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Culture Post

21世紀少女 vol.7
ヘアサロン『Bettie』オーナー 山本由美子
原宿ミラクルヘアの生まれる場所

フォトグラファー田口まき&小誌エディトリアルディレクター軍地彩弓がお送りする「21世紀少女」。 クリエイターやアーティストなど、21世紀的な感覚を持つ新世代女子を一人ずつ紹介。今回のゲストは、可愛いもの好きな女子たちから絶大な支持を得る原宿の美容室『Bettie』を経営するヘアスタイリストの山本由美子。撮影と取材は彼女の好きなものが詰め込まれた店内で行った。(「ヌメロ・トウキョウ(Numero TOKYO)」2015年10月号掲載

Photo:Maki Taguchi
Director:Sayumi Gunji
Text:Rie Hayashi

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Team Bettie(左から)高山明愛(ジェネラルディレクター/プレス)、山本由美子(オーナー/スタイリスト)、高橋智美(スタイリスト)、葺本彩奈(アシスタント)

原宿とんちゃん通りの裏にその場所はある。右からブルー、イエロー、ピンクに塗られたアパート。そのピンクの棟の3階。扉を開けると、そこは別世界だった。チェック柄の壁紙、ユニコーンの置き物、ガーリーなピンナップ、そして”Betties”のネオン。まるでガールズムービーの部屋に迷い込んだような夢のインテリア。ここはヘアサロン。いま原宿でよく見かけるガーリーパステルヘアの女のコたちが生まれる場所だ。ここ2年くらい、原宿のカワイイ女のコたちに一つのトレンドが生まれている。パステルピンクやパープルに髪を染め、フリルやギンガムチェックなどに彩られたファンシーな服。いわゆるコスプレやロリータではない、独特の儚いガールズカルチャー。そのコたちの元祖ともいえるのが読者モデルから有名になったAMOだ。そしてAMOのヘアを担当していたのがBettiesの山本由美子。

「私たちのイメージアイコンである、アルヴィダちゃん(Arvida Bystrom 写真家、モデル)が2年前くらいに始めたのがこのパステルヘアなんです。当時、クロエ・ノガード(Chloe Norgard インスタグラマー)がレインボーヘアを始めた頃と重なるのですが、そのとき私がAMOちゃんのヘアをパステルピンクにしたんです」

彼女たちのファッションはヴィンテージが基本。90年代の映画『ヴァージン・スーサイズ』に出てくる甘い砂糖菓子のスタイルだ。

「彼女たちに影響を与えているのが、まさに90年代のカルチャーなんです。ソフィア・コッポラ、MILKFED.、キム・ゴードンのX-girl、音楽ではカーディガンズやソニック・ユースとか。あの時代のカルチャーとファッションが混じり合った感覚がいま来ているんだと思います」

コスプレガールたちとの明らかな差は、この原宿ガ–リーなコたちには“外人”のようになりたい願望があるということだ。金髪の繊細なカール、ふんわり猫っ毛は、まるで『綿の国星』(大島弓子作の漫画)! 90年代生まれの彼女たちにとって90’sはリバイバルやトリビュートでなく、まさにここにある最先端なのだ。90年代は、80年代の華やかで過剰な物質主義の世界に馴染めない、ちょっと内気で、傷つきやすい女子マインドから生まれた。『ヴァージン・スーサイズ』の甘い世界と残酷な結末。現実のシビアさからの逃げ場を求めている空気が、現代にシンクロしている。時代がスピード感を増すときに、逆行するように内省的にカワイイ世界に安らぎを感じる。これが2015年のガールズマインドなのかもしれない。

山本由美子の頭の中

Profile

山本由美子(Yumiko Yamamoto) 原宿の美容室『Bettie』のオーナー/ヘアスタイリスト。1978年生まれ。2000年にキャリアをスタートし、原宿の人気サロン「Valentine」に勤務した後、15年の2月に独立して『Bettie』をオープン。

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