大人が聴きたい
おしゃれな次世代ラッパーたち
日本語ラップ初心者のみなさんへ。ヌメロ読者のために、クールなイマドキアーティストを人気ブロガーの山下智也さんが厳選。
TV・ラジオで耳にしたことも?
ラップブームを牽引するキーマンたち
CMからバラエティ音楽まで手がける多彩なセンス
PUNPEE
パンピー
人気ラッパー5lack(スラック)の兄であり、レッドブルのCMやバラエティ番組『水曜日のダウンタウン』の音楽も手がけるなど、今の日本語ラップ界においてヒップホップの良さを広く伝えるキーマン的存在だ。加山雄三の名曲「お嫁においで」をリミックスした楽曲でも話題になった。一般的にイメージするラッパーとかけ離れたナードなヴィジュアルも人気の秘訣。
冠ラジオ番組を持ち、大型新人として突如デビュー
RYKEY
リッキー
父が日本人、母がケニア人のハーフであり、八王子のギャングに入っていたという特異なバックグラウンドを持つ。無名の頃から、インターFMで『RYKEYとゆかいな言葉たち』という自身のラジオ番組を持ち(現在は終了)、マンハッタンレコードからデビューを果たした逸材。聴く人の感情を揺さぶるであろう、自身の経験に基づく生々しい歌詞に注目だ。
人気ラップ番組テーマ曲を歌うのは、意外なあの人
SKY-HI
スカイハイ
人気番組『フリースタイルダンジョン』のテーマ曲を手がけるのは、言わずと知れたAAAの日高光啓。ラジオ番組で数々のラッパーとフリースタイルラップセッションをしたことで、アイドルとはいわせないその本気度と確かな実力が知れ渡った。ライブパフォーマンスにもさすが長けており、独特のリズム感のラップは聴き取りやすく心地いい。
誰もが知っているあの人とコラボ!
メジャーとの架け橋を繋ぐ
×宇多田ヒカル
KOHH
コー
お互いファンだったという日本のR&Bスターとヒップホップスターのコラボは、多くのブラックミュージックファンを騒がせた。宇多田ヒカルの復活アルバム『Fantôme』に参加。パリコレでファセッタズムのランウェイを歩き、アーティストとして個展を開くなど、日本ヒップホップ界にイノベーションを起こし、仏ヌメロほか海外メディアも関心を寄せる。
×SKY-HI(AAA日高光啓)
SALU
サル
SKY-HIとしても活躍するAAA日高光啓とのコラボアルバムを発売したSALU。ストリートから絶対的支持を得るSALUと、『フリースタイルダンジョン』のテーマ曲を歌う実力派ラッパーSKY-HIのコラボに驚嘆したファンも多いだろう。中性的なヴィジュアルに加え、話しかけるようなラップは、ラップ初心者の女性でも聴きやすいのでオススメ。
×森高千里、ももクロetc. …
tofubeats
トーフビーツ
これほど多くのコラボを実現しているアーティストも珍しい。軸にある音楽はヒップホップだと語るが、ももクロのリミックスから森高千里との共演まで、ジャンルの垣根を超えた音楽を発信している。最近ではRYO-Z&PES (RIP SLYME)や最上もが(でんぱ組.inc)とコラボし、プレイステーション4の人気タイトルをラップで紹介するCMを手がけた。
ファッションも要チェック!
若者のストリートアイコン
ラップ界のミスターシティーボーイズ!
THE OTOGIBANASHI’S
オトギバナシズ
原宿の空気とマッチするヒップホップクルーは、リーダーのBIMを中心としたin-d、PalBedStockの3人組。浮遊感と哀愁のあるサウンドにクールなラップが融合し、外しのあるファッションも都会的だ。彼らが所属するクルー”CreativeDrugStore”の活動や、楽曲制作を題材とした映画『THE COCKPIT』が公開されるなど、感度の高い業界人も注目する。
ハイセンスに日常をラップに落とし込む
ZORN
ゾーン
シンプルななかにもセンスの良さがにじみ、SupremeやVansなどのスケーターファッションを着こなす。ラップにもセンスがあふれており、繰り返す日常や小さな幸せを大切するリリックで、泣けるラップとしてもファンの心をわしづかみに。2児の父でもあり「洗濯物干すのもHIP-HOP」というパンチラインは日本語ラップシーンに残る名言!
ラップ選手権覇者はスニーカーオタク!?
HIYADAM
ヒヤダム
第3回BAZOOKA!!!高校生RAP選手権で優勝した実力の持ち主で、フリースタイルも秀逸。英語ラップに引けを取らない滑らかな歌い回しで日本語を操る。甘いマスクが印象的だが、ファッションにもこだわりが強く、スニーカーオタクとしても知られる。Instagramから発信されるコーディネートは、ファッション好きの間でも人気だ。
ラップだけにとどまらない
新世代のトラックメイカー
実力派のソロが集まる特異なクルー
Fla$hBackS
フラッシュバックス
ヒップホップクルーといえば、通常はラッパーとトラックメイカーで分業するケースが多い。でもこのクルーは全員がトラックメイクもできてしまうというからすごい。JJJ、Febb、KIDFRESINOの3人からなり、それぞれソロとしても評価が高い。特にJJJが作る音は、独特の透明感と爽やかさがあり「絶対にハズレがない」と厳しい音楽ファンもうなるほど。
若くして独立レーベルを立ち上げたマルチな鬼才
Jinmenusagi
ジメサギ
ラップ、トラックメイク、プロデュースなどマルチに活動し、15年には24歳にして自身のレーベル「インディペンデント業放つ」を設立するなど、すべてを一人でこなす多彩ぶり。もともとDAOKOらと共に活動し、ネット上に楽曲をアップして話題に。高速のラップスキル、アップテンポの楽曲などで、クラブミュージックファンにもその名が知られている。
ヒップホップ界でもエリートなインテリ
STUTS
スタッツ
東大卒という高学歴に加え、生演奏の技術も高く、13年2月にはNY・ハーレム地区の路上でライブを行い、本場のアメリカ人をうならせた。その音楽は、単におしゃれという一言では収まらないジャジーで大人な雰囲気。最近は「星野源のオールナイトニッポン」で、STUTS feat. PUNPEEの『夜を使いはたして』が好きな曲だと紹介された。
Profile
URL/山下智也.com