
これまでタブーとされてきた性や体のことについて自由に話し合える世の中を目指して「nakedfact (ネイキッドファクト)」の創業者である高橋クロエが始動したプロジェクト「nakedfact club」の第4弾。
今回は、クロエが考案するディベートカードの中からテーマを選び、座談会を開催した。
Numero.jpでは、前回に引き続き、その模様を独占レポート。
「nakedfact club Vol.4 」座談会テーマ
1.最近気づいた心と体のつながりを実感した出来事
2.大人になって性に対する価値観、昔と今でどう変わった?

1.最近気づいた、心と体のつながりを実感した出来事は?
高橋クロエ(以下T)「最近気づいた心と体のつながりを実感した出来事ってある?nakedfactはソマティック・インティマシーブランドという言葉でブランドの哲学を定義しているんだけど、ソマティックというのは“身体感覚を通して自分自身と向き合う”事を意味してて、インティマシーはまだ見ぬ自分自身と親密に繋がることを意味してる。心と体は常に繋がっていて、心が感じたことに体は反応するし、体を通して感じたことに心は反応する、そんなnakedfactの哲学にも通ずるこのトピックをみんなに聞いてみたいなと思って考えてたんだよね」
※参加メンバーは匿名イニシャルにて表記しています。
E「心も仕事に追われてて、夜中も仕事する日々だけど、ドラマを流し見してたら、男性から女性にバックハグをするシーンで、なんだかゾワゾワっとして…久しぶりに鳥肌がたつ経験だった。旦那とも最近はボディタッチもなかったけど、ハグとかをしたくなった!」
T「なにそれかわいい〜。すごく素敵だね」
S「心と心のつながりとかを感じることってすごくあるなと思ってる。日本語で、お手当って言葉があると思うんですけど、親とか、お母さんに限らず、子どもの頃からの体調壊したりとか、お腹が痛いときに、お手当てして、手でお腹をさすってくれるとかっていうことって、別に薬も使ってないし、何かものを使って治したってわけじゃないけど、その手の温もりをお腹に当てることで、痛みが和らいだりすることは、誰もが経験してそうな、心と体のつながりかなと思いました」
T「自分でも不安になったときに、バタフライハグをしてあげるだけで、少し落ち着くっていうよね。トラウマ療法とか、メンタルケアとかで進められてるので、自分を抱きしめてあげると、もしかしたら、それだけでちょっと気持ちが落ち着いたりするかも」
S「友達が泣いて話してるときも、ここにいるよってことを示すために触るようにすることを大事にしてる」
T「動物とかもあるよね」
N「アニマルセラピーみたいなやつだ」
T「海外とか刑務所で猫を育てられる更生プログラムがあるらしくて。日本でも少年院で犬を育てるプログラムがあるみたい。動物に触れて、命の大切さとか、癒しのパワーをもらったり、やっぱりこう自分が必要とされてるっていうのを感じたりすることですごく変わるみたいで。特に刑務所とか少年院とか、心に傷を負って犯罪を犯しちゃった子どもたちは、目に見えるように変わるっていうのを読んだことがある」
N「ヘアメイクと、サロンワークをどっちもしていたときは、とても忙しくて、忙しい時期には生理痛がない人だったのに、生理痛が出始めたんです。その後に、健康診断でひっかかってしまって、そのときに、薬を飲むとか手術とかじゃないんだけど、とにかく休んでくださいって言われた。その後は、色々仕事量を調整したら生理痛がなくなった。今もない状態を保ってて、体質改善をして、仕事を1本にして気持ちが、よし!って晴れたのもよかったなと思う」
T「いかにストレスが与える影響が大きいか。って体は正直だよね。女性は特にいろいろなバロメーターがあって、生理痛とかPMSとかで体の変化を気づくきっかけになりやすいかもね」
N「コロナ禍で2カ月休めるってなってったときも、生理痛がきてなかったから…って考えると、仕事が嫌とかではないけど、真面目にやらなきゃ!って思いすぎてたりすると、私は体に影響でるんだなって理解できた」
