可愛いだけじゃない、ビターなマギーの素顔
今やファッションシーンに欠かせないモデル・タレントのマギーが、Numero.jpに、まだ私たちが知らなかった意外な素顔を見せてくれた。「可愛い」だけじゃない、ビターさも併せ持つマギーの多彩な魅力とは?
モデル、タレントとしての活躍はもちろん、新たに女優としてのキャリアをスタートし、プロデュース業も手がけるなど、マルチなタレントを発揮しているマギーだが、パブリックイメージの彼女と本当の彼女との間には少しギャップがあるようだ。では、本当のマギーとはいったいどんな女性なのか? 今の自分に感じていること、リアルに表現したいこと、発信したいことを熱く語ってくれた。
演技に初挑戦して得た経験
──「精霊の守り人 最終章」(NHK総合)で女優デビューを果たしましたが、初めての演技の挑戦はいかがでしたか?
演じることは本当に楽しかったです。モデルやバラエティの仕事では、ベースとしてきれいな自分でいなくてはいけないんですよね。それがモデルという肩書きを持つ自分の仕事だと思っているので、立ち方とか映り方(写り方)を常に意識しています。私が演じたヨーナという女の子は正義感が強く、健気な恋心を抱いていたんですが、身を引くという役でした。 演じている時は、きれいでいる必要がないというか、求められているのはそこではないんですよね。その役に変身するというのは自分の殻を破っていく感覚がありました。
「精霊の守り人 最終章」(NHK総合)でヨーナ役を演じるマギー
──難しさはなかったですか。
これという正解がないので、もちろん難しかったですね。それに、思っているものと自分が実際表現しているものにギャップがあったり。「あれ?頭ではこう思っているのに……」というようなことが何度もありました。例えばすごく早口になってしまったり。でもそのギャップを埋めるのはとにかく何度も練習していくしかなくて、そうやって馴染ませていきました。
──今後は女優業にも力を入れていくのでしょうか?
そうですね。映画にも挑戦していきたいです。サスペンスとかサイコパスとか、日常のなかで人間のどろどろした闇を描くような作品が好きなので、チャンスがあったらやってみたいです。
──女優マギーとしての比重を上げていくと、モデル業などとのバランスはどうなっていくのでしょうか。
モデルの仕事は私のベースだと思っています。モデルはずっと続けていきたいので、そことのバランスはしっかりと考えていきます。
──やはりモデルとしての仕事がベースになるのですね。『ViVi』卒業後、幅広い媒体に出ています。それぞれ異なる女性像を表現する秘訣とは?
様々な女性になりきれるのは楽しいです。色々な媒体に出ることで、幅広い層の女性に見てもらえるのも嬉しいですね。例えば『25ans』なら上品に、『Sweet』なら可愛いイメージ、『Numéro TOKYO』なら、大人っぽく、強くて、セクシーにといった感じで、カメラの前に立った瞬間に思い描く女性像になりきることができます。ヘアメイクやファッションが助けてくれることもあるし、現場に入るだけで、それぞれの媒体のムードがあるのでそれを感じながらイメージを高めていくこともあります。
本当に好きなものを追求して
──多方面で活躍を続けるマギーさんが、次に目指したいものとは?
もっと色んな自分を表現できたらいいなと思っているんです。今の時代って発信するメディアが色々ありますよね。だから表現方法も幅が広がっていると思うんです。世間の私に対するイメージってモデルやテレビでの「可愛らしい」というものが多いと思うんですが、もっとロックな部分だったり、かっこいい部分、本当に自分が好きなものなどを発信していきたいんです。ジャンルにとらわれず、ファッションや、音楽、食、美容といった本当に興味のあること、自分が考えていることをアウトプットしていきたいです。
──例えばマギーさんのなかにあるロックな部分とはどんなもの?
音楽が好き。基本的にロックが好きで、カサビアンは昔からずっと好きだし、イエモン(ザ・イエロー・モンキー)も相変わらず好きです。去年は何回ライブ行ったかわからないくらい(笑)。ヒップホップやカントリー、四つ打ちも聴くけれどベースにはロックがあります。フェスもすごく好きだから、自分好みのフェスを作ってみたい思いはあります。バンドとコラボレートして商品を作ったりもいいですね。ラジオなら色んなアーティストと対談したり、自分で選曲した曲を流したりもできるから、そういう活動も広げていきたいなって思います。
──スポーツブランドやコスメブランドとの商品プロデュースなども手がけていますが、プロデュース業は表に出る仕事とはまた違いますよね。どのように切り替えているのでしょうか。
小さい頃からものづくりや絵を描くのが好きだったんです。お父さんが職人気質なんですけど、その影響もあるのかと思います。集中してやることが好きだから、プロデュース業というのも私のなかにある大切な側面なんです。「le coq sportif」では商品のプロデュースも手がけていますが、カタログのヴィジュアルもディレクションさせてもらいました。その経験が本当に楽しくて。今回はモデルとしても出ていますが、名前や顔を出さずにでも、ものづくりをもっともっとやっていきたいです。
──今後プロデュースしたいものとは?
例えばカフェなどの空間プロデュースをしてみたいです。食べるのが好きだし、健康のために食を追求するのも好きなので、フードのプロデュースにも関わってみたいですね。本当にやりたいことはたくさんあります。今一番憧れているのは、藤原ヒロシさんなんです。肩書きがないというところがかっこいいなと思います。楽しいことをとことんやりながら、それを仕事にどうつなげていくのか、機会があったらぜひ聞いてみたいです。
──カルチャーにも精通しているマギーさんの素顔を知らない人も多いと思います。そういう面を見せていきたいということ?
見せたいというより、こういう面もあるよということを知ってほしいし、これいいよね、という気持ちをシェアできたらいいなって思います。私が好きなカルチャーに、ファンの皆さんが共感してくれたらすごく嬉しいですね。
──雑誌やテレビで見る「可憐」で「可愛い」イメージとはまた違う、芯の強い「かっこいい」女性像をマギーさんに感じました。今後の活動として、2018年企画していることはありますか?
私個人としてやりたいことは決まっているんですが、きちんと実行してから言いたいので今は秘密です(笑)。仕事としてはモデルの仕事ベースにしながらも常に新しいことにチャレンジしていく姿勢で臨みたいと思いますね。
Photos:Gen Saito Text:Etsuko Soeda Edit:Masumi Sasaki