初開催のイベントも盛りだくさん! 秋に行きたいアート散歩 | Numero TOKYO
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初開催のイベントも盛りだくさん! 秋に行きたいアート散歩

気候も穏やかになり、散歩をするにも気持ちいい季節。今年初開催のものをはじめ、全国各地で芸術祭やアートイベントが一斉に開幕する。歩いて巡りたい注目のイベントをチェック!(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2026年11月号掲載)

領域横断型の芸術祭が前橋で初開催!「第一回 前橋国際芸術祭 2026」

渋谷慶一郎による生成型サウンドインスタレーション《Abstract Music》。前橋国際芸術祭では、再開発エリアのシャッター通りに実装されるという。グラフィックデザインは八木幣二郎による。渋谷慶一郎《Abstract Music》、グラフィックデザイン:八木幣二郎
渋谷慶一郎による生成型サウンドインスタレーション《Abstract Music》。前橋国際芸術祭では、再開発エリアのシャッター通りに実装されるという。グラフィックデザインは八木幣二郎による。渋谷慶一郎《Abstract Music》、グラフィックデザイン:八木幣二郎

ファッションデザイナーとして名を馳せ、現在はアーティストとして活躍するマルタン・マルジェラ。「私的な空気感」を反映したコラージュ、絵画、大型彫刻、など多様な作品を展示。©MARTIN MARGIELA
ファッションデザイナーとして名を馳せ、現在はアーティストとして活躍するマルタン・マルジェラ。「私的な空気感」を反映したコラージュ、絵画、大型彫刻、など多様な作品を展示。©MARTIN MARGIELA

日系カナダ人かつクィア・アーティストであり、双極性障害と生きる経験を作品の基盤とするアレクサ・クミコ・ハタナカ。前橋で滞在制作した作品をアーツ前橋で展示予定だ。Photo:Johnny Nghiem
日系カナダ人かつクィア・アーティストであり、双極性障害と生きる経験を作品の基盤とするアレクサ・クミコ・ハタナカ。前橋で滞在制作した作品をアーツ前橋で展示予定だ。Photo:Johnny Nghiem

制作プロセスそのものを作品とする「ワークインプログレス」で知られる作家、川俣正。《Tree Hut Project》は街路樹に木材で作った小屋を設置するプロジェクト。前橋でも市民参加型プロジェクトを含む計3基が設置される。川俣正 《Tree Hut Project》
制作プロセスそのものを作品とする「ワークインプログレス」で知られる作家、川俣正。《Tree Hut Project》は街路樹に木材で作った小屋を設置するプロジェクト。前橋でも市民参加型プロジェクトを含む計3基が設置される。川俣正 《Tree Hut Project》

オープニングライブは廃ビルで開催。ジム·オルーク、カール·ストーン、クリストフ·シャルルら国際的に活躍するミュージシャンらが参加し、音楽と映像、デジタルと身体が融合する特別な3夜になる。
オープニングライブは廃ビルで開催。ジム·オルーク、カール·ストーン、クリストフ·シャルルら国際的に活躍するミュージシャンらが参加し、音楽と映像、デジタルと身体が融合する特別な3夜になる。

〈MEET YOUR ART〉がプロデュースするアートマーケットも開催される。《MAEBASHI ART MARKET– 持ち帰る芸術祭》イメージ。Photo:Keisuke Maeda
〈MEET YOUR ART〉がプロデュースするアートマーケットも開催される。《MAEBASHI ART MARKET– 持ち帰る芸術祭》イメージ。Photo:Keisuke Maeda

市立美術館のアーツ前橋をはじめ、藤本壮介が設計を手がけたアートホテルとして知られる白井屋ホテル、複数のギャラリーが入居するまえばしガレリアなど、この約10年でアートの街としての魅力を増している群馬県前橋市。市街地を中心に今秋始まるのが「前橋国際芸術祭」だ。初開催となる2026年は前述のアートスペースはもちろん、歴史あるアーケード商店街や憩いの広場、かつての面影を残す古い空きビルなど、約500メートル四方のエリアに集積するさまざまな施設が舞台。

