがちだけど、普段からこうなの。合わせているわけじゃないんだけど、選ぶのが楽だし心地がいいから3人とも黒を着ることが多いのよね」
──最近気になるファッションスタイルはある?
「『On Hold』のMVではスタイリストを起用したんだけど、ロケ地がテキサスのマーファだったからカウボーイっぽい洋服をたくさん持ってきてくれて。それ以来、不思議と“ゴシックカウガール”が気分。コスプレ感覚というより、スタイルとして好きなの」
──マーファでレコーディングしたのはなぜ?
「ロンドンでしか行ったことがなくて、新しいことに挑戦したかったの。アイスランドとロサンゼルスも訪れたんだけど、外国でやってみたらメンバーと一緒に過ごす時間が長い分、より絆を深めることができたわね」
──訪れた地の光景なども作品に影響している?
「見たものが刺激になっているのは確か。自然や光などから連想される温かさが反映されている」
──バンド内で意見が合わないことはない?
「衝突することもたまにあるけど、お互いを信用して正直に話すようにしている。兄妹みたいな友情といえるわね」
柔らかな光に包まれるかのような温もりある一枚
4年の歳月を経て、多くの苦悩を乗り越え生まれた3rdアルバム『I See You』。前作までのトレードマークだった静謐な世界観から大きな変化を遂げ、ハートブレイクだけでなく幸せな愛についても歌っている。新たな序章の幕開け。
The XX『I See You』
価格/¥2,590(Beat Records)
バンドのフェイバリットを収めたリミックス盤
待ち望まれる来日公演を前に、バンド自らが選曲・ディレクションを務め、初CD化音源のみを収録した記念アルバムがリリース。Jamie xxによるものはもちろん、フォー・テットやジョン・タラボットなど親交の深いプロデューサーたちのリミックスバージョンを収録。
The XX『Remixes』
価格/¥1,800(Beat Records)
The XX 来日公演
<大阪>
日時/2018年2月9日(金) 開場18:00 開演19:00
会場/ZEPP OSAKA BAYSIDE
前売/¥9,000(1Fスタンディング/2F指定席、D別)
TEL/06-6535-5569 (SMASH WEST)
<東京>
日時/2018年2月11日(日) 開場17:00 開演18:00
会場/幕張メッセ イベントホール
前売/¥9,000(アリーナスタンディング/スタンド指定席)
TEL/03-3444-6751(SMASH) 03-5720-9999 (HOT STUFF)
URL/smash-jpn.com