シャネル N°5 が生まれる土地。出口夏希とJURIN(XG)のグラース訪問記 | Numero TOKYO
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シャネル N°5 が生まれる土地。出口夏希とJURIN(XG)のグラース訪問記

ジャスミンの収穫期である9月。南仏グラースのシャネルの専用農園に、各国のゲストとともに女優の出口夏希とXGのJURINが来訪。豊かな香りに包まれながらジャスミンの手摘みを行ったほか、専属調香師 オリヴィエ・ポルジュとのエクスクルーシヴなセッションなどを体験した。その模様をレポート!

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出口夏希さんとJURIN(XG)さんがグラースの農園へ

「シャネル  N°5」は、1921年に誕生したフレグランス。この名香のキーとなる香料が、グラース産のジャスミンだ。30mlボトルの「シャネル  N°5 パルファム」には、実に1000輪ものジャスミンの花が必要なのだそう! 2人が訪れたのは、南仏コートダジュールの香水づくりの聖地、グラースに広がるシャネルの専用農園。ジャスミンの開花の時期とあって、あたり一面にうっとりするような濃厚なジャスミンの香りが漂う。

 ジャスミン畑では、農園を管理するミュル家のマリカに案内され、複数のジャスミンの香りやローズ ドゥ メ、ローズ ゼラニウムなど様々な花のエッセンスを試したり、計量場やエッセンス抽出の工場を見学したり、携わる人々とのコミュニケーションを通じてN°5の生まれる各工程を体験した。

 

香水界に革新をもたらした「シャネル  N°5」

「シャネル  N°5」は、“N°5以前、N°5以後”という言葉を生みだしたほどに、香水界に革新をもたらした特別な存在だ。1921年にガブリエル・シャネルが調香師エルネスト・ボーに「女性そのものを感じさせる、女性のための香水を創ってほしい」と調香を依頼した際、ガブリエルからの唯一の条件は“もっとも美しい原料を使うこと”だったという。そこで彼が選んだのは、フレッシュかつ官能的な香りを放つグラースの特別なジャスミン(学名=グランディフロラム)。以来、シャネルは当初のフォーミュラに忠実に「シャネル  N°5」をつくり続けている。 

“花からボトルまで”すべて自社で行う唯一のブランド

今でこそ「香水の聖地」として知られるグラースだが、もとは革手袋の生産地として発展した都市。18世紀に皮なめしの匂いを隠す香り付き手袋が流行った際に、花の栽培とフレグランスの生産へと産業をシフトしたという。肥沃な土壌と山に囲まれた気候が、デリケートな花の栽培に適しているため、調香師たちもここを拠点とするようになったそう。グラースのサヴォアフェールは、2018年よりユネスコの無形文化遺産に指定されている。

安定的に原料を確保するため、1987年に3代目シャネル専属調香師ジャック・ポルジュは、ジョゼフ・ミュルが率いるグラースにあるミュル家の農園とパートナーシップを結び、さらに収穫後すぐにエッセンスの抽出、調合までの工程を行えるよう敷地内に工場を創設。ミュル家と手を取り合って花のクオリティから品質管理まで行っている。現在、調合までの過程を管理するのは、4代目シャネル専属調香師のオリヴィエ ポルジュ。

2016年発表のシャネル N°5 ロー オードゥ トワレットを調香した、4代目専属調香師オリヴィエ・ポルジュとのセッションも行われた。

農園での花摘みを実際に体験したり、エッセンス抽出などN°5が生まれる各工程を見学した二人。フレグランスづくりを支えるサヴォアフェールを体感し、「シャネル  N°5」が大切にしてきた“花からボトルまで”の比類なきクリエイションを知る貴重な旅となった。

#Chanel / シャネル
#XG / エックスジー

Photos : Courtesy of CHANEL  Edit & Text : Naho Sasaki

 

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