田名網敬一の新作個展、この夏必見!
1960年代より、グラフィックデザイナー、映像作家、そしてアーティストとしてなど、メディアやジャンルを横断するように創作活動を続ける田名網敬一。新作ペインティングや、すでに海外で公開され、高い評価を得たアニメーション作品などが、東京・渋谷のNANZUKA移転後初の展覧会として公開!
近年、記憶や夢を原風景に、自身の80年以上の歴史を記した“曼荼羅図”の制作に取り組んでいる、田名網敬一。その絵は一見、奇妙でポップな印象を与えるが、田名網が幼少期に体験した戦争の記憶と深く結びついているなど、実体験に基づくさまざまな記憶が交差している。
そうした創作行為は、自身の夢の中で起こるという。例えば、動物的な生命を宿したかのように描かれている松は、田名網が44歳の時に結核を患い死の境をさまよった時に見た幻覚だそう。夢によく出てくるという水や、性的なモチーフも、作品の中でさまざまな意味を持って登場する。
本展で公開される新作では、こうした夢や記憶と並行して、ウォーホルや若冲など、田名網が敬愛するアーティストの作品も随所に登場。「死」への恐怖やトラウマ体験をエネルギーへと変化し、今なお進化を続ける田名網にとって、これらの引用はプラスの効能のように感じさせる。
会場では新作ペインティングのほか、すでにニューヨークやスイスなど、世界各国で上映された新作のアニメーション作品「笑う蜘蛛」も展示上映。
国際的に注目を集める作品が集結する新作個展、この夏マストまちがいなし!
田名網敬一「貘の札」
会期/2017年6月24日(土)〜8月5日(土)
会場/NANZUKA
住所/東京都渋谷区渋谷2-17-3 渋谷アイビスビルB2F
時間/11:00〜19:00
休館/日・月曜、祝日
TEL/03-3400-0075
URL/nug.jp/jp/exhibition/2017keiichiTanaami.html
Text:Akane Naniwa