T「ストレスって本当、悪!とはいえ、ストレスを溜めないっていうのが難しい」

S「解決策も色々ありそうだけど、情報が溢れてて、人によっても違うし、何をやっていいんだか、悪いんだかがわかんないよね」
M「私もストレスで生理痛がくるかも。普段はないんだけど、3年前に離婚するっていうときに、90日くらい生理が止まって… でもきたら本当に激痛だった。そこから、運動とか、マグネシウムとか、なんか色々やってみて、1番よかったのは運動。ランニングをするんですけど、本当に、朝起きてまず太陽を浴びて。外に出てお散歩するとか、ランニングをしたら、やっぱセロトニンとかも出やすいし。あと、朝起きてから2時間以内にコーヒーを飲まないっていうのをやるようにしてる」
T「朝起きてからは、私もコーヒー飲まないようにしてるかも」
M「セロトニンを作り上げる力が、カフェインが入っちゃうと、それで上がっちゃうから、自分で作れなくなるらしいよね」
E「カフェインは、三代麻薬っていうもんね」
T「ファスティングした友達も、カフェインが抜けるときの、禁断症状みたいなのが辛かったって言ってて。頭痛があったり、多分カフェインが抜けてるときの良くないやつなんだろうなっていうふうに思った」
M「抹茶がいいっていうけどね!」「抹茶を立てるっていう時間もできるし、ちょっとカフェインも取れるし、なんか落ち着いていくみたいな。聞いたことがある」
M「エナジードリンクとかも最悪っていうよね」
N「私あんまり飲まないようにしていて、コーヒー飲んで寝られない日があって、びっくりした。プロテインとかも添加物が多いと吐き気がしちゃったり…」
T「結構、吸収したものが体に出やすいタイプもいるよね」
H「仕事に集中しすぎると、生理が普通に止まってしまうことがあって。半年とかこないこともあります。一回病院に行ったら、ストレスに対応するホルモンが、男性ホルモンで、生理を抑制するホルモンと一緒なんですって。私自身はストレスを感じてないんですけど、体が守って動いてくれてるらしい」
T「え〜、それはすごい! ホルモンすごいね。生理はバロメーターだよね。止まったりってことは、こう、何かしらホルモンのバランスが崩れてる証拠だね」
H「今月の生理は、前の月の生理期間が影響するらしく、前の生理の期間に無理をしたりとかすると、翌月の整理に不調がでるんですって。」
T「昔の生理とか、アーユルヴェーダの考え方だと、そうなんだよね」
H「頭部を濡らすことがよくないらしい。髪の毛洗うってことは、頭に濡らすから、生理が下に出ていく作用が働くので、多分皆さんシャワー中に、なんかやたら出るなって感覚とかあると思うんですけど、そういう通常のペースじゃない早い出方をしちゃうと影響するとも言われいてる」
T「頭頂部って、昔便秘の時、押されてたし、そういうことか。」
S「すごい。体ってうまくできてるな」
T「ちょっとスピリチュアルな話しなんだけど、アーユルヴェーダをやってた友達が、幼少期からのトラウマが生理痛につながるって言ってて、トラウマケアとかをすると、緩和したりとかする人もいるって聞いた。あとは、生理って始まったときから嫌われもので、何年も何十年も『生理きた、最悪』とかネガティブは言葉をずっとかけられてて、生理現象は、体を守ってくれてるすごい臓器だし、生理が来たら体が正常に動いてるっていうサイン。だから生理がきたら、『ありがとう、自分の身体』って言ってあげてるのを続けるだけで、全然変わってくるんだっていう教えを教えてもらった」
E「昔、赤飯食べたりしてたし、めでたいことだよね」
T「だから自分で自分をマインドコントロールしていくことも大切だよね」
S「女性の寿命が男性より長いのって、ちゃんとその血を出して体の悪いものが出てるから、女性の方が長生きなんじゃないかなっていうのも聞いたことある。生理がくる血のサイクルはやっぱり大切なんだなって思った」
T「わかるかも。ピルをのみ続けるのをやめて、サイクルをスタートさせたら、デトックス感があって、これが生理のデトックス!って最近感じてる」

2.大人になって性に対する価値観、昔と今でどう変わった?
