「Comme Des Garçons」川久保玲が見せた柔らかな狂気
編集長・田中杏子の 2018春夏パリコレ日記。
「コム デ ギャルソン(Comme Des Garçons)」2018SSコレクションに感動の涙がこぼれました。川久保玲さんのクリエイションに感じた狂気────幼少期の頃から好きだったもの、遊んだもの、愛着あるもの。執着してきたたくさんのモノや原体験が一挙に噴き出て、今シーズンのコレクションになっちゃった。と、勝手な妄想ですが、鳥肌が立ちました。
川久保さんは、偉大なデザイナーであり、表現者でありクリエイターであり、ビジネスウーマンであるとともに、女性であり、人である。その、コアのコア、とても柔らかなコアに触れたような感覚でした。
テーマに掲げたのは、「マルチ・ディメンショナル・グラフィティ(Multi Dimensional Graffiti)」。これまでのコレクションが、フォルムの追求だとして、それをハードとするなら、今シーズンは、フォルムはこれまでのアーカイブを引用し、素材やプリント、つまりソフトなもので新しさを表現したのだそう。
日本でも展覧会を開催していた、16世紀に活躍した奇想の宮廷画家と呼ばれたアルチンボルド(Arcimbold)の元祖シュールレアリスティックな絵画プリント。
水墨画界の奇才といえば若冲ですが、それ以前、戦国時代の奇想画家、雪村(周継)の水墨画をプリントしたのだとか。
西洋のアルチンボルドの絵画から、高橋真琴の描くロマンティックな少女漫画、お馴染みハローキティのフィギュアまでいろいろなアーティストの作品やグラフィック、様々な素材を組み合わせ、まさに多次元のグラフィティを作りあげていました。
Comme Des Garçons
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