「アートウィーク東京」で巡る東京のディープなアートワールド | Numero TOKYO
Art / Feature

「アートウィーク東京」で巡る東京のディープなアートワールド

39軒のギャラリーが参加する2025年のアートウィーク東京。「どこから見ればいいか迷ってしまう」という人は、テーマを決めて巡るのも手。編集部が気になるテーマ別に、ギャラリーの展覧会をピックアップ。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2025年12月号掲載

 

「アートウィーク東京」って何?

東京都内50以上の美術館とギャラリーが参加する、年に一度の現代アートの祭典。2025年は11⽉5⽇(水)から9⽇(⽇)の5日間にわたって開催される。メイン会場を持たない分散型のイベントで、参加美術館やギャラリーがそれぞれ開催する個性豊かな展覧会と、アートウィーク東京(AWT)による独自プログラムを参加者が自由に巡るスタイル。7日(金)〜9日(日)は各参加施設やプログラム会場をつなぐ無料のシャトルバス「AWT BUS」も運行する。毎年異なるキュレーターが監修する「AWT FOCUS」やえりすぐりの映像作品を無料で上映する「AWT VIDEO」、さまざまなトークプログラムからなる「AWT TALKS」、限定フードやアーティストがプロデュースしたカクテルを楽しめるポップアップバー「AWT BAR」など、アート初心者からコレクターまで楽しめるプログラムが盛りだくさん。

アート×ネイチャー

【ギャラリー38】

植松永次『星座』展示風景 2022年 Photo by Osamu Sakamoto
植松永次『星座』展示風景 2022年 Photo by Osamu Sakamoto

土と火の偶然美

植松永次「芽の出るところ」
土や自然との対話をインスピレーションに、1970年代から泥漿の動きや火の痕跡を生かした作品を制作してきた植松永次。即興性や偶然性をはらむ独自の存在感は、あらゆるものがデータ化される現代において見過ごされがちな日常の大切な時間や空間を思い起こさせる。

会期/2025年10月5日(水)〜12月14日(日)
開廊時間/12:00-19:00
休廊日/月、火、祝日
住所/東京都渋谷区神宮前2-30-28
URL/https://www.gallery-38.com/welcome

 

【スノーコンテンポラリー】

浅野友理子 『ひそやかな交易』2024年、国際芸術センター青森(ACAC)Photo by KONO Yurika ©Yuriko Asano
浅野友理子 『ひそやかな交易』2024年、国際芸術センター青森(ACAC)Photo by KONO Yurika ©Yuriko Asano

食と植の記憶

浅野友理子
各地を訪ねて食文化や人々とのやり取りを通じ、受け継がれてきた知恵を記録するように、色彩豊かな絵画を描く浅野友理子。植物画にとどまらず、人と環境の共生や生命の循環といった現代的な問題意識を内包した作品を手がけてきた彼女が、新作を含む個展を開催する。

会期/2025年10月17日(金)〜11月22日(土)
開廊時間/13:00-19:00
休廊日/日、月、火、祝日
住所/東京都港区西麻布2-13-12 早野ビル404
URL/http://snowcontemporary.com/exhibition/

 

【スカイザバスハウス】

ムン・キョンウォン&チョン・ジュンホ『To Build a Fire_This is me』2024年
ムン・キョンウォン&チョン・ジュンホ『To Build a Fire_This is me』2024年

架空の未来へ

ムン・キョンウォン&チョン・ジュンホ「The Laboratory of Spring and Fall Collections」
スカイザバスハウスで個展を開催するのは、架空の未来を通じて気候変動や環境危機といった社会問題を探求してきた韓国のアーティストデュオ、ムン・キョンウォン&チョン・ジュンホ。国際芸術祭「ドクメンタ」への出展や、金沢21世紀美術館での大規模個展でも注目されるふたりだ。

会期/2025年11月5日(水)〜2026年1月31日(土)
開廊時間/12:00-18:00
休廊日/日、月、祝日(11/9は開廊)
※2025年12月20日(土)〜 2026年1月12日(月)は冬季休暇のため休廊
住所/東京都台東区谷中 6-1-23 柏湯跡
URL/https://www.scaithebathhouse.com/ja/exhibitions/

アート×伝統工芸

【ペロタン東京】

リー・ベー『Brushstroke』2024年 Courtesy of the artist and Perrotin
リー・ベー『Brushstroke』2024年 Courtesy of the artist and Perrotin

民俗儀礼を作品で表現

リー・ベー「The In-Between」
30年にわたり炭を探求し、絵画や彫刻を手がけてきたリー・ベー(李英培)。今回の個展のインスピレーションは、故郷韓国の民俗儀礼「タルチッテウギ」だ。陰暦最初の満月の夜、松の枝や藁束を積み重ねて「月の家」を作り、火をつけてその炎と煙に願いを託すこの儀式に着想を得て、生命の循環を表現する。

