美容情報が氾濫する今だからこそ押さえておきたい、最新の12の美容トピックをピックアップ。皮膚科学の知見や最先端研究から、話題の成分まで、自分の目指す肌に合わせた最新コスメ選びのヒントに活用して。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2025年10月号掲載)
1. 細胞長寿

細胞そのものの老化を防ぐことや、細胞内でエネルギーを産生するミトコンドリア機能の健全化、老化細胞の除去。こういった世界的な抗老化研究を肌に応用しようというのが、美容のフロントライン。
2. ヒト幹細胞

幹細胞コスメは数多あれど、その内訳はさまざま。肌の幹細胞を増やしたり、働きを応援するものや、幹細胞培養時の上澄み=上清液を配合したものがあり、後者だけでもヒト由来から植物由来まで多種多様。それぞれ特性があるため、知識を得てセレクトを。中でもヒト幹細胞培養上清液は、質が重要と心得て。国内医療機関の同意を得て健常なドナーから採取した臍帯幹細胞を独自の培地で培養し、500種以上の成分を含む上清液に。多角的に働き、不調肌を立て直す。
3. ピュアレチノール

ターンオーバー促進やシワ改善の効果が期待でき、美容皮膚科でも処方されるレチノール。中でも純粋なビタミンAであるピュアレチノールは即効性の高さが魅力だが、光や熱に弱く、かつ刺激が強くて赤みなどのA反応が出やすい。ゆえに技術力の優れた信頼できるブランドから選ぶことが大事。
4. PDRN

美容医療で人気上昇中の“サーモン注射”の主成分であり、もともとはサケ科の魚の細胞から抽出されるDNAの断片。細胞の再生&修復力が高いことから、バリア機能の強化、ツヤやハリの向上など幅広い効果が期待され、その有用性は再生医療の分野でも活用されているほど。最近では、植物由来のものなどさまざまなPDRNが登場するなど、最もアツい成分のひとつ。サーモン由来のPDRNを採用。11種のヒアルロン酸とともに行き渡り、潤い、ツヤ、ハリで満たす。
5. 炎症キャンセル

肌を取り巻く環境は過酷さを増し、急増しているのが赤み悩み。その一大要因の炎症は、放置すればエイジングも進めてしまうため、逐一“消火”が必須。夏の炎症を秋に持ち越さないためにも、抗炎症コスメの常備を。
6. マデカッソシド

人気成分のシカはツボクサから抽出された成分の総称であるのに対し、マデカッソシドはシカから摂れる主要な有効成分のひとつ。より高純度&高機能で、強い抗炎症作用や肌の再生促進効果が期待できるので、ニキビ跡を含め、ダメージの回復ケアを図るなら、シカよりもマデカッソシドに軍配が上がりそう。人気の痕跡ケアマスクには純度99%のマデカッソシドを配合。ゆらぎやニキビに悩む肌でも使える優しさがありながら、赤みを鎮静し、潤い溢れる肌に。
7. 細胞遊走性

修復が必要なところに細胞は駆けつけて働く。そんな賢い働きをアシストすることでシワを改善し、ふっくらなめらかに導くコスメも続々登場。
8. LHA

第4世代のピーリング成分であり、韓国発祥の人気施術“ララピール”の主成分。BHAの誘導体であり、AHAやBHAよりもゆっくり浸透して肌負担が少ないのが特徴。コラーゲンを増やす作用があり、油溶性ゆえに毛穴の奥まで浸透しやすく、毛穴目立ちや過剰皮脂、ニキビにも有効。古い角質を浮かせてから、ヒアルロン酸ビーズやLHAが優しくオフする落としすぎない角質ケア。美容成分も豊富に含み、もっちり澄み渡る肌に。
9. 銅

日本ではまだなじみは薄いが、真皮のコラーゲンとエラスチンをしっかり結びつけるために必要なことから、海外では注目が集まる、銅。体内では生成できないため、肌にはコスメでの摂取が望ましい。
10. アゼライン酸

過剰な皮脂の分泌を抑え込み、ニキビや毛穴詰まりに効く! と話題の成分。美白作用や赤みの改善まで期待できるが、パワフルなぶん、刺激が強く出るリスクも。そのためセルフケアでは、低刺激な誘導体タイプを選び、気になるパーツのみに塗るのがオススメ。皮膚科医監修のもと、効果と有用性のバランスを鑑みてアゼライン酸誘導体を15%配合。ビタミンC誘導体やヨモギエキス、アラントインも含み、繰り返す肌トラブルに多方面から働きかけ、健やかに。
11. 表情管理ケア

日によって老け見えしたり、怒ってないのに不機嫌に見えたり。そのカギを握るのが目元。ほどよいボリュームと引き締まったフォルムを叶えるべく、深層から浅層まで緻密に働きかけるのが今季のアイクリーム。
12. クリームの威力

充足感はあるのに重たさを感じさせない珠玉のつけ心地で、守るだけでも与えるだけでもなく肌質や輪郭まで美しく。ハイグレードなクリームの実力、知らないままではもったいない。
Photos:Kouki Hayashi Text:Hiromi Narasaki Edit:Naho Sasaki
