夏から秋へと移ろいゆくアンビバレントな季節、温かくも涼しげに、秋色ながら軽やかに、季節のはざまを彷徨うムードをメイクで描き出す。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2025年9月号掲載)

メイクアップ・アーティスト山中唯が提案する秋メイク。こっくりショコラな秋色リップは、上唇はマット、下唇はグロッシー。質感の遊びを密かに忍ばせて。赤みが少ないブラウンは、肌の黄みを目立たせず透明感をアップしてくれる色。

マットブルーで大胆さを。ホワイトラインで純潔さを

夏っぽいスカイブルーもマットならシーズンを問わず洒落感を演出。「マットな質感だとアイシャドウに雰囲気が出ます。アイホールのくぼみに沿ってラインのように入れると、強くなりすぎずおすすめ。白いアンダーアイラインで抜け感を出して」(メイクアップ・アーティスト山中唯)

「シェーディングやチークは入れ方ひとつで、メイクのムードががらりと変わるアイテム。個人的にはニュートラルな色に魅かれます」(山中)。

ファッションに合わせて自由に色を選ぶならシングルシャドウを。メイク意欲を掻き立てる圧巻の60色。

「90年代後半に全盛だったヘルシーなヌードメイクのムードが好きで、テラコッタ肌を取り入れたルック。下斜めへテラコッタオレンジのチークをのせることで日焼けっぽいピュアな雰囲気に。目元にも同系色を入れるとよりヘルシーな印象です」(山中)

「引き算メイクが気分の今。ヌードなメイクに、束感のあるまつ毛だけで勝負するのもおすすめ。ドーリーアイにならないように、ビューラーはせず、束感を整えずダマを作るぐらいラフに塗ります。マスカラ液をたっぷりつけて、ブラシを縦に持って横にずらしながらざざっと塗ると今っぽい仕上がりになります」(山中)
メイクアップ・アーティスト 山中唯の2025年秋、本当に買いたいメイク
カラフルなファッションが気分の今、メイクはレスに、陰影を活かすのが山中流。

Photos:Saki Omi Makeup : Yui Yamanaka Hair : Mirai Uejo Styling : Nozomi Urushibara Edit Associate : Saki Tanaka Edit & Text : Naho Sasaki