第61回ヴェネチア·ビエンナーレ国際美術展で作品を発表した日系カナダ人アーティスト、アレクサ·クミコ·ハタナカによるレジデンス作品のほか、音楽家の渋谷慶一郎によるサウンドインスタレーション、今年東京や京都で人気を博したマルタン·マルジェラによる個展の再編、詩人・最果タヒとグラフィックデザイナーの佐々木俊によるパブリックアート、蜷川実花 with EiMやサム·フォールズによるインスタレーションなど、アート、建築、音楽、詩、演劇、食ほか、多彩な領域から70組のアーティストを招聘する。会期中はマーケットやワークショップなど「見る」にとどまらない体験も充実。街歩きを楽しみながら、全身で芸術の秋を感じたい。

会期/9月19日(土)~12月20日(日)
会場/アーツ前橋(群馬県前橋市千代田町5-1-16)、白井屋ホテル(前橋市本町2-2-15)など前橋市中心市街地各所

 

温泉とアートで癒やされる秋の芸術祭が誕生「下呂 Art Discovery 2026」

岐阜県出身のアーティスト、西澤利高の《すべてに魂があって すべての魂はひとつだった》。鉄の格子に朽ちかけたケヤキが押し込まれている。Photo:Osamu Nakamura
岐阜県出身のアーティスト、西澤利高の《すべてに魂があって すべての魂はひとつだった》。鉄の格子に朽ちかけたケヤキが押し込まれている。Photo:Osamu Nakamura

鈴木初音《川と山のあいだ 種まきに歩く人》。地域に根付く野草を使って制作された壁画作品だ。Photo:Osamu Nakamura
鈴木初音《川と山のあいだ 種まきに歩く人》。地域に根付く野草を使って制作された壁画作品だ。Photo:Osamu Nakamura

1954年に建設され、2012年に閉校となった旧湯屋小学校。朱色の外観が特徴的な総ヒノキ造りのこの建物も、芸術祭の舞台となる。
1954年に建設され、2012年に閉校となった旧湯屋小学校。朱色の外観が特徴的な総ヒノキ造りのこの建物も、芸術祭の舞台となる。

江戸時代から湯治場として栄え、日本三名泉の一つに数えられる下呂で「下呂 Art Discovery 2026」が開幕する。2024年の「南飛騨 Art Discovery」の成功を受けて今年新設されるこの芸術祭は、飛騨川沿いの温泉街や合掌村が魅力の「下呂エリア」、自然豊かな南飛騨健康増進センターと萩原商店街を有する「萩原エリア」、築70年の旧湯屋小学校を中心とした御嶽山麓の「小坂エリア」が舞台。「瀬戸内国際芸術祭」なども手がけた北川フラムが総合ディレクターを務め、台湾やリトアニアなど14の国と地域から59組のアーティストが参加する。エリアごとの表情の違いを楽しんだあとは、現代アートと地元のグルメ、温泉で地域の魅力を堪能しよう。

会期/9月11日(金)~ 11月8日(日)
会場/下呂温泉街周辺や旧湯屋小学校(岐阜県下呂市小坂町湯屋46)など下呂市内4会場

この秋東京で開催。臨海エリアが舞台の国際芸術祭「国際美術展 TOKYO ATLAS」

TOKYO ATLASに際しては、草間彌生の《宇宙へ行って見た愛の花束》(2021年)が日本で初公開される。写真は2021年にドイツのグロピウス・バウで開催された「Yayoi Kusama: A Retrospective」での展示風景。© YAYOI KUSAMA, Courtesy of Ota Fine Arts
TOKYO ATLASに際しては、草間彌生の《宇宙へ行って見た愛の花束》(2021年)が日本で初公開される。写真は2021年にドイツのグロピウス・バウで開催された「Yayoi Kusama: A Retrospective」での展示風景。© YAYOI KUSAMA, Courtesy of Ota Fine Arts

東京藝術大学小沢剛研究室の学生と教員らによるユニット、ヤギの目。TOKYO ATLASに際しては、公園内で2頭のヤギを飼育し、地域の人々と協力しながら循環型の活動を展開予定だ。
東京藝術大学小沢剛研究室の学生と教員らによるユニット、ヤギの目。TOKYO ATLASに際しては、公園内で2頭のヤギを飼育し、地域の人々と協力しながら循環型の活動を展開予定だ。

閉鎖空間での生活を作品とするアブラハム・ポワンシュヴァルの《La Bouteille》。写真はパリでのパフォーマンス風景。Photo by Hafid Lhachmi/ ADAGP Pa r i s 2024.Courtesy of Semiose
閉鎖空間での生活を作品とするアブラハム・ポワンシュヴァルの《La Bouteille》。写真はパリでのパフォーマンス風景。Photo by Hafid Lhachmi/ ADAGP Pa r i s 2024.Courtesy of Semiose

今年初開催される国際美術展「TOKYO ATLAS」。美術評論家で草間彌生美術館館長の建畠晢と、キュレーターで直島新美術館館長の三木あき子がアーティスティックディレクターを務める同展の舞台は東京の臨海エリアだ。青海エリアのテレコムセンタービルでは、草間彌生の作品が公開。幕末の史跡が残る台場公園や人工砂浜が広がるお台場海浜公園では、イケムラレイコの水上巨大彫刻など環境を生かした作品が登場する。また青海南ふ頭公園内では普段は立ち入ることができない全長197.5mの地下空間でインスタレーションや映像作品を展示予定だ。都市を通して作品を、そして作品を通して見慣れた臨海エリアの魅力を再発見できる壮大な展示に期待が高まる。

会期/10月10日(土)~ 12月20日(日)
会場/東京都内の台場・青海・天王洲エリア

 

都内56施設が参加する現代アートの祭典「アートウィーク東京」

展示風景:土屋信子「Stay as a Wave」2023年 Photo:Nobutada Omote,Courtesy SCAIThe Bathhouse
展示風景:土屋信子「Stay as a Wave」2023年 Photo:Nobutada Omote,Courtesy SCAIThe Bathhouse

青柳菜摘《関係名デモンストレーション》2025年 Photo:Minji Yi.
青柳菜摘《関係名デモンストレーション》2025年 Photo:Minji Yi.

ジュリアンノックス《What Colour s Can We Dreamin This Night Filled with Salt?》2025年 © LeviFanan, courtesy Fundação Bienal de SãoPaulo.
ジュリアンノックス《What Colour s Can We Dreamin This Night Filled with Salt?》2025年 © LeviFanan, courtesy Fundação Bienal de SãoPaulo.

Multiple Spirits《ダンジョンは生ける光の陰影へ》2025年 展示風景:「六本木クロッシング2025展:時間は過ぎ去る わたしたちは永遠」森美術館、2025–26年 Photo:Takashi Fujikawa
Multiple Spirits《ダンジョンは生ける光の陰影へ》2025年 展示風景:「六本木クロッシング2025展:時間は過ぎ去る わたしたちは永遠」森美術館、2025–26年 Photo:Takashi Fujikawa

参加施設の一つである銀座メゾンエルメス ル・フォーラムは、ベルギー人アーティスト、アン・ヴェロニカ・ヤンセンの国内初個展を開催。写真は《Donut》(2003)。Photo: Florian Hölzherr Courtesy of CCA Wattis Institute for Contemporary Arts, SanFrancisco
参加施設の一つである銀座メゾンエルメス ル・フォーラムは、ベルギー人アーティスト、アン・ヴェロニカ・ヤンセンの国内初個展を開催。写真は《Donut》(2003)。Photo: Florian Hölzherr Courtesy of CCA Wattis Institute for Contemporary Arts, SanFrancisco

森万里子の大規模個展を開催するのは森美術館。森は今年のポップアップバーで提供されるアーティストカクテルも手がける。写真は《Wave UFO》(19992002年)。2003年に開催されたオーストリアブレゲンツ美術館での展示風景。Photo: Richard Learoyd
森万里子の大規模個展を開催するのは森美術館。森は今年のポップアップバーで提供されるアーティストカクテルも手がける。写真は《Wave UFO》(19992002年)。2003年に開催されたオーストリアブレゲンツ美術館での展示風景。Photo: Richard Learoyd

