1950年代のイギリス・ロンドンに現れた「テディ・ガールズ」。既成の価値観に縛られることなく、自分らしいスタイルと自由なスピリットを謳歌した彼女たち。その反骨精神を受け継ぎながら、2名のモデルがフレッシュでエネルギッシュな佇まいで、新たな「テディ・ガールズ」の姿を映し出す。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2026年11月号掲載)

女性の多面的な現実や人生の複雑さを捉えたプラダは、衣服を通して変容していくプロセス「レイヤリング」に焦点を当てた。ウール&カシミヤのシンプルなニットに合わせたのは、花柄がのぞくフレアスカート。ほつれや色あせをあえて残し、時の経過を感じさせる表情を添えた。

「Mindful Intimacy (心ある親密さ)」をテーマに、ミュウミュウは不要な要素を削ぎ落とし、ミニマムな美しさを追求した。くるくるとした波状の毛並みが目を引くコートは、一枚でさらりと纏うことで素材の豊かな質感を際立たせ、ブラウンのシューズで全体を引き締めた。

ディオールは、アイデアが絶え間なく生まれるパリの日常と、そこに息づくファッションの普遍的な力に着目し、自然と人工、現実と幻想が交差する世界をコレクションに落とし込んだ。スネーク柄のコートにはゴールドのボタンを配し、強い個性を放つモチーフに端正な輝きが加わる。

パリの街に華を添える、レッドの魔法。「パラドックス(逆説)」をキーワードに、シャネルは異なる要素を軽やかに掛け合わせ、新鮮なコントラストを生み出した。腰より下の位置にあしらわれたフローラルトリムがリズミカルな動きを生むドレスは、セットアップを思わせるプレイフルな仕上がりに。

ミラネーゼのデイリーウェアをベースに、構築性とセンシュアリティを打ち出したボッテガ・ヴェネタ。複数の職人の手を重ねて生まれたラフィアミックスを用い、独特の風合いを生かしたコートとハットに仕立てた。繊細なテクスチャーを肌で感じて。



バレンシアガのショーは、人気ドラマ 「ユーフォリア」のクリエイター、サム・レヴィンソンが映像を手がけ、「光と闇」をキーワードに繰り広げられた。キャメル色のロングコートは、襟の内側から覗く赤いセーターが立体感を生み、シャープなアクセントに。ピンヒールで足元に緊張感を。

ブランド創業の地、ローマでコレクションを発表したヴァレンティノ。秩序と混沌、安定と揺らぎなど、相反する美学の「干渉」をテーマに、異なる要素が交わる世界を描いた。コートのアシメトリーな襟や、ドレスの長さに独自のバランスを取り入れ、一着の中に二面性を宿している。


アライアのクリエイティブ・ディレクター、ピーター・ミュリエによる最後のコレクションは、基本に立ち返り、創業者アズディンが追求した身体への敬意を表現した。構築的なシルエットの重厚なコートは、身体のラインを引き立てながら、力強く端正なフォルムを形づくる。

世界各地の文化や自然界に着想を得たルイ・ヴィトン。「服は人類学のようなもの」と語るアーティスティック・ディレクターのニコラ・ジェスキエールの視点が、コレクションに息づく。ジャケットとパンツという定番のセットアップに流れるようにファーをあしらい、繊細なディテールを浮かび上がらせた。

フェラガモのクリエイティブ・ディレクターのマクシミリアン・デイヴィスは、ルーツであるカリブ海の空気感や、アメリカを代表する画家、チャールズ・デムスの色彩を再解釈した。セーラーのような襟が印象的なネイビーのコートは、マリンのムードを漂わせながらも強い存在感を放つ。
Photos:Brendan Freeman Styling:Diletta Ariano Hair:Anne Sofie Begtrup at Wise & Talented Makeup:Aurelia Liansberg at Wise & Talented Model:Brouke Zauberman at Makers by Metropolitan Models and Emma Labens at Elite Paris Casting Director:Marina Fairfax Production Coordinator:Anna Hedderich at Angels Production Assistant:Bikke Soukkan at Angels Edit & Text:Maki Saito
