ガブリエル・シャネルの愛蔵品や歴史的コレクションを組み合わせ、新たな命を吹き込む創造性の魔法――。ファッション、広告、アートを股にかける写真家ロー・エスリッジの作品群が、シャネル・ネクサス・ホールで初公開される。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2026年4月号掲載)



驚きに満ちたクリエイションはいつも、異なる感性が交わるところに生まれる。パリ、カンボン通り31番地にその息吹を伝えるガブリエル・シャネルのアパルトマン。貴重なプライベートコレクションが残されたこの非公開のフロアに、一人のアメリカ人写真家が招かれた。ファッション誌や広告で培った手法をアート写真に取り入れ、高い評価を受けるロー・エスリッジ。彼がそこで目にしたのは、彫刻家ジャック・リプシッツによる胸像やパブロ・ピカソのスケッチなど親交を深めた芸術家たちの作品から、古代エジプトのマスクをはじめとする古今東西の文物まで、シャネルその人による愛蔵品の数々だった。彼はこれらをメゾンのアーカイブ施設「パトリモアンヌ」所蔵のアイテムや現代的な小道具と組み合わせ、昨年創刊の『アーツ & カルチャー マガジン』の誌面を驚くべき作品で飾ってみせた。

社会の慣習や文化の壁を乗り越え、斬新なクリエイションを紡いだシャネルのレガシーと、ビューティ撮影のアウトテイク(未使用カット)にヒントを得て、商業写真と芸術の境界を突破したエスリッジ。時代を超えた出会いから生まれた作品群が、このたび初めて一般公開される。シャネル・ネクサス・ホールの空間に広がるクリエイションの輝きを、ぜひその目に焼き付けてほしい。
「FUGUE FOR 31 RUE CAMBON: ROE ETHRIDGE AT CHANEL ARCHIVES」
シャネルと10年以上にわたって協働する、アメリカ現代写真を代表する写真家の一人。同ブランドより昨年6月に創刊された『アーツ & カルチャー マガジン』のために撮り下ろした作品シリーズを、初めて一般公開する。最新情報はサイトを参照のこと。
会期/2月25日(水)~4月18日(土)
会場/シャネル・ネクサス・ホール
住所/東京都中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4F
URL/https://nexushall.chanel.com/program/2026/roe_ethridge/
Edit & Text : Keita Fukasawa