会期/2025年11月5日(水)〜12月27日(土)
開廊時間/13:00-19:00
休廊日/日、月(11/9は開廊)
※アートウィーク東京期間中は、以下を参照
11月5日(水)〜11月6日(木)11:00-19:00
11月7日(金)〜11月9日(日)10:00-19:00
住所/東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル1F
URL/https://www.perrotin.com/exhibitions/

 

【コウサクカネチカ】

舘鼻則孝『PRIMARY COLORS』展示風景、2022年
舘鼻則孝『PRIMARY COLORS』展示風景、2022年

「鏡」に魅せられて

舘鼻則孝「Sacred Reflections」
シューズデザイナーとしても知られる舘鼻則孝。大学で遊女に関する文化を研究する傍ら、友禅染を用いた斬新な着物や下駄を制作した彼は、日本の伝統文化から着想を得た作品を、現代的な表現に昇華させてきた。今回の個展では、日本の古事における「鏡」を主題とした作品シリーズを展示する。

会期/2025年10月4日(土)〜11月15日(土)
開廊時間/11:00-18:00
休廊日/日、月、祝
住所/東京都品川区東品川1-33-10
URL/https://kosakukanechika.com/exhibition/

 

【ファーガス・マカフリー】

ミケル・バルセロ『魚と蟹』2023年 Photo by Ryuichi Maruo
ミケル・バルセロ『魚と蟹』2023年 Photo by Ryuichi Maruo

土でつながる日西

ミケル・バルセロ「信楽焼」

スペイン出身のミケル・バルセロは、⾃然の驚異や神話などをテーマに、絵画から彫刻まで幅広い作品を制作してきた。彼の個展のテーマは「信楽焼」。マリでドゴン族の伝統的⼟器に魅了されて以来、土を使った作品を多く手がけてきたバルセロが、信楽の陶芸家・古⾕和也と共同制作した14点を展⽰する。

会期/2025年9月9日(火)〜11月9日(日)
開廊時間/11:00-19:00
休廊日/日、月、祝
※アートウィーク東京期間中は、以下を参照
11月5日(水)〜 11月9日(日)10:00-18:00
住所/東京都港区北青山3-5-9
URL/https://fergusmccaffrey.com/exhibition/

 

アート×日常

【東京画廊+BTAP】

入江早耶『木土偶地蔵(もくどぐうじぞう)』2023-2024年
入江早耶『木土偶地蔵(もくどぐうじぞう)』2023-2024年

消しクズの問い

入江早耶「カガヤク日常ノ微塵」
菓子箱や紙袋といった日用品に描かれたイメージを消しゴムで消し、その消しカスで元の図像を彫像化する。入江早耶はモチーフを一度消し、二次元の情報を三次元に再構築することで表象との関わりをユーモラスに問う。個展では観音像や野鳥図鑑などもテーマに、新作を含む複数のシリーズが公開される。

会期/2025年10月4日(土)〜11月15日(土)
開廊時間/12:00-18:00
休廊日/日、月、祝
住所/東京都中央区銀座8-10-5 7F

 

【無人島プロダクション】

マルト・アルディ『one and two and three and screwed』2024年 Courtesy of the Artist and ROH
マルト・アルディ『one and two and three and screwed』2024年 Courtesy of the Artist and ROH

道具と概念の対話

八木良太、マルト・アルディ「Behind Itself」
京都を拠点とする八木良太と、インドネシアのコンセプチュアルアーティストであるマルト・アルディによる二人展。身近な道具や既製品の用途や意味を再構築して既成概念作品を問う作品が特徴的な二人が、立体、平面、映像など多様な表現を通して思考や視点を交差させる。

会期/2025年9月27日(土)〜11月9日(日)
開廊時間/水・木・金 13:00-19:00 / 土・日 12:00-18:00
休廊日/月、火、祝
※アートウィーク東京期間中は、以下を参照
11月7日(金)〜11月9日(日)10:00-18:00
住所/東京都墨田区江東橋5-10-5
URL/https://www.mujin-to.com/exhibition/

 

【ケンナカハシ】

森栄喜「Moonbow Flags」シリーズより『Untitled』2025年
森栄喜「Moonbow Flags」シリーズより『Untitled』2025年

「旗」に日常を重ねる

森栄喜「Moonbow Flags」
写真作品で知られる森栄喜だが、その実践はパフォーマンスや映像、詩作など幅広い。ケンナカハシでの個展では、未発表のポートレートと手描きの白い図形をフォトグラム技法で重ねた新作を発表。国家や権力の象徴「旗」と、日常の壁紙やタイルの模様を融合させ、既存のシンボルの意味を再解釈する。

会期/2025年10月10日(金)〜12月20日(土)
開廊時間/12:00-18:00
休廊日/日、月(11/9は開廊)
※アートウィーク東京期間中は、以下を参照
11月5日(水)〜11月19日(日)10:00-20:00
住所/東京都新宿区新宿3−1−32新宿ビル2号館5階
URL/https://kennakahashi.net/

Edit&Text:Sora Kagawa

 

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