異星人⁉︎エル・ファニングとパンク少年の恋
ジョン・キャメロン・ミッチェル最新作
『ヘドウィッグ・アンド・アングリーインチ』のジョン・キャメロン・ミッチェル監督が、若手人気ナンバー1のスター女優エル・ファニングをヒロインに迎えた最新作『パーティで女の子に話しかけるには』が、12月1日よりロードショー。
ジョン・キャメロン・ミッチェルが原作・監督・脚本・主演を務めた名作ミュージカル『ヘドウィッグ・アンド・アングリーインチ』にも通じるパンクな精神を受け継ぐ映画『パーティで女の子に話しかけるには』。エル・ファニングが演じるのは、遠い惑星からやって来た美少女ザン。内気なパンク少年エンには、史上最年少でトニー賞を受賞したアレックス・シャープ。そして、何と言っても地元のパンククラブを仕切る、迫力満点の女ボス、オスカー女優のニコール・キッドマンの存在は忘れてはならない。キャスト陣やそのキャラクター設定もなかなかユニーク。
舞台は、1977年のロンドン郊外。セックス・ピストルズ、ラモーンズ、ヴィヴィアン・ウエストウッド…パンクムーブメントが最高にクールな時代。と、最初は、70年代のイギリスの音楽とファッションが融合したパンクというカルチャーの中で物語が描かれるのかと思いきや、そこはジョン・キャメロン・ミッチェル⁉︎斬新で超独創的な世界へと連れて行ってくれる。
ストーリーはというと、
パンクなのに内気という冴えない少年エンが、友人たち(これまたイケてないパンクス…)と、偶然もぐりこんだ見たことのない不思議なパーティで、反抗的な瞳が美しい少女ザンと出会う。大好きなセックス・ピストルズやパンク・ファッションの話に共感してくれるザンと、たちまち恋におちるエン。だが、ふたりに許された自由時間は48時間。彼女は遠い惑星へと帰らなければならないのだ。大人たちが決めたルールに反発したふたりは、危険で大胆な逃避行に出るのだが──。
不思議の国の住人の中では、ちょっとしたパンク気質のあるザンが、パンクを力説するエンに、「パンクって何?」「もっと私にパンクしてみて。どうやったらパンクに近づけるの?」とパンクとを見つけようとする、彼女と彼の繋がりを、監督はこの映画の中のおもしろみと語っている。
そして物語を魅力的に演出する、衣装や美術。衣装デザイナーであるサンディ・パウエルは、 アート系前衛映画監督デレク・ジャーマン作品の衣装を手がけ、自身もロンドン・パンクにどっぷりだった人物なだけに、劇中ではリアルなパンクスタイルを作り上げた。一方で、その対局にある遠い星の人々は、テカテカなラテックスの衣装で、フェテュッシュでフューチャリスティック、いい意味で異様な異端さが表現されている。
偶然出会った少年と少女が恋に落ちるという、甘く切ないボーイ・ミーツ・ガール映画だけども、なかなか強烈で斬新なファンタジーが待っている!
ジョン・キャメロン・ミッチェル監督のインタビューはこちら
『パーティで女の子に話しかけるには』
監督・脚本/ジョン・キャメロン・ミッチェル
原作/ニール・ゲイマン「パーティで女の子に話しかけるには」
出演/エル・ファニング、アレックス・シャープ、ニコール・キッドマン ほか
URL/gaga.ne.jp/girlsatparties
2017年12月1日(金) 新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか 全国順次公開
© COLONY FILMS LIMITED 2016