佐藤雅彦とは何者か? テレビCM、教育番組、デザインにコピーライティング、ゲーム、楽曲、著作物ほかに至るまで。独創性と驚きに満ちた約40年の軌跡をたどり、「作り方」「分かり方」の理論やアイデアをひもとく、初の大規模展覧会。(『Numero TOKYO(ヌメロ・トウキョウ)』2025年9月号掲載)


佐藤雅彦(1954年生まれ)――その名前から、何を思い浮かべるだろうか。電通でCMプランナーとして湖池屋「スコーン」「ポリンキー」、NEC「バザールでござーる」などヒットを連発。退社後は広告以外に表現を広げ、プレイステーションソフト『I.Q』や、作詞・プロデュースを手がけた『だんご3兄弟』が社会現象に。2002年、慶應義塾大学佐藤雅彦研究室で教育番組『ピタゴラスイッチ』を立ち上げ。これが『0655/2355』など、同研究室OBによるクリエイティブグループ「ユーフラテス」(05年設立)との実験的な協働につながっていく。


本展は、その創作活動の軌跡をたどる初の大規模個展。ものを作る以前に、世界をどう解釈し、整理するのか。自ら「コミュニケーションデザイン」と総称する創作の方法論に光を当てる。「一見、楽しいもの、かわいいもの、面白いもの(中略)それらの後ろに存在している『作り方を作る』そして、『どうしたら分かってもらえるか』という、私の目指したことを理解していただけたら、さらに嬉しく思います」(展覧会メッセージより)

横浜美術館リニューアルオープン記念展
「佐藤雅彦展 新しい×(作り方+分かり方)」
3年余りの大規模改修工事を経た全面開館記念展。表現者・教育者として約40年にわたる佐藤雅彦の創作活動を概観し「作り方を作る」方法論に迫る。最新情報はサイトを参照のこと。
会期/6月28日(土)~11月3日(月・祝)
会場/横浜美術館
住所/神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1
TEL/045-221-0300
URL/https://yokohama.art.museum/
Edit & Text : Keita Fukasawa