T「なんか20代前半の頃とかって、まだ若いときの価値観を引きずりつつな感じがあって、20代後半ぐらいから、なんかいろんな価値観がまた一回変わるフェーズに入った気がするかな」
S「若い時は、自分自身のセックスよりは相手のために、相手が喜ぶことを考えて、痛いっていえなかったりとか。女性が我慢してるみたいな声はやっぱこの歳になっても聞くこともあるし、相談されるときもあるけど…。大人になってからは、最後までじゃなくてもスキンシップが大切かなっていうのと、相手がラストを迎えるだけじゃないっていう環境がすごく変わったかもしれない」
T「大人になってきて、こうやって友達同士で、性に対する話ができる機会とかもこう増えてきて、だからこそ今考えると、あれって前は我慢してたなとか思うことも多々ある」
E「確かに」
T「どうしても、嫌われないために気を使ったり。相手が喜ぶことをしたり。日本は本当に性教育が進んでないから、AVが教科書になって…コミュニケーションとりながらすることが大切なのに…って。学校で今性教育ってどうなってるの?」
E「中学では、女性の生理を学んだって息子は言っていたけど、うちは主人と話して、10歳になったら性に関して、話そうってしてて。セックスってワードがひやかしにならないように、最大限の愛を確かめ合うものですっていうように話をした。だから、逆に今は、息子も最初ってどうやって誘うの?って相談してくれたり…」
N「え〜素敵!」
T「私も、Eの息子にあったことがあるけど、人間として当たり前のこと、健康と関わることっていうのを認識してる感じだなって思った。しかも、それに対して『もう恥ずかしい』とか『ママやめてよ』みたいな一切感じたことないし。すごい」
E「こっちも照れなし、隠しなしで、正確なワードで話してあげたことでそういうふうに育ってくれたのかなと思う。私は生理がきたときに見せました。話すだけじゃわからないから、物を見せた方がいいと思って見せた! こういうものだよって。」
T「すごい! フランスでは10歳になったら、コンドームを持たせて性の説明をするらしくて、まだ何も始める前だから、10歳頃はすごいいいタイミングなのかもね」
E「4年生とかだと、生理が始まる女の子もいるし、全然今のほうががもっと早いと思うし。10歳とかって、すごいいいタイミングなのかも」
N「昔ってなんか、校舎にSEXって書いてあって、小学生5年性の男子とかが、何にもわかってないのに『SEX』『セックス!』とか言ったりしてた…」
T「歯止め教育が、昔は学校にはあったらしくて。ちょうど私たちのゆとり世代の子たちは、教育委員会が性教育が助長されるって言って、歯止めがかかっちゃって、教科書では、妊娠する過程を扱わないってなったらしい。生殖器とか、コンドームの意味とか、ピルというものがあるっていう話とか、セックスなんて言葉を使うなんてって、反対する親もいるらしく。そういうのを防ぐために、性教育をした方がいいっていうのを今度、抗議させてもらうんだけど。学校じゃなくても民間で人を呼んだりとか、家庭で学べるようにするとか」
S「私、中学生のときに、可愛い絵の書いたコンドームを渡されて。『彼氏ができたときに使うんだよ』ってお父さんに言われて。可愛いから持ち歩いてた。『彼氏に渡すとき、可愛いほうがいいでしょ』って」
T「いいね〜! 私は、お母さんに怒られて、性に対して話すことってよくないんだって思っちゃって。大人になってからこういう価値観で、活動するきっかけになってるから。悪いことじゃなくて、安全性を持ってすればいいことだよ。タブー視する必要ないって、本当に価値観が変わったなって思う」
N「なんかタブーにしちゃうと、学生がするときの場所とかもやばいと思う」
T「ホテルとかは昔ゆるかったかもだけど。公園の汚いトイレでしてる子とか、田舎は結構あった…。衛生面的にもやばいよね」
N「隠れてやるほうが、危ないから。家とかだったら逆に言ってほしい。家出ようかな〜とかできるしね」
S「女性は受け身になりがちだけど、親に言える環境を整えてあげるのがいいよね」
T「AVはファンタジーということを前提に説明するとか。ある学校では、小学生高学年のときに出産の動画を見せるらしくて。みんな泣いちゃうらしいんだよね。お母さんがこんな風に産んでくれたんだって実感すると、生理のこととかに対しての理解も深まるらしくて。思春期がくる前にわかってもらうほうがいいかなと思う」
S「性犯罪とかもね。気をつけてほしいし」
T「本当に性教育しないとダメだよね」



