
Z世代のクリエイターとして注目を集める榎本紀子が、ジュエリーブランド「ガルブ(galbe)」をスタート。自身のバッグブランド「ノリエノモト(nori enomoto)」で、“物を入れて運ぶ”機能性を持ちながらも美しさや曲線の心地よさを追求してきた彼女が、次第に形そのものを探求したいと、ジュエリー制作に挑戦することにしたのは自然な流れかもしれない。ブランド名の「ガルブ(galbe)」はフランス語で曲線の意。バッグのデザインにも見られる曲線を発展させ、優美なシルエットのジュエリーへと昇華。発表イベントの場に選んだ、山口・宇部の建築家 石上純也設計の レストラン「メゾン・アウル」で、クリエイションにかける思いを聞いた。

実験的な膨らみ、美しい曲線の追求
曲線に興味を持ったきっかけを聞くと「文化で洋服を制作する過程で曲がったまち針をたくさん目にして、その曲線が美しいと思ったんです。それから街なかの手すりやタイル、建築物の曲線に目がいくようになって」と話す。小学校高学年でファッションに興味を持ち、中学時代はファッション誌に傾倒。大学で服飾を専攻し、ゼミで制作を経験した際に「作る楽しさ」に開眼。服作りを学びたいと大学卒業後文化服飾学院に進学。
「色や装飾が好きで、自分の感覚を表現するのに洋服ではキャンバスが大きいなと感じて、小さくしてバッグにしたらいいんじゃないかとバッグをデザインするようになりました」“絵になる小物”をコンセプトにした「ノリエノモト」のバッグは大人気に。
「キャンバスをどんどん小さくしてみたくなり、バッグよりももっと小さくとなったときに思い浮かんだのがジュエリーでした。ジュエリーは長くともにするもので、思い出や感情が宿りますよね。私も長く使っていただけるものを作ってみたいと思ったんです」
自身の初めてのジュエリーは、高校卒業記念に学校から卒業生全員に贈られたシルバーのネックレスだったそう。「その時はプリントのように配られて(笑)、価値もよくわかっていなかったんですけど、何年もたった今でもそのジュエリーを見ると学校のことを思い出したり、同窓会にみんなで着けて行ったり、ジュエリーっていいものだなと。私も年齢的にジュエリーがより好きになったというのもあります」

ガルブのファーストコレクションは、ヨーロッパの邸宅に見られる鉄格子がインスピレーションの「フェール・フォルジュ」、「ガルブ」の頭文字gを組み合わせた「アンサーニュ」など7つのテーマで構成し、ピアス、ネックレスなど約50型、素材もプラチナ、K18から自分の世代が入りやすいスターリングシルバーまで用意。


今後の展開について聞くと「自分の好きな曲線美をどんどん追及していきたい。身に着けていただいた時に、曲線によって生まれる光の反射とか、その人の感性や視野が広がるようなジュエリーを作っていきたいです。マリッジとかオーダーメイドとか、誰かの大切な日にガルブが寄り添えたらすごく素敵だなと思っています」

galbe
11月28日(金)よりオンラインストアで販売開始。2026年1月から全国各地のポップアップショップにて展開予定。
公式オンラインストア/https://galbe-official.com/
Photos:Shimpei Mito Text:Michie Mito