アートフェアでも芸術祭でもない、新しいアートイベントのかたちとして2022年に始まった「アートウィーク東京(AWT)」が、今年も開催される。今回は過去最多の56の美術館やギャラリーが参加。それぞれに個性豊かな展覧会を開催するほか、アーティストとのコラボレーションカクテルや限定フードが楽しめるポップアップバー、上海のロックバンド美術館のエグゼクティブディレクター兼チーフキュレーターであるX・ジュー=ノウェルが監修する映像プログラム、子ども向けプログラムなど、AWT独自のプログラムも展開される。

もっと深くアートの世界に入りたい人には、国内外のキュレーターや専門家を招いたトークセッションやコレクターへの第一歩を踏み出すためのミートアップなどのイベントも。会期中の週末は、参加施設やプログラム会場を巡回する乗り降り自由の無料シャトルバスも運行。気軽にエリアを変えながら東京のアートシーンを探索できるほか、乗車時に渡されるリストバンドを見せれば参加美術館の一部で割引が受けられる。広い範囲にいくつものアートスペースが点在し、1日で複数のスペースを巡るのも難しい東京。シャトルバスを活用しつつ、普段は気軽に行けないエリアにも足を伸ばしてみては。

会期/11月4日(水)~ 8日(日)
場所/都内の参加美術館・ギャラリー、AWT FOCUS、AWT BARほか各プログラム会場

 

六甲の眺望とアートに出会う「神戸六甲ミーツ・アート2026 beyond」

奈良美智《Peace Head》Artwork : ©Yoshitomo Nara
奈良美智《Peace Head》Artwork : ©Yoshitomo Nara

神戸の東西約30kmにわたって緑の山々が連なる六甲山系。その山上で2010年から毎年開催されているのが「神戸六甲ミーツ・アート」だ。約60組のアーティストが参加する今年は、イタリアの建築家でデザイナーのミケーレ・デ・ルッキによる特別展示や夜間限定の光のアート作品、安藤忠雄が手がけた「風の教会」の特別公開など楽しみ方も多彩。山上からの大パノラマを眺めながらのアート探索はこのイベントならではだ。

会期/8月29日(土)~ 11月29日(日)
会場/ROKKO森の音ミュージアムほか六甲山上各所

 

旧カプセルホテルでアート巡り「Tokyo Jazz Club」

《Helter Skelter / Arthur Jafa and Richard Prince》展示風景 / Photo Andrea Rossetti Courtesy Fondazione Prada
《Helter Skelter / Arthur Jafa and Richard Prince》展示風景 / Photo Andrea Rossetti Courtesy Fondazione Prada

新しい展示やマーケットプレイスのあり方を探求する場としてスイスで設立されたプラットフォーム「バーゼル・ソーシャル・クラブ」。実験的な取り組みで人気を博す彼らのレガシーを受け継ぐイベントが、東京で初開催される。会場は神保町にほど近い旧カプセルホテル。全8フロアにまたがる会場を行ったり来たりしながら、多彩なアーティストによる作品やパフォーマンスとの一期一会を楽しみたい。

会期/11月1日(日)~8日(日)
場所/神保町

 

都内3エリアを中心に新たな文化芸術祭開幕「ARTE TOKYO」

Photo : Keizo Kioku,Shinji Ohmaki / Gravity and Grace / 2024
Photo : Keizo Kioku,Shinji Ohmaki / Gravity and Grace / 2024

東京都が主催する新たな文化芸術祭が誕生する。開放的な臨海地域、都市の活気あふれる日比谷・丸の内、カルチャーの発信地である代々木・渋谷を中心に、都市全体を「文化体験のプラットフォーム」として再考。アート、演劇、音楽、イルミネーションなど、秋から冬に都内各地で開かれるイベントとも連動しながら独自のプログラムを展開する。参加作家には建築家の永山祐子やアートユニットのエキソニモなどが名を連ねる。

会期/10月10日(土)~ 12月31日(木)
会場/東京の臨海エリア、日比谷・丸の内エリア、代々木・渋谷エリアほか

Text & Edit : Sora Kagawa

 

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