2025年、あの人の偏愛ベスト・ミュージック vol.1 xiangyu(シャンユー) | Numero TOKYO
Culture / Feature

2025年、あの人の偏愛ベスト・ミュージック vol.1 xiangyu(シャンユー)

2025年も、素晴らしい音楽が次々と生み出された。Numéro TOKYO注目のクリエイターに、その人が超・個人的に思い入れのあった音楽アルバムBEST3と、その注目ポイントを聞いてみた。新たなお気に入りの一枚を見つけて。

第1回目は、ユーモアの効いたリリックとダンサンブルなサウンドで話題のアーティスト、xiangyu(シャンユー)が登場。

1.Tyler, The Creator『Don’t Tap The Glass』

ダンサンブルで中毒性の高いアルバム

xiangyuがまず挙げたのは、米カリフォルニア州出身のラッパー、ソングライター、Tyler, The Creator(タイラー・ザ・クリエイター)が7月にリリースした通算8枚目のスタジオ・アルバム『Don’t Tap The Glass』。

「今までのタイラーの作品とかなり雰囲気が違ってよりダンサブルでかなり好きなアルバムでした。その中でも『Sugar On My Tongue』はクセになる中毒性がある曲だなと思い繰り返し聴いています。9月に行ったタイラーのライヴでこの曲のパフォーマンスを目の前で観れたことが今年特にうれしかった出来事です。タイラーはずっとファンだけどLIVEを観たのは今回が初めてだったので、生きてて良かったと心底思った日でした。シンプルなセットで1人ステージに出てきてつくるあのステージングは本当に圧巻」

2.TAMTAM『Where They Dwell』

家でのんびり過ごす時間に

2枚目は、東京を拠点とする4人組エクスペリメンタルバンド、TAMTAM(タムタム)が5月にリリースしたフルアルバム『Where They Dwell(ウェア・ゼイ・ドゥウェル)』。

「私の企画ライヴにもご出演いただいたり、ヴォーカルのkuroさんはフューチャリングで私の楽曲『宇宙包 (feat.Kuro)』にご参加いただいたりと交流のあるアーティスト。『Where They Dwell』は家でのんびり過ごしているときによく聴いているお気に入りのアルバムです。なかでも『Dragon in the Lagoon』という曲は朝、窓を開けて新しい空気を家の中に入れるときにピッタリ」

3.CA7RIEL & Paco Amoroso『PAPOTA』

フジロックを盛り上げた注目アーティスト

最後はFUJI ROCK FESTIVAL 2025での出演も話題になった、アルゼンチン/ブエノスアイレス出身のデュオ、CA7RIEL & PACO AMOROSO(カトリエル&パコ・アモロソ)が3月にリリースしたアルバム『PAPOTA(パポタ)』をセレクト。

「2024年にリリースされたアルバム『BAÑO MARÍA(バーニョ・マリア)』キッカケで知って大好きになった、CA7RIEL & Paco Amoroso。いつかライヴを観てみたいなぁと思ったらまさかの今年のフジロックに出演。現地には行けなかったけど配信で楽しみました」

xiangyu「とか言って(feat.Sawa Angstrom)」


xiangyuが2025年8月29日にリリースした新曲「とか言って(feat.Sawa Angstrom)」。「ズル休みしたいな…」というささやかな憧れや妄想を描いた歌詞と、浮遊感とスピード感を兼ね備えたサウンドが印象的な中毒性の高い一曲となっている。

「水曜日ってなんかだるい。月曜はやる気アリ、火曜はまだギリやれるけど週中日の水曜ってもう体がなまり位だるくって重い。仕事行く電車乗りながらさ、『あーーーこのまま海とか行っちゃいたいなーーーてか引き返して家で溜まったドラマ観たーーーい!ファミレスで豪遊もいいよなーーーあー今からズル休みしたーーーーーい!!』」とか思ってる。こんなズル休み出来たらなんて幸せなんだろう。。!
そんな妄想しつつ、なまりみたいな体を引きずって今日も仕事に行くんだけどさ、たまにはそんなズル休みしたいとか言っちゃいたいよね」

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Text:xiangyu Edit :Mariko Kimbara

Profile

シャンユー xiangyu 2018年9月からライブ活動開始。 日本の女性ソロアーティスト。 23年11月1日にGimgigamをサウンドプロデューサーに迎え、南アフリカ発のダンスミュージックのジャンルの一つである「アマピアノ」や「ゴム」などを 取り入れた EP『OTO-SHIMONO』をリリース。 22年7月に上映した映画『ほとぼりメルトサウンズ』では、主演を務め、主題歌を担当した。また、同年11月には初の書籍『ときどき寿』を小学館から発売。24年11月13日に公開した釧路市アイヌ文化を題材にした短編映画『urar suye』に主人公役にて出演、 日本国際観光映像祭2025にて旅ムービー部門最優秀賞を受賞。25年4月には七尾旅人、Kuro(TAMTAM) を迎えたアルバム『遠慮のかたまり』をリリース。
 

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