普遍的な美しさを放つルイ・ヴィトンのモノグラム。1896年、ジョルジュ・ヴィトンが父ルイにオマージュを込めて考案したこのモチーフは、意匠の枠を越え、伝統と革新を体現するシンボルとして愛され続けている。今年130周年を迎える節目に、その歴史と職人技、メゾンを象徴する5つのアイコンバッグの魅力に迫る。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2026年3月号掲載)
TIME LINE

1854年
ルイ・ヴィトン創業
1821年、フランス・ジュラ地方の職人の家系に生まれたルイ・ヴィトン。14歳に徒歩でパリへ向かい、荷造り用木箱製造・荷造り職人のもとで修業を重ね、1854年に自身の工房を開業。平らに積める革新的なトランクは旅の文化を一新し、1859年にはアニエール=シュル=セーヌにアトリエを構える。職人技と先見性でメゾンの礎を築いた。

1892年
二代目のジョルジュ・ヴィトンが絶承
ルイの一人息子であるジョルジュは16歳から父のアトリエで職人技と経営を学び、メゾンの中核を担う人物に。1880年に店舗の経営を引き継ぎ、同時にアニエールのアトリエを拡大し、レザーグッズ部門を設立。ダミエやモノグラムの開発、錠前の特許取得、海外進出を主導。父の精神を受け継ぎながら革新を重ね、世界的メゾンへと導く。

1896年
モノグラムの誕生
ダミエ・キャンバスの模倣対策として、ジョルジュ・ヴィトンは1892年に他界した父ルイへのオマージュを込めたモノグラム・キャンバスを考案。ネオゴシック様式の装飾やジャポニスムに着想を得て、LVのイニシャルと幾何学的なフラワー・モチーフを複雑に組み合わせた精巧なパターンを発表。製品にあしらうだけでなく、メゾンの永遠の象徴となった。

1897年
モノグラムの特許を取得
ジョルジュ・ヴィトンはモノグラムの特許を取得。ストライプ柄のレイエ・キャンバス(1872年)やダミエ・キャンバス(1888年)で培った経験を基に、実用的な模倣防止対策を、デザインへと昇華させた。モノグラムは視覚と技術の両面で機能し、特許は1905年と1908年に更新。創造の著作権における先駆的存在として、真正性を示す不朽のシンボルとなった。

1959年
コーティッド・キャンバス革命
1996年
アーティストコラボが加速
2026年
モノグラムの進化
時代と旅の変化とともに、モノグラムは進化。トランクから、しなやかなバッグとして現代のライフスタイルに寄り添う旅のアイコンへ。また多彩なアーティストとのコラボレーションを通じて、表現の幅を広げ続けている。130周年を迎えた2026年、新たなスペシャルエディションのモノグラム バッグ・コレクションが登場した。
THE ICONS OF MONOGRAM
Savoir-Faire of LOUIS VUITTON
1854年の創業以来、ルイ・ヴィトンはサヴォアフェール(匠の技)を磨き続けてきた。精緻な縫製、素材の革新、伝統と最先端技術の融合。1959年に登場したコーティッド・キャンバスは柔軟性と耐久性に優れ、バッグとして世界中で親しまれている。トランク製造で培われた技は、熟練の職人たちに受け継がれ、130周年を迎えた今もなおメゾンのアイコンに息づいている。
Speedy
1930年代初頭、高速交通機関に着想を得て「エクスプレス」として誕生し、スピードと移動の時代に応える存在として名付けられた「スピーディ」。3代目ガストン-ルイ・ヴィトンが、軽量で多目的に使えるバッグを追求するメゾンの理念を反映したデザインだ。折り畳み可能な機能性に加え、幅広のファスナー開閉、構築的でありながらしなやかなフォルム、手に馴染むトロンハンドルなどがポイント。エレガントな佇まいで、日常から旅行まで優雅に寄り添う。


Keepall
「スピーディ」と同時期に誕生した「キーポル」は、“Keep all(すべてを収納する)”の名の通り、収納力が魅力。ハードトランクに代わる軽量でしなやかなソフトラゲージとして、旅行鞄の概念に新たな自由をもたらした。円筒形のレザーハンドルやダブルファスナー、モノグラム・キャンバスをレザーバンドで補強した構造が特徴。平らに折り畳める設計と容量で、週末の旅はもちろん、都会の洗練されたスタイルにもマッチする相棒。


Noé
1932年、3代目ガストン-ルイ・ヴィトンによってシャンパーニュ醸造家からの依頼で誕生した「ノエ」。5本のボトルを安全に運ぶために考案された巾着型フォルムは、丸みを帯びた底部とドローストリング開閉、しなやかな構造が印象的。その名は洪水後に初めて葡萄を栽培した聖書のノアに由来し、人生の喜びを讃えるシンボルとして愛されている。実用性とデザイン性を兼ね備え、カジュアルから洗練された装いまで幅広く調和するタイムレスなバケットバッグだ。

Alma
1934年誕生の「スクワイア」をルーツに持ち、1992年に「アルマ」として進化。パリ8区のセーヌ川沿いにあるアルマ広場に由来し、アール・デコの美学を纏った建築的なラインが特徴だ。丸みを帯びたトロンハンドルとダブルファスナーは、上品な表情と使いやすさを両立。日常からフォーマルなオケージョンまで幅広く対応し、必需品を美しく収納できる。時代を超えて愛される、パリジャン・シックを体現するクラシックなバッグ。


Neverfull
2007年の登場以来、メゾンのアイコンとして愛されている「ネヴァーフル」。ゆとりあるサイズ感と軽さに加え、最大100kgの耐久性を誇る万能トートバッグ。洗練されたモノグラム・キャンバスにヌメ革のトリムがアクセントを添え、ハンドステッチのハンドルや調節可能なサイドレースが細部まで優美に仕上げられている。書類やノートPCもすっぽり収まるエフォートレスなデザインで、日常から旅まであらゆるシーンで活躍する。

Louis Vuitton
ルイ・ヴィトン クライアントサービス
TEL/0120-00-1854
URL/louisvuitton.com
Photos:©Louis Vuitton Art Director:Hatsue Owaki Text:Mami Osugi Edit:Shiori Kajiyama